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据え膳の猫ビーム【毎週ショートショートnote】

甘夏ワイルドキャッツ。
連敗続きで、優勝争いの灯はもう風前の猫チーム。
最下位転落目前の猫ホームゲームで、左翼手の根古屋は、じっと機をうかがっていた。

彼は、その実力と公然の猫ネームから、ワイルドキャッツの将来を担う選手として活躍を期待されていた。
しかし、入団後すぐに大怪我。以降はずっと二軍、安全な猫ファームで調整してばかりだ、猫に小判だなどと揶揄された。

この日、数年ぶりに一軍に復帰した根古屋の元に、大きな当たりが飛ぶ。
根古屋は球をキャッチし、猛然と猫ホームに向けて投げた。
招き猫や猫パンチから着想した新たな投球法――改善の猫フォームによりレーザーのような送球が放たれ、見事走者をアウトに仕留めた。
待ち望んだ活躍の場を見事に手中に収めた、まさに据え膳の猫ビーム。
観客たちは続々立ち上がり笑顔で手を叩き始め、騒然の猫ドームは、突然の猫ミーム乱立状態だ。

甘夏ワイルドキャッツは勢いづき、そのまま優勝。空前の猫ブームが到来した。

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