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お気に入りのカフェ(日記)



コロナ騒ぎの中だが、お昼はお気に入りのカフェに行ってみた。
このテナントビルはもとから人が少ないのに、コロナのためかいつもよりいっそうひとけがない。
このカフェはちびブタくんの話を書いた時のモデルにしたカフェなのだが、こうも人が少ないとさぞ困ってることだろう。
応援のためにも行ってお金を使ってあげなければ…。

という気分で行ってみたら!
何事かというほどの人込み。
いつもよりテーブルも椅子も増設している。
一体どうなっているのか。
ここにいる人たちはどこから現れたんだろう。

もう一番お気に入りのメニューは品切れしている。
すみっこの一人席に座って食べた。
パスタも美味しいのだが、ここのカフェは本当にコーヒーが美味しい。
濃いエスプレッソはあまり好みではないのだが、ここのは別だ。砂糖やミルクを入れなくともほのかに甘い。いくら飲んでも飽きない味だ。

でも店員がとにかく不愛想なので、コーヒー豆について聞く雰囲気ではまったくない。コーヒーを頼むと、エスプレッソマシンからフィルターを抜いて、バン!バン!バン!と容赦なく叩きつける。すごい音で、この音を聞くとああ、あの美味しいコーヒーが出るな、と思う。

さすがにそのままでは苦いので砂糖だけ入れる。ブラウンシュガーとシュガーのポット二つが並んでいて、いつも位置がランダムで違う。シュガーの棚に向かう前にひとり賭けをする。今日は左。左がブラウンシュガーだ、当たり。

周囲を盗み見ると、二人連れ…子供連れ、おばさまトリオ、あらゆる種類の客がいる。一人でPCを開いている人もいる。みんなガヤガヤ好き勝手に夢中になって話している。
一歩出ると、シンと静まり返ったテナントビルの店舗の中で、(服はやはりとてもたくさん展示してある)店員さんも手持無沙汰に退屈そうにしている。
まさに別世界だ。
このカフェがあったからあの話は書けた。
しかし応援するまでもなく、この辺りの人はみなあの店が大好きだった。

応援するつもりが逆に励まされて外に出た。



おわり




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