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「思い立ったが吉日」とは、かぎらない。

※10分間で書く、下書き・推敲なしのぶっつけ本番エッセイ。毎日更新56日目※

衣替えのタイミングを見計らい続けて、早3週間。

日本でも三寒四温という言葉があるけど、ドイツはもう一寒一温くらい。控えめにいって狂気を感じる天候だ。

今日はあったかいなぁ。25度か、もう春だなぁ。

そう思っていた次の日、起きてみれば5度。日中も気温が上がらず最高11度、なんなら景気良く派手な音を立てて雹が降ってくる。

ドイツの天気というのは総じて理不尽で、天気予報のサイトを見比べれば、検索1位の大手サイトでは「降水確率90%」、2位の大手サイトでは「降水確率0%」となっているくらい。もうなにを信じればいいかわからないよ。

そんな感じだから、「ちょっとあったかいな」という気持ちで衣替えしていいのか迷ってしまう。だって次の日、真冬の寒さかもしれないんだから。でもまごまごしているうちに、最高気温が25度を超えてポカポカした春の陽気が続く。うーん、水曜日に衣替えだな。そう決めると、火曜日の夜は雨が降って冷え込んで、「いまじゃないな」と思ってやめてしまう。

そんなこんなで、衣替えのタイミングを見計らい続けて、もう数週間経ってしまった。この前試しにTシャツで寝たけど、夜は暖かかったのに翌朝めっちゃ寒くて目が覚めた。やっぱりまだセーターで寝るのが正解だ。

先送りというと、よくないイメージがある。すぐにやるべきなのに、面倒臭がってやらない。いつかやらなきゃいけないのに、後回しにしてしまう。決断でも行動でも、先送りにするのはよくないことだ。

でもその一方で、「時期尚早」「急いではことをし損じる」なんて言葉もある。もうちょっと落ち着け、よく見てからやったほうがいいぞってとき。

衣替えの話でいえば、先送りしたんじゃなくて、最適なタイミングを伺っているだけ。いやまぁ、面倒くさいけどね。後回しにしている感も否めないけど、そもそも「このタイミングでやってまた寒くならないのか」っていう疑念が拭えない限りできないから……。

そう考えると、なんでもかんでも「思い立ったが吉日」とは限らないんだよなぁ、と思う。「スピード感」という言葉がもてはやされる現代だけど、最適なタイミングまでしっかり待つことだって大事だ。

早ければいいわけではない。先送りにするのはよくないけど、フライングしてミスったら元も子もない。

なにごとも、「適当」が必要。先送りが適当かもしれないし、いますぐにやるのがいいのかもしれない。場合によるよね。

というわけで、もう少し衣替えは待っておこう。わたし、寒がりだから。

じゃあ、またあしたね。

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