購入本紹介 #0225
本屋さんに行ってきたので購入本5冊ご紹介します~
本当は今日(2/25)3冊、先日の祝日に2冊とオール読物を購入しました。(オール読物は前の記事で書いたので割愛)
というか前の記事で「紹介してしまうとそれに満足して読まなくなる」て真理を発見したばかりなのに懲りずにご紹介します。でもこれは絶対読むよ~~~!今回は突発購入より狙い撃ち購入がメインなのですぐ読むと思います。多分。
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■小川洋子さん/遠慮深いうたた寝
小川さん9年ぶりのエッセイです。
この本が本当にずっとずっと読みたくて、本日の大本命でした!!!
表紙めちゃくちゃ素敵じゃないですか?写真だと伝わりにくいかもなのですが陶器のお皿みたいな模様で可愛いのです。
小川さんのエッセイ調の文章はとても好きです。
最初に好きだと思ったのは、芥川賞受賞作の『妊娠カレンダー』の文庫に載っている「あとがき」を読んだとき。あとがきは2ページくらいのエッセイ調で書かれているのですが、ユーモラスな文章の中にドキッとゾクッとする視点が織り込まれていて、わざとゾクッとさせたいわけではなくて日常に潜むそういう些細な感情の揺れを捕まえて描写する力が凄いなと感じたのです。たった2ページのあとがきを読んでから、小川さんのエッセイがずっと読みたかったのです。(そのあとがきは、台所の奥で腐ったタマネギを見て猫の死体と勘違いする話でした。)
小川洋子さんは名作『博士の愛した数式』のイメージが強い方多いと思いますが、わたしは最近読んだ『人質の朗読会』が最高に好きでした。テロに巻き込まれて亡くなった人質たちの手記を読む。その内容はそれぞれとても面白く、何も知らずに読んだら笑ってしまうほどですが、「すでに亡くなっている」という最初に明かされる事実が冷たさを保ってずっとついて回る物語で、本当に面白かったです。
小川さんのエッセイを読めることがご褒美だと思っているので、楽しく拝読しようと思います。
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■千葉雅也さん/オーバーヒート
哲学者・千葉雅也さんの芥川賞候補作です。
確か1つ前の芥川賞の候補作だったと思います。この時の他の候補が受賞した『彼岸花の咲く島』『貝に続く場所にて』やくどうれいんさん『氷柱の声』、高瀬隼子さん『水たまりで息をする』だったと記憶しているのですが、いま思うとめちゃくちゃ濃いですね。このときからちゃんと候補作予想したかったなー…絶対楽しかったよー…。
『オーバーヒート』はずっと気にはなっていたのですが、今回満を持して購入しました。どうやら私小説では?という声も多く、私小説と言えば西村賢太さんを思い起こさずにはいられないのですが、わたしは『苦役列車』にとても心を掴まれ揺さぶられ、それが私小説だからかどうかは分からないのですが、やはり「本当に生きている」感は一段と強いと感じたものです。
あとは哲学者の方が書かれる小説というのも非常に興味があります。
川端康成賞を受賞した『マジックミラー』も併録されていてお得感…!
大いに感情を揺さぶられたいので、本当に読むのが楽しみな作品です。
自分と全然年齢も性別も立場の違う人の私小説なんて絶対面白いわ!
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■松浦理英子さん/ヒカリ文集
サイン本だよわーい!
