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上の子の読書感想文用の一問一答「銀河鉄道の夜」(親ばか記事)




六年生の時の話ですが、上の子から許可が出たので掲載しました。
他のは出すほどでもなく子供らしいのだが、これは特に良いなと感じたので取っておいた。

上の子「別にいいよ俺はnoteとか見ないし」

そもそもこれは、読書感想文を書かせるのに実践してきた「まず質問してみて出てきた言葉や単語を音声メモやデジタルメモで残しておく」過程で残っていたものです。↓

(この記事でこのガキャ~!と言われているのはかつての上の子)


題材は宮沢賢治「銀河鉄道の夜」
本人が推薦図書を拒否し、うちの本棚の中から自らこれを選んだ。
理由は特にないらしい。




以下、一問一答



──読んでみて、いかがでしたか。

自分の目で、改めて星の綺麗さを見たいと思った。


──ジョバンニについてはどうですか。

優しい。親友を失って最後がかわいそうだった。
さいごの一文…。
汽車の音で誰かが歌っているように聞こえたところ、親友の声でもしたのかなと思った。


──カムパネルラについてはどうですか。

川に流されてそのままいなくなるのではなくて、皆に看取られて死んだのならよかったのに。
もうちょっと生きてても良かったのではないか。
そんな風に思う子だった。


──銀河鉄道に乗ってからはどうですか。

ケンタウルス祭。
あのお祭りの意味が知りたい。


──(ケンタウルス座は南半球の星座。露をふらせとはつまり、雨乞いのようなものだろう)他にはどうですか。

鳥の襲撃がこわい。
お菓子をいっぺんに食うのは怖い。

あの電車の動力はどうなっているのか。
水銀と硫黄をまぜるとどうなるのか気になる。


──この物語をどんな風に感じましたか。

生きていれば無限の可能性が待っていると思う。
だけど、カムパネルラは死んだけど、彼の選択が意味のないこととは思わない。


──理由は。

人を助けたから。
優しさを持っていたから。


──優しさは、無限の可能性を捨てるに足る価値がありますか?

後悔がなければいい。
たとえ死のうとも、誰かの心に残っていれば死ぬことはない。そんな風に思うから。


おわり。


親ばかながらも、なかなか出来た感想だと思ったし成長を感じたのだがしかーし!
書き上げた感想文からはこれらすべてがほとんど消されており、「川に流されて会えない物語上の設定はよくない」「鳥刺しがいかに怖いか、ホラーであるか」にかなりページが割かれていたのであった…。
天下の宮沢賢治に対して物語設定を指摘するとかどんだけ~。

「自分の目で改めて星のきれいさを見たい」という所を冒頭にして書け!というアドバイスにも従わず。
本人にしてみれば、ちょっと気取りすぎていると思ったのだろうかな?

なるべくこちらは単純な質問しかしなかったのだが、目の前に母がいてじーっと見ていることにより、言わされたと感じた所もあったかもしれない。
照れ屋の上の子です。

いつも面白いことを言い、ありとあらゆるネタを提供してくれる奔放な妹子に比べて上の子は静かなのだが、たまにはっとするような言葉を発する。
「後悔がなければいい」
と言われた時、胸がつまる思いがした。
すべての人の中に潜む、カムパネルラを悼むジョバンニの心に向けて放たれた言葉かと見た。

ばか中のばかです。
聞き流して、いや読み流してやってください。


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