仕事をとりかえたおかみさん~旦那が主夫になりました~ その1
ここ最近のわたし
七月ごろ
わたし「認知症介護、仕事、育児、家事、PTA、来呂那、精神限界突破」
八月末
わたし「仕事を辞める、辞めたぞ!」
十月
わたし「母が亡くなった……お葬式、施設引き上げ、副作用、その他てんやわんや+容赦ないPTA」
この時点では、仕事を辞めて本当に正解だったと思っていた。
唯一のオアシスが、児童書とTwitterのすてきな読了報告(&忠興×たま)で、少し記事をかきためて、さて……と思っていた矢先のことだった。
十一月
だんな「仕事を辞めるぞ!」
わたし「ボエエエエエエ」
どーなってるん!?
いきなりどーした!?
この世界と我が家に激変が訪れている。
題名の意味
この記事の題名にした「仕事をとりかえたおかみさん」は、かつてこどものともで出版された名作絵本「しごとをとりかえたおやじさん」からとりました。
(復刊されています)
赤ちゃんを抱えたおくさんに、家の中の些細なことまでガミガミと文句をつけるおやじさん。
おかみさんはそんなに文句があるなら、今日は一日仕事をとりかえようと提案し、おやじさんはご機嫌で家の仕事をはじめました。
慣れない家事に悪戦苦闘した結果、どうしてこうなった!?というほどの、とんでもなくひどいめにあうというお話。
◇
今だから言えることだが、他の人に比べればおそらく大変短かったと思われる丸三年間のガッチガチの認知症介護は、うちに相当暗い影を落としていた。
それに拍車をかけたのがコロナ騒動で、完全に世の中も、会社も、周囲の人々も、ゆがんでおかしくなっていた。
だから、わたしが
「辞めるぞ!」
となったのと、だんなが
「辞めるぞ!」
となったのは、立場の違いや収入の大小はあっても、本質的には同じところに問題の根っこが位置していた。
家計は大丈夫なのか?
本気か気の迷いかわからないが、自分が辞めたかったときはもう切羽詰まってこれ以上は無理だという所にいたので、だんなも本当に追い詰められているのなら死人に鞭打つことはできないだろう。(死んでないけど)
家じゅうの通帳をかき集める。
住宅ローン、コロナ前からがんばってちまちま繰上返済していたので、思ったより残り少ない。これなら完済してもいい。いや、しよう。上の子と下の子の学費は、亡くなったおばあちゃんの遺産に手をつけなければなんとかなるだろう。返済がなくなれば、月の支出が大きく減る。
精いっぱいの教科書的対応をする。
「大丈夫、ふたりで働けばなんとかなるよ!」
相手も教科書的返答で返してきた。
「わかった、早く再就職するからね!」
当たり前だが、本音は不安でいっぱいだ。
ずっと勤めてきた愛着がある業種、本人もギリギリで気が変わるんじゃないかと思って待ちながら、ハローワークの求人を伺った。
前の職場を辞めたときには、このまま週三ぐらいのパート、コンビニでもスーパーで売り子だっていいじゃないかと思っていたのだけど、こうなるとちょっと話が変わってくる。
ここは今更だがフルタイム、キッチリちゃんと働ける場所でなくてはなるまい。この年で再就職は相当に厳しいだろうが。
それまでハローワークの求人は眺めていたけれど、少ないですよーと言われた通り、とても少ない!
コロナでどんどん状況が悪くなっていくばかりだ。
だんなの心変わりを期待していたのだが(相当に慰留もされたようだ)、残念ながら本人の決心はかたく、十二月末で辞めることが確実となってしまった。
絶体絶命!
何としても二人の子供を抱えて夫婦二人とも無職という状態は避けたい。
こうなったらバイトしながら探すのもやむ無しか……。
すべりこみ再就職
その時にするっと目についた一件の求人。そこから次々に三件ほど目についたやつに、履歴書を片っ端から送る。
一番無理そうだが、一番手堅い感じの最初の求人、難はあるけど、完全に難のないところなんてあるはずもない。
実力を三十倍ぐらい膨らませた経歴書をつけた。
もっとも華々しいところは、履歴書の中でみると、案外短かった。
でもあのころは仕事が楽しかったなあ。
面接なんて久しぶりだ。
わかっているけど、年齢がもっともネック!
まあ落とされたからって、最初から期待してないからがっかりもしないけどね!わたしを採用しないなど、なんて愚か者なのだ、ぐらい思ってた方がいい。
と、強気の発言するが、そうとうにブルっていた。
脚はガクガク、緊張で数日胃が痛くなった。
たぶんTwitterで激しく応援してくれたみなさんのおかげで、なぜかトントン拍子に決まった。この年齢の女性を雇う理由がよくわからないと疑問に思いつつも……それで、このお話は私の仕事話がメインじゃない。
だんな「じゃあ自分が家事をやればいいというわけですね(・∀・)」
ほんまかいな。
とても嫌な予感がする。
もしかしたら私、フルタイムで仕事もして、家事もするし子供もみるという生活になるんじゃないだろうか?
つづく。
Amazon
児童書を保護施設や恵まれない子供たちの手の届く場所に置きたいという夢があります。 賛同頂ける方は是非サポートお願いします。