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完結させてくれてありがとう

 4月6日に陰陽屋シリーズの最終巻である『よろず占い処 陰陽屋桜舞う』(ポプラ文庫ピュアフル)が無事に刊行されました。
 月刊asta*での連載第1回から、実に15年半かけての完結です。
 陰陽屋シリーズが完結したことをうけて、ツイッターでは「ずっと続けてほしかった」「(読んだら終わっちゃうから)読みたくない」などの愛あふれるコメントもいただきましたが、自分ではいい感じで完結できて、幸せなシリーズだったと思っています。

 海外では作者が亡くなった後も、違う作家がシリーズを引き継ぐことが少なくないと読んだことがありますが、日本では(ごく一部の例外をのぞき)、作者が亡くなればそのシリーズは終了し、永遠に完結することはありません。

 あるいは作者が元気でも、売り上げが下がると、出版社の判断で打ち切られることになります。 
 シリーズが長くなると、どうしても途中で離脱する人がでてくるし、売り上げが採算ラインをわりこむものは刊行できないというのは、しかたのないことです。
 シリーズものが途中で止まると、作者が飽きてしまったのかな、とか、話の展開に行き詰まってしまったのかな、と、思われがちですが(そういうケースも中にはありますが)、実はひっそりと打ち切られていることが大半です。

 さらには、そのシリーズが刊行されていたレーベル自体がなくなってしまうというぎゃふんな事態もあります。
 私の場合だと、『お帰りください、勇者さま』という異世界ファンタジーがこのケースに該当します。
 実はこの作品は2巻も依頼されていて、シリーズになるはずでした。
 が、ある日、編集者さんから電話があり、f−Clan文庫そのものが廃止されることになったというではありませんか。ひぃ〜。
 ラノベはたくさんイラストも入れてもらえるし楽しくていいなぁと思っていたのにしょんぼりですが、これまた、しかたのないことです・・。

 最悪の場合、出版社が倒産してしまうことも・・!
 私はこのケースには遭遇したことはありあませんが、印税未払い、原稿紛失など、あらゆる阿鼻叫喚が想像されます(白目)。

 ですが陰陽屋シリーズは、買い続けてくださった方々とお稲荷さまのご加護のおかげで、打ち切られることもなく、ポプラ文庫ピュアフルも存続し、無事、予定していたラストまでたどりつくことができました。

 作者(私)も生きながらえて、今、こうして感謝の言葉をつづっております。

 完結させてくださり、ありがとうございました。

 また気が向いたらネタバレな裏話を書きますね!

 


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