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それでも地球は曲がってる【毎週ショートショートnote】

地球上に天変地異が相次いだ。
海は干上がり、砂漠化が進み、山脈はボロボロと崩落した。

すると人類は口々に叫んだ。惑星として永い年月を経てきた地球が老いてきている、『お肌の曲がり角』を迎えているんだ、と。

この危機に、人類は叡知を結集させ、多数の高性能なロケットを建造。
遠く火星から大量の氷を輸送してくるという曲芸のような任務を成功させ、地表は再び潤いを取り戻した。

すると今度は、地上全土から、鼻が曲がるほど臭いガスが噴き出してきた。
人類は、地球はきっと我々に試練を与えているのだと、再び対策を練り始めたーー

……違うんだよなあ。
どうも人類には「俺たちが母なる星を守るんだ」という信念があり、それを曲げようとしないけれど。
そもそも、曲がりなりにも良い知能や知恵があるのに、戦争だの環境破壊だのばかりするから、私はヘソを曲げているのに。

乗り越えてほしいんじゃない。
さっさと出ていってほしいのだ。
どうも奴等、私の気持ちを曲解している。


※我らがたらはかにさんが作詞参加したnote上の創作イベント「うたすと2」にも参戦しました↓


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