子どもはあっという間に変わる

私は『どんな時でも自分を愛し、自分自身の力を信じる子』を
増やしたい、と思っている。
『私は愛される存在』という自分への絶対的な信頼が
年齢とともに減っていく子どもたち・・

本当は誰だって心の底では自分の力を知ってて、信じているのに、
親や周りからの言葉でドンドン「ダメなわたし」が心の中で育っていく。

昔、虐待されている小2の女の子の担当になったことがあった。
児童相談所が親元から離し、祖父母宅で育った時期もあったという。

暴言、暴力、突然物を投げたり人を蹴ったり・・
もちろん学校でも問題児。

彼女の目は何も信じていないような、周りを敵視しているような
輝きのない瞳だった。

私も初日、いきなり蹴られ、頭を殴られ、言葉は通じず、振り回されっぱなしで終わった。

家に帰って「さて、どうしよう?」とこれからを考えた。

そして、一つだけ決めた。

『彼女の言動そのものにではなく、心の底にある【愛されたい】という
気持ちに向かって、そこを意識した言葉がけをしよう」と。

彼女の振る舞いに対してのジャッジではなく、もっと深い彼女の魂に
呼びかける、とでもいうような言葉に変えてみた。

ずっと否定され続けて傷ついた心、自分の存在が認められない寂しさ、
悲しさ孤独感・・・

そこを救いたい!と思った。

「友だちの気持ちになって、考えなさい」とか言われても、
優しさや愛を実感したことがなかったら、そんなことできないのは
当たり前。

自分が優しさや愛を感じたことがないのに、
どうやって他人に優しくできるだろう?

自分が感じたことで、自分や周りを知っていくのだから・・・

子どもは理屈では学ばない。
まだ、理屈で理解するまで思考が発達していないから。

なのに、理屈で説明しようとする大人たち。
子どもは本当な納得なんてしていないけど、その場は
そんな気持ちになる。

そして子どもの心に残りのは「怒られた」「わかってもらえなかった」
という感情。

私は彼女への接し方を変えた。

彼女のやり遂げるまで、ひとりでやり抜く集中力や、頑張る力
周りをよく見てるところ、等々彼女の長所をドンドン言葉にして
伝えた。

1週間もたたないうちに彼女の表情が少し和らいできた。
1ヶ月もしないうちに笑顔がでてきた。
勿論その日の感情で暴言をはくことはあるし、暴力をふるうことが
消えたわけではない。

でも明らかに瞳が変わった。
友だちとのやり取りもできて、笑顔で会話する様子も見られた。

子どもは愛されてる、と感じればあっという間に変わるんだ。と驚いた

子どもは「愛されたい」「愛実感したい」と思っている。
子どもだけじゃない。みんなみんな、愛されたいし、愛を実感したい。

私たち大人は子どもの言動だけでなく、心の底にある「認められたい」
「愛されたい」を満たす言葉をかけてあげる意識は持っていたいと思った。

それが子どもの無意識を作り、子どもが自分をどう感じるのか
「セルフイメージ」を創ることになるのだから。


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