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正しいことが正義とは限らない、こだわりに縛られた7年間を経て生まれたジェラート



改めまして(初めまして)、阪田真臣です。
SNSではオミで覚えてもらっているかと思います。(名前がマサオミなのでオミです)


発酵食品の企画/製造/販売/の事業と食育のワークショップ、オンラインサロンをやったりしている小さい会社をさせてもらってます。

ここ最近は外に出る事が増えて、新しいお客様と接する機会も多くなってきたので改めて自己紹介をさせてください。



プロフィール

起業する前は楽天(株)の営業マンで発酵食品には一ミリも興味がない人間でした。


起業のキッカケ

起業のキッカケは8年前に甘酒を作ったこと

当時は腸活という言葉もなく塩麹ブームが終わった頃で甘酒も特に目立っていませんでした

我ながら料理もできない男がよく発酵業界に踏み入れたなと思う


小さい頃からの目立ちたがりからか『ここなら目立てる』といった単純な動機でした。

そんな小学生みたいな動機で始めた甘酒作りが自分の体質改善に大きく影響して、発酵食品について調べ出してたら寝食忘れて没頭してしまい気付いたら起業を考えていました。


甘酒で身体が変わる


甘酒作りをやり始めて1番驚いたのが小学生からのアトピーと持病?である逆流性食道炎(知ってます?)が治ったんです、それがヤル気スイッチが入った要因かもしれません(甘酒だけじゃなくて水も毎日しっかり飲んだ)

あと食生活が酷過ぎました

_サラリーマン時代の生活

①朝食はコンビニのおにぎりとレッドブル
②昼はうどんorパン&珈琲
③夜はラーメン炒飯餃子ビール
④接待で週7外食
⑤25時帰宅27時就寝7時起床

今見るとゾッとする食生活です
これは僕だけじゃなく同僚もこれで元気ハツラツに働いていたんですが、僕はついていけなかったんです(生まれつきのフィジカルの格差)

この頃は肌荒れも悪化し朝も起きれなくなり疲れが抜けず眠気が常に襲ってきて仕事にならない状態が続いていました

薬に頼らず体質改善
ステロイドなし


←33歳   38歳→


それが改善されて
『あれ?俺の体重どこいった?』てほどに軽くて朝なんてバッチリ脳が覚醒して起きれるもんだから世界が変わりまして(色のない世界が色付いたような)

こんなに素晴らしい食文化が日本にあるのに、今までなぜ取り入れてこなかったのかと後悔したほどです

その代表的な食品が甘酒なんですが、なぜ日本人なのに甘酒を習慣化されていないのかが不思議だったんです


『この完全栄養ドリンクを飲まないなんて人生損してる!』


TVや大学の研究論文から書籍まで甘酒はスーパードリンクとして何年も評価されているのに、家庭には一つも常備されていない

学校給食も牛乳より甘酒の方が良くない?って



健康ってオシャレじゃない

健康って楽しくないし美味しくないイメージが強過ぎて健康的な食事は手間もかかれば逆にお金もかかる、実際に体質改善しようと試みるが現代において誘惑に勝つために鉄の意志が必要で、初心者にはとてもハードルが高い


甘酒どころか健康的な食生活を過ごすのなんて富裕層じゃないと無理でしょ、という感覚

健康的な食事=美味しくない、イケテない、楽しくない、これじゃない伝え方をしないといけない



現実は甘くはない


発酵業界はとても古い業界で、認知度を上げるような面白い取組みをしてる方はごく僅か、『だったら僕がやってやろうじゃないか!』と起業したけれど現実は甘くはなかったのです…

僕の作る甘酒は確実に美味しいと自信があったし知人からの評価も高かったのです


よし!売るぞ!といざ販売となると1ヶ月に3〜5個ぐらいしか売れない

あれ…なんか思ってたのと違う…
全然売れない…

「値段が高過ぎたかな…」
「食べ方がわからないのかな…」
「美味しくないのか…」
「そもそも誰も求めてないのか…」

始めた頃はネガティブになった時もあったんだけど、買ってくれたお客様からもらう御礼のLINEに何度も支えてもらえて続ける事が出来てました

夜になると不安が襲ってきて良くないことばかり考えてしまう時もありました



深夜の長文LINE

そんなある日の深夜に1通のLINE、
文字数限度いっぱいの長文でした

『やってしまった…クレームだ…』と思いました

「深夜にスミマセン、どうしても御礼を言いたくて長文失礼します、こちらの甘酒を2ヶ月ほどいただいております、そのお陰か主人の手術の副作用が改善されました、いま夫婦で5年ぶりに温泉旅行に来ています、もう2人で旅行には行けないと思っていたんです、この甘酒に出会えた事に感謝しかありません、本当にありがとうございます、多くの人に知ってもらえるようにLINEもシェアいただいて構いません、これからも頑張ってください」

