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老害のはじまりを体験した27歳、春。

※10分間で書く、下書き・推敲なしのぶっつけ本番エッセイ。毎日更新6日目※

「うわぁこの思考回路老害っぽいわぁ……」と思うできごとがあった。若干27歳、すでに老害のはじまりとは、しごく残念である。

水曜日の夜、彼は女性の同僚とダーツバーに行ったらしい。そこで頭をしたたかに打ち付けたそうだ。酔っていたわけではなく、たんに、ダーツを拾ったときに鉄のテーブル?台?に打ったとのこと。

「バッカじゃ〜ん」なんて思ったけど、翌日もめまいと頭痛がやまず、一緒に病院に行くことに。カフェで本読みたかったのに……と思いつつ、わたしも同行。途中で倒れられたら困るもの。

大学病院には、職業教育を受けている実習生や、医学部の学生がたくさん働いている。最初に対応してくれた若い女性も実習生の名札をつけていた。

軽く症状を説明したあと、その女性はおもむろにスマホを取り出した。iPhoneだ。なにをするかと思いきや、そのライト機能を使って、彼の眼球の反応なんかを見ている。

え、iPhoneで?

医療行為もできちゃうよ、そう、iPhoneならね、的なこと?

いやまぁ、医療用のライトだろうがiPhoneのライトだろうが、見たいものを見れるのであれば、もちろん問題はない。問題は、ないのだけれど……

なんかこう、んん?ってならない? こう、いや、なんていうの、その……わかるよね!?

別にいいんだけど、なんかモヤモヤする。そう思ったとき、気づいてしまった。この違和感って、「最近の若者はメモをとらずに写メを撮る」と憤慨する中高年の人と似たような思考回路だなぁと。

メモだろうが写メだろうが、結果的に内容を理解できれば、どちらでもいい。それはたぶん、相手もわかってる。でもなんかイヤ。バカにされているよいうか、軽んじられているというか、そんな気がして「なんかイヤ」。そうやって、新しいものに嫌悪感を抱く。

嫌悪感っていうほどでもないけれど、「えーiPhoneなんだ……」と思ったわたしは、黒板を写メる若者にキレるおっさんを笑えない。あーなるほど、こんな感覚なのね、とむしろ共感してしまった。

明確な理由はないけれど、なんだかイヤな感じがして、拒絶したくなる。自分の想定とちがうテクノロジーを使われてモヤモヤする。もしかしたら、手書きの履歴書をこよなく愛する層の人も、こんな感じなのかもしれない。パソコンで書かれた履歴書は「なんかイヤ」。

「老害」という言葉であざ笑うのはかんたんだけど、自分だって「老害」と言われる思考回路はしっかりもってるんだ。そう思うと、なんか、うーん、といたたまれない気持ちになる。

ちなみに彼は金曜日早退し、この週末は家で療養してます。病院行ったからちゃんと検査してくれるかと思いきや、1分で診察は終わり、「数日は我慢してね」と言われただけ。大丈夫かなぁ。ちゃんとMRIとか撮ってほしい……。でも高いしすぐに検査なんかしてくれないんだろうな……。なにもないといいけど。

じゃあ、またあしたね。

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