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【読書感想】望月の烏_その3

(前置き)
はじめに申し上げたいのは
わたしは八咫烏シリーズが大好きであることです。
八咫烏シリーズは外伝・ファンブック含めて
全て読んでおります。

また、この投稿は、「望月の烏」を読んだ人間が
「楽園の烏」を読み返した際の記録のようなものです。
「烏に単は似合わない」から、「弥栄の烏」まで読み、なおかつ「楽園の烏」から「望月の烏」まで読んでいる。そういった前提で、ネタバレ気にせず記載しておりますので、自分で伏線を回収したい方はこちらで折り返してください。

では、その3をはじめます。
その1、その2を読みたい方はこちらから。
【読書感想】望月の烏_その1|甘子 阿二胡 (note.com)
【読書感想】望月の烏_その2|甘子 阿二胡 (note.com)


続き。女工場と堤防工事の視察を終え、安原はじめ一同は無事谷間に戻ってきました。しかし、安原はじめがトビと二人きりになった瞬間、トビとトビの仲間たちが、安原はじめを拉致してしまいます。トビは、安原はじめが朝廷にとって重要な人物であると知っており、安原はじめを人質にして、博陸侯雪斎に対して取引を仕掛けるのです。
実は、これはトビや子供たちが考えた作戦ではなく、昔谷間にいた逃走中の男たちが裏で糸を引いたのです。
トビたちが博陸侯に対して示した条件は、堤防で力仕事をしている男たちと工場にいる女たちの解放です。トビたちにとっては両親のような人たちです。(実際に血がつながっている親子もいそうです。)

博陸侯は了承しますが・・・。
やっぱり、博陸侯はそんなに優しい人ではありませんでした。トビは仲間たちを救えず、泣き叫ぶ結果になってしまいます。

トビが交渉している間、頼斗と千早は協力して安原はじめを捜索します。その中で、谷間の子供たちや千早から話を聞いた頼斗は、博陸侯が谷間整理に乗り出した本当の理由を知ることになります。
山内崩壊の可能性がある中、博陸侯は様々な対策を行っていますが、その中に外貨の獲得があります。しかし、天狗と南家が管理する朱雀門経由で外界の金を持ち込むと石ころに変