よく行く書店にサイン本が入荷したことは知っていたのですが、2/23入荷で、早くいかないとなくなってしまう…!と思ったら案の定残り1冊でした。ラッキー。
松浦理英子さんの新作とのことで、読書Twitter界隈が少し前からにぎわっていました。お祭り騒ぎ的な感じもあり、わたしも乗っかりワクワクしていました。(ミーハーです)
3月号の群像(2/7発売)に、今作発売に寄せた短いエッセイを寄稿されていて、それが面白かったのです。「心を使わない人」というタイトルで、どれだけ魅力的でユーモアセンスがあって優しい人でも「心を使っていない人」は存在し、それは良し悪しではなく(むしろユーモアや優しさを表面に出しているから存在としてはプラス)、ただどこか心が触れ合わない・何かが欠落している感じが見える、と言ったことが書かれていました。(うまく要約できずすみません。本文はもっと面白いです)
今作『ヒカリ文集』に出てくる女性ヒカリも「心を使わない人」として描かれるそうで、現代のファム・ファタルという帯文にもとても惹かれました。
(余談ですがわたしはファム・ファタルの代表格であるナオミちゃん(痴人の愛)がめちゃくちゃに大好きです。というか痴人の愛が好きです。)
どんな人物として描かれているのか、周りの世界とどう交わるのか、どんな読了感なのか、これも前2作とは違った角度から、でも確かに心躍る作品で読むのが本当に本当に楽しみです。
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最後に先日買った文庫を2冊。
■松本清張/点と線
■朝井リョウ/風と共にゆとりぬ
この2冊はいずれも衝動買いです。
松本清張はクイズでも良く聞きますが「社会派ミステリー」をそういえば読んだことが無くて興味があったので買いました。というか、この『点と線』が意外と薄くて数ページパラパラしたら読みやすそうだったことが大きいです。(前回も書きましたが、わたしは分厚い本は読めないタイプのエセ読書好きです)
松本清張は芥川賞受賞作『或る小倉日記伝』は読みました。むしろそれしか読んでいないのですが。こちらはとても面白かったです。人柄なんかは全然違うのですが、主人公の田上にわたしはやっぱり西村賢太さんの『苦役列車』主人公の貫多を見ました。いや、全然違うんですよ。立派さとかも(失礼)。でも、懸命に命を削って生きる様は、確実に胸を打つものがあります。なんで貫多を思い出したのかは謎なのですが、確実に印象に残る主人公でした。
「点と線」、いつか読みます。笑
そして朝井リョウ!エッセイです。
おひとりだけ毛色の違うラインナップですが、わたしは朝井リョウが大好きなのです。(あ、敬称をつけていない、すみません。でも尊敬しています)
彼はわたしと同い年の作家さんで、彼の直木賞受賞作『何者』は、わたしが「#名刺がわりの小説10選」タグをやるとしたら絶対入れます。エンタメとしての面白さもさることながら、同年代の描写力と就活という得体のしれない不吉な塊の怖さが素晴らしかったです。何度再読したことか。
ところでこちらはエッセイです。最初に挙げた小川洋子さんのエッセイが手に入らず不貞腐れていたときに、たまたま目に入ったから買いました。
これが、まぁーーーー当たりでした。
なんだこのふざけたタイトル!と思いましたが、いいんです。わたしたちは「ゆとり」世代なのです。就活の面接で「ゆとりだよね?」と言われ、本当にそんなこと言ってくるおっさんおるんや…とドン引きした記憶もあります。
このエッセイは半分くらい読みましたが、正直面白くて仕方ありません。『何者』のときも思いましたが朝井リョウさんは等身大の目線から見た描写がべらぼうに優れた方だと感じています。ご本人の目指すところが違ったら申し訳ないのですが、年が離れたキャラクターより、ご本人に近いキャラクターからの視点がものすごく鋭いと感じています。その描写力があり、かつ彼の全力おふざけがあり、面白くないわけがありません。(同世代ということもあるかもなのですが、「おふざけ」の波長がドンピシャに合います。)
本作は声を出して笑いながら読んでいます。なのに、ちゃんと文章力もあって、軽すぎず「活字を読んだぞ!」という気分になるから不思議です。
わたしは彼のこういうところを含めてファンなのです。『正欲』を読んで、ぽかーんとしている読者全員にこれを読ませたいです。振れ幅~!てなるから。(あっ。読みかけの本なのにアツく語ってしまった。でも読みます)
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購入品紹介は以上です。
当然ながら「購入したばかりの本」なのであまり語れずすみません。
楽しみにしていることだけ伝わっていたらそれで良いです。
最近ほかの趣味が忙しくて(押し活と推し活とたまにポケモン)まとまった読書時間をとれていないのですが、本なんかどんな隙間時間でも読めるので、少しずつ活字を摂取していきたいなと思っています。
また紹介しますね。
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