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家出した友達に魚肉ソーセージをあげた話


家出した友達に魚肉ソーセージを分け与えた話である。


あれは小学4年生の頃


仲の良い友達の1人に友人kがいるのだが

彼は当時相当グレていた。

どれぐらいグレていたか言うと

小学4年生にも関わらず水筒に何故かビールを入れて登校していた程である。

余りの不味さと臭いで飲まずに捨てていた。

絶賛反抗期中だった。

kの家でロケット花火を打ち合ったり

そこら辺の草を燃やしたり

2人とも悪ガキだった。


ある日kが親と喧嘩したらしく家に帰りたくないと言っていた。


俺今日から家出するから。


まじで?じゃあもう少し遊ぼうぜ!


それから段々とあたりが暗くなってくる。

帰る気配のないk。


まじで帰らんの?笑

おん。


何処で寝んの?

あそこで寝るよ。

kが寝ようとしていたところは公園にある遊具の家だった。

この時沖縄といえど10月頃でも野宿は寒い。


よく考えたら小学4年生である。

小学4年生が家出して公園の遊具の家で寝ようとしている。

今の時代なら警察騒ぎになりかねない。

あーすは心配だったが、家でkをかくまうとkの親に通報されるのでそれは出来なかった。

帰った方がいいんじゃん?笑

いいよ。俺は帰らないから。

水筒にビールを入れるほどの反抗期である。

彼の意思は強かった。

分かった、じゃあ一回家に帰ってごはん持ってくるよ!

家に帰ると親に

kと今日遊んだ?まだ帰ってきてないって電話があったけどあんた知らない?

と言われて


え?知らんよ。

なんとかその場を乗り切り、親に悟られない様にご飯をkに届けるミッションが始まった。


何故かご飯をあげるイコールお米をあげないといけないという思考が働いて何とかお米を入手しようとしたが、

親が夕食の洗い物が長くなかなかゲットする事が出来なかった。

僕がご飯食べている間にもkは空腹で凍えているのだ。

それを思うと早くご飯を持っていきたかったがなかなか上手くいかない。

急がなければ。

あたりを見渡すと魚肉ソーセージがあった。

もうこれしかない。

魚肉ソーセージを握り締めて家から脱走した。

あらかじめ窓の外に靴を置いていたのでなんとかバレずに家を出る事が出来たが

外に滞在出来る時間は僅かなので走ってkの元へ向かった。

遊具の家を覗いてみるとkは机の下で寝ていた。

内心もう流石に帰ったかなと思ったらまだいた

あぁこれは明日大事になるなと思い


ごめん!これしか無かった!

と言い魚肉ソーセージを渡した。



本当に家帰らんの?

帰らん。


まじか。


この時自分も小学生だけど

どんな小学生や!ヤバいだろ!

と内心思っていた。


次の日僕はいつも家を出る時間より早く家を出て

kの元へ合流し学校に向かった。

学校に着くとkは呼び出されたこっ酷く叱られた。

当然である。というか家出してちゃんと学校に登校していたのが子供らしい。


これが後に受け継がれる魚肉ソーセージ事件なのであった。


あすあす








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