見出し画像

モノの値段のしくみ

モノの値段の中には、そのモノを生み出すための直接的な費用と販売をするためにかかった間接的な費用があります。

建築工事で言えば、設計や施工に必要な材料費や直接人件費が前者。後者は広告宣伝費、間接部門の人件費や経費、企業全体の管理費です。
その割合は、会社の規模形態によってマチマチです。

言い換えれば、同じ金額を払っても、直接的にその建物に費やされるお金は違うのです。


正直に言えば、設計と施工そのものにかかる直接的な費用が多い建物の方が質の高い建物です。
※豪邸が良い建物という意味ではありません。どんな予算であろうとその内訳をしっかりと割り振り、適材適所で予算をかけたものが良い建物だと思っています。

自分の家を建てて、この先ずっと住み続けるのであれば、直接目に触れる建物そのものにお金がかかっていた方が良いと思いませんか?


◇ ◇ ◇

家づくりの方法第2章は、ハウスメーカーの営業があまり言わないことを中心に、ハウスメーカーと設計事務所に頼んだ場合の違いを5 つのポイントから解説します。

1.設計の自由度
2.実際の工事費
3.設計と施工
4.比較が出来るのか?
5.保証とメンテナンス

◇ ◇ ◇


2つ目のポイントは実際の工事費です。


画像1

広告宣伝費とネームバリュー


大手ハウスメーカーの名前を何故よく耳にするのかといえば、営業や広告宣伝に多大な費用を掛けているからです。
テレビCM や住宅展示場の運営費やキャラクターの使用料などに投資することによってネームバリューはつくられます。

そしてその費用はメーカーのお客様が払っています。
見ず知らずの他人にばらまかれているメーカーのキャラクターグッズなどさえもあなたの建設費から捻出されているのです。

よく聞く名前の大きな会社であれば安心だ。潰れることは無いので将来も安心だ。と感じる心理もありますが、昨今はどんな企業もそうそう盤石なものではありません。

ネームバリューよりも、あなたが支払うお金がどのように使われるのかを納得して支払うことも大事なのではないかと思います。



画像2

実際の工事費比較

実質工事費比較

例えば総工費4,000 万円の設計施工契約をした場合、実際の工事費は、大手ハウスメーカーの場合、約50%程度だと言われています。
設計事務所に設計を依頼した場合は、設計料・工務店経費を除いた実際の工事費は75%程度になります。
工務店に設計・施工を依頼した場合は85%(設計費込みですが)になります。

総工費4,000 万円の契約をハウスメーカーと設計事務所で比べた場合には、実に1,000 万円もの差額分のお金があなたの家の仕上げとは直接関係のないことに使われるのです。


大手メーカーは製品を規格化・大量生産することで合理化を図り一品生産品よりも安価に実現しています。
一方でインターネットの普及による流通の変化から、実は材料単価には大きな差が無くなってきているのも事実です。

25% もの差額の広告宣伝費を賄えるほどの価格差があるとは思えません。

つまり、実際の工事費が違えば、それ相応に建物の質が落ちると言えるのです。


何にお金をかけて何にお金をかけないか。
それが設計費・工事費を評価する上で大事なことです。

合計額だけでなく、その内訳をしっかりと納得していただくことが満足度に直結するものだと思っています。



この内容は弊社で作成した小冊子をnote用に転載しています。紙面で見たいという方はお問合せ下さればお送りいたします。




noteを始めてから、考えていることをどう書いたら伝わるだろうかと試行錯誤することが楽しくなりました。 まだまだ学ぶこと多く、他の人の文章を読んでは刺激を受けています。 僕の文章でお金が頂けるのであればそのお金は、他のクリエイターさんの有料記事購入に使わせていただきます。