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昔々ある所に


「ねえおじいさん」
「何かなばあさんや 」
「何か聞こえてきませんかね?」
「おお…聞こえるぞ。あれは…懐かしいのう 『水の星に愛をこめて』じゃ」
「懐かしいですねえ」
「森口博子の声はいつ聞いても良いのう。若い頃のお前さんは頭痛持ちで、頭痛になるたびに『あたまがっ…! 頭が痛い…!』とフォウ・ムラサメごっこをしておったのう」
「嫌ですよおじいさん恥ずかしい。でもそのたびにおじいさん、『戦っちゃいけない フォウ!きみは… っ!』てカミーユ・ビダンごっこをしてくれましたねえ」
「ああ…懐かしいのう」
「そんなお前が突然 裏切りを行った」
「 と、 突然どうしたんじゃばあさん」
「富野監督がシナリオを手がけていないオリジンなどにハマりよって。毎日毎日オリジンのビデオを見させられる わしがどれほど苦痛だったかわかるか?」
「そんなことを思っとったのかばあさん。それならもっと早うに言ってくれんと…」
「ユニコーンならばわかる!ユニコーンならばな!だがあれは何だ?別人ではないか!あんなのはシャアではない! 富野監督であるべきなのだ。あの監督だからこそ素晴らしかったのだ。それを貴様は『おじちゃ~ん』とか言いやがるロリコンセイラに鼻の下を伸ばしおって。何がベロベロバーだ。ドズルがそんなことするか!しそうでもしない。裏をかくのが監督の脚本なのだ!やらせはせんぞが泣くわ!」
「許してくればあさん、今まで言えなかったが正直わしは機体が好きなだけで、話は割とどうでもよかったのだ。坊やだからなのだ」
「それこそガンダムへの侮辱!冒涜だっ!恥を知れ !俗物!それにわしは若い頃に頭痛持ちだったのではない!ずうっと頭痛持ちだ!それ怒りの鉄拳制裁、くらえ、熟年離婚届!」
「がフッ…」
「せいぜい年金目当ての若い女と再婚できるものならして、劣悪な環境で虐待されながら哀れな老後を迎えるが良い」
「ま…まて、ばあさん。はっ、そうか、『目を…目を覚ましてくれっフォウー!』」
「貴様は…誰だ(ユラァ)」
「まさかの認知症オチかぁー!」





おわり


唐突に書きたくなった。

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