こちらが思ってるほど図書館はなんとも思っていない
図書館に行って、係の人に向かって、周囲にも聞こえるような、とっても大きな声で
運命の一冊を借りに来ました
と、言ってみたところで、その声の出どころであるタカキが歓迎されるわけはなく、ほめたたえられるわけでもなく、ただただ、多くの人たちに、怪訝な面もちで見られることになっただけだった
なんやかやあり、結局のところタカキは、一冊の本を借りていった、手続きをした図書館の職員をはじめ多くの人が、声には出さず
あれが、運命の一冊、なのかなあ
と考えた、けれど、結局のところ、その本が、運命の一冊、なのかどうかは、タカキにしかわからない、いや、タカキにだって、わからないのかもしれない
その本が、運命の一冊、であることに、タカキが気づいてくれれば、いいのだけれど