見出し画像

進めたら見えてくるらしい。

 先日、同じ地域に住む個人事業主ママ同士のコミュニティで、12月に開催するイベントの打ち合わせがオンラインで行われた。

 そこのコミュニティの打ち合わせに参加するのは半年ぶりになる私は、
「クリスマス時期だし、受託販売を始めたアクセサリーを持って行こうかな。寒い時期だからリフレクソロジー(※)もできたらいいな。どんな人を対象にしたイベントにするんだろう」
と、出店者もお客様も楽しむ様子を想像していた。

 いつも使うパソコンとは違う年季の入ったパソコンでZOOMに接続したせいか、開始時間を過ぎても、なかなか入室できず、少しイラ立ちながらも、久しぶりに顔を合わせるメンバーと話せるのを楽しみにしていた。

 入室して、すでに始まっている会話を聞いた。

 どこまで話が進んでいるんだろう?とりあえず日程調整や場所をどこにするか、かな。

 コミュニティの中心になっているAさんと、協力してくれるらしい地元イベント開催グループのBさんが交互に話すのを聞いていた。

「ん?」

 私の頭に疑問符が浮かぶ。

 どうやら、夏以降にミニイベントや交流会で会ったコミュニティのメンバーで、ある程度、内容が決まっていたらしい。


【ヨガをメインにして、ワークショップでキャンドルを作ってヨガをするときに並べる】

 ワークショップはキャンドルに限らないらしいけど、ヨガをするのは決まっていた。

 そして、ヨガをするときはワークショップは終わっているようにするらしい。私が出店者側でできることはなさそうだと、早々に決めた。

 そうはいっても、私もせっかく打ち合わせに来たから、話を決める方向で進めていきたいと思って、ある程度、話を決めていたAさんやヨガの人に質問してみた。

「ワークショップ+ヨガということなら、2部制とかにするんですか?時間の長さによって抑える部屋の時間とかも決まってくると思うんですが」

「まだ、そこはわからないです。どのくらいワークショップに時間がかかるかわからないし、1回だけで終わっていいのか、お客様を入れ替えて2回やってもいいし」

 他の人も、疑問に思うことを聞いてたけど、私の時と同じく煮え切らない返事。

 コミュニティにとっては初めての試みだし、わからないことが多いのは理解しているけど決めていかないと何も決まらない。

 まずはイベントの主軸になるヨガやワークショップ関連の人たちで日付など大枠を決めるしかないんじゃないかな。

 そう思っていたら、Bさんが話し出した。

「とりあえず、場所はどこにする?ある程度の広さがいるなら市の〇〇っていう施設がいいかなと思うけど」

「そこにしましょうか」

 省いたけど、この2文のやり取りの間に文章にしづらいというより、何の話が理解できない不毛なやり取りがあった。

 私は音声をミュートにして、口角を一生けん命上げて画面を見ていた。

 場所が決まった後、Bさんが話を続ける。

「日は、Aさんとヨガのインストラクターさんとキャンドルのワークショップする人とで、とりあえず決めて」

 打ち合わせの終了時間が近づいていたこともあり、この後はLINEでやりとりすることになった。
 私は、「日時が合えば参加者としまーす」とだけ伝えた。

 そうしたら、同じリラクゼーションサロン仲間が、「ヨガの後リラックスタイムに体に触れてほぐすっていうこともできるよね」って言いだした。

 あー、そういうこともできるんだ。
 
 前向きで建設的な意見を言える彼女に感心し、後ろ向きな自分を反省した。


 ま、【ヨガとワークショップ】って聞いた時点で、やる気がなくなってたから、前向きに考えられなくて当然の状態だったんだけどね。

 それでも、いったん仕切り直した方が良いんじゃないかなって考えていた。とは言っても、私は今回については蚊帳の外に自分から出た人間だから口には出さない。

 打ち合わせの最後にBさんが言ったセリフが私の印象に残った。

「不安なこととか、わからないこととかいろいろあるやろうけど、とりあえずやってみるのがいいんじゃないかな」

 仕切り直しを考えていた私とは真逆の考え方だった。

 その後、グループLINEに日程調整をするメッセージが来ていた。

 土日じゃなくて、平日だった。

 蚊帳の外人間の私にとっても予想外。
 イベントするのに、平日なんだ。ワークショップするって言ってたから子どもも呼ぶのかと思ったら無理だな。学校行ってるもんね。

 同じように考えた人たちが少なくなかったようだ。 
 イベント開催を主に活動している人たちから声が上がった。

「私たちが手伝うんなら、土日にしてもらった方が良いんだけど」

 メインでイベントに出店する人たちが平日しか行けないらしい。

 それぞれ組まれた仕事のスケジュールは外せないし、家族の状況もある。

 みんなの思惑がバラバラ過ぎて、調整しきれてない。ただそれだけ。

 土日の方がいいなら、イベント内容を変えてもらった方がいいかも、なんていう声も上がったけれど、それだと、また一から話をしないといけない。

 最終的には冬休みに入った日で決まっていた。

 私は、ちょうど別の予定が入っている日だったから不参加となった。

 他の日は空いてるのに、私の萎えた気持ちがスケジューリングに影響したように思うのは気のせいなんだろうな。

 決断しなきゃいけない人が決断を避けている状況では話が堂々巡り。

 グループ活動の難しさを感じた。主になる人がいつも一緒だと、その人がしんどくなる。
 そのときの話で主になる人が変わればいいけど、結局、変わっても決まらない。

 それもあって、私は仕切り直したほうがいいって心の中で考えたけど、決めなきゃいけないことを決めていけば、形になってくるんだね。

「まずはやってみる」

 Bさんの言葉が頭の中を反芻している。


※リフレクソロジーとは、足にある全身の反射区を刺激して、血流など体の巡りを促していく手法。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?