実際のもの
LINE

暗い部屋でスマホ片手に大人気なく泣きました、安心と嬉しさと何とも表現し難い感情でした

ネガティブになってる場合じゃない
僕はとても素晴らしい仕事をしている
いつかきっと報われる時がくる
だから絶対に信念は貫き通そう


そう心に決めて試行錯誤しながら気付いたら7年も経過して40歳

7年間作り続けてきた僕の甘酒は老舗や大手にだって負けません

おいしさだけは自信がある



良い物が売れるとは限らない


でも美味しいだけじゃ売れない
良いものが売れるとは限らない
これを痛いほど味わってきました


_甘酒と無添加という呪縛

始めた頃に比べれば買ってくださる方も増えました、SNSで知ってくれて沢山売れた時もあります、30分で200万円売れた日もありました。


でもそれを継続的に維持していくには力不足でした

『やっぱりもう限界かな』
『これがこの商品の天井なんだ』と

どうしよう、このまま進むか?
いっそのことスイーツをやろうか
いやダメだ、諦めちゃいけない
甘酒の良さを広めるんじゃないのか?
あの時に決めた想いはどこにいったんだ?
売れないのにどうやって続ければいいんだ
誰も求めていないじゃないか
スイーツを売れば良いじゃないか
なぜそんなに甘酒に執着するんだ
そんなのやめて売りやすい商品に変えなよ
会社潰れちゃうよ?


自問自答する毎日
今まで作ってきた甘酒は手放すわけにはいかないし、かといってスイーツに移行するといっても、それだと僕がやる意味がない…



甘酒を捨てる

『よし、一旦考えるのやめよう、考えても仕方ない!』何も考えずに数日過ごしていました

知人に会いに行ったり話したりしてスッキリしたのか、やっと気付いた

甘酒ジェラートといって販売してるけど甘酒を冷凍してるだけで皆んなが知ってるジェラートじゃないからいけないんだと


本当のジェラートにすれば良いんだ
甘酒を使ったジェラートにすれば良い
それなら甘酒にこだわりながら続けることができる、

でも無添加じゃないと、、、
メーカーに依頼しようにも大量発注なんてできないし、自社製造するお金もない


ダメもとで色んなメーカーに問合せしていたら少ない数で条件が見合うところを見つけた


『無添加で牛乳の代わりに甘酒でジェラート作れませんか?』

担当のシェフの方が偶然にも甘酒のアイスを商品化されていたんです


これは本当にラッキーでした



需要がないなら作るだけ


甘酒を活用できるメーカーは非常に少ない、生で菌製品ということもありどこも慎重になってしまって対応してくれない

製造メーカーで発酵食品を活用するには他の商品にも影響してしまうのではないかというリスクを持たれているのもある

需要がないので当然といえば当然です
甘酒スイーツといっても爆発的に売れている商品も現状は見当たらない、使い勝手も悪く原価も高い甘酒を使う理由がないんですね


それからは話は一気に進みました

自宅でジェラート専用の甘酒を作ることにしました。



スイーツに素朴さは要らない

アイスクリームには大量のグラニュー糖が使用されます、全体の30〜40%の砂糖を使います。

それだけの砂糖の代わりを甘酒で補うことは難しくて、代用できるものもあるんですが、やっぱり砂糖には敵わない。

そもそもの甘さの種類が違う

砂糖の甘さってずっと残るんだけど
甘酒の甘さはスッと消えてしまう。

だから味気なく感じる
(甘さが苦手な方にはとても良い)


