雨につく
久しぶりに、ちゃんと外を歩いてみるかなあ、なんて思い、用意万端、玄関を出てみると、雨がぽつぽつ、わたしには、とことん、雨がついてまわってくる、そんなこと、いまにはじまったわけではないけれど、うんざりはしてしまう、しかたなく、外を歩くのはあきらめる
けど、外を歩きたいんだよう、という気持ちの持っていき場がない、なので、部屋で足踏みだったり、小さく行ったり来たりをやってみる
どうした? 何がはじまったんだ?
ウチのねこが困惑顔になるなか、静かに足踏みをする
ウチのねこがわたしの行ったり来たりに合わせて、顔を左右に動かす
運動なんて言えないようなことだけど、それでも、案外、気持ちは晴れるもの、はじめ、困惑していたウチのねこも、途中から、一緒にふみふみしたり、行ったり来たりをして、少しの時間だったのだけど、楽しくやれた
そのあと、本を読んだ
ねこは、お疲れのようで、わたしの横で寝てしまった
いつもとは違うような、けれど、いつもと変わらないような、まあ、こういうのも、たまには、いいよなあ、ねこもおんなじ思いだったらいいのになあ、そんなことを思い、本を閉じた
いつのまにか、雨は、やんでいた