でもやるからには砂糖ではなく甘酒でそれを可能にしたい

  • 白砂糖を使わない

  • 牛乳も大幅にカットしたい

  • 卵黄も使わない

  • 小麦も使わない

これだけ制限してしまうと一般的に美味しいとされているアイスクリームにならないはず

溶けるスピードとか口当たりとかを添加物なしで作るには手順を計算して工程も時間コストもバカみたいに高いので正直に取り組むとビジネスにならないレベル

この制限の中で通常のジェラートと遜色のない美味さがあるジェラートを作る。


ヘルシーで素朴な味ではダメ
ジャンキーでまた食べたいと思えるパンチ力
濃厚で深みのある味わいじゃないと絶対に売れない

健康的なアイスを作っても売れなければ意味がないし買ってくれる人が増えないと続けていけない。



甘酒がキャラメルになる


味の決めてとなる甘味のベースとなる甘酒の糖度を限界まで高めることにした。

弊社の甘酒に使われる素材は米だけ
それと水、たったそれだけです。

数十回繰り返して出来た甘酒は
もはや香りが甘酒のそれではなくなっていました。

バターケーキのような
キャラメルのような香りです

粘度が高く糖度は50度以上
生チョコのようなテクスチャー


これが米だけで出来てるなんて信じられないほどです



誰もが大好きな“あの味”


ここからさらに2つの味わいを加えます。

①誰もが大好きな「あの味」に近づける

それは「乳飲料」
カルピス、ヤクルト、ピルクルの味わいです。

子供が大好きな味

大量の砂糖が含まれているのでそこも大幅にカット、甘酒のみで再現。

②もう一つの発酵食品を加える

このマル秘素材の有無で味わいがグッと変化する、後から遅れてやってくる味わいが味覚を刺激するような設計にしました。(ホントにこれがメチャクチャ美味しい)

それと乳酸菌粉末は添加しておらず、天然の発酵メカニズムを用いて酸味を生み出して乳酸菌の味わいに近づけています。

このソースには天然のクエン酸が含まれていて、ジェラートなのに疲労回復に役立つような機能面も期待できます。(アスリートに食べてもらえるジェラートとしての期待も)

“あの味”に近づいたものが出来て
ジェラート専用の甘酒ソースの完成です。


シェフからのフィードバックは太鼓判でした。


「これ甘酒ですか?……甘酒ってこんなになるんですか?味わった事がない味です、早速やってみます!」


試作1号が手元に届き試食、
1発でほぼ理想のジェラートになっていました…なんだこの味…チーズケーキじゃないか…

唸りました。



足すより引く


乳化剤なし
砂糖はたった2%
牛乳50%カット
卵黄なし

こんなに省いたのに
こんなに濃厚で甘いのか…と


ただの美味しいじゃない
美味しいって言葉だけじゃ収まらない

それも美味しいが色んな角度から複数やってくるんだから味覚は迷子になる(味覚が迷子になるは名言)

試作1号から3号まで微調整、
本当は5回まで調整出来たんだけどイベントに間に合わなくて3号で完成としました
(未完の大作です)


製品化するまでの道のり

このジェラートはまだ製品化出来ていなくてイベント限定商品として販売しました。

1ヶ月だけの販売で4,200本
販売単価は800円です。

テストマーケティングとしては大成功でした。

甘酒に惚れ込んで甘酒に縛られ苦悩した7年の集大成を注ぎ込んで生まれた無添加の生ジェラート

この甘酒ジェラートを今後の主力商品として育てていきます。

製品化するためにクラファンを行う予定です、その際は改めてご支援いただけるよう頑張ります!


今までの甘酒はそのままに、
いつかこのジェラートが有名になって、
それに使われている原料はこの甘酒だよって言える日を待ち望んで。


最後に

このジェラートがどこまで行けるかは分かりません、多くの人に食べていただくとともに、アイスクリームを食べるならコレを選んで欲しい、子供の初めてのアイスクリームはコレを選んで欲しい、身体に気を遣っている方々に楽しんでもらいたい、そんなポジションに立てるようなブランドにしていきたいと思ったいます。

応援してくれる方、支援してくださる方々をこれから集めないといけません、新しいお客様と支えてくれる方々と一緒に成長していきます。

長くなりましが最後まで読んでいただきまして有難うございました。

makuake先行発売前に品評会も開催したいと思います。

引き続き宜しくお願いいたします。

株式会社麹王子
代表取締役 阪田真臣


[coming soon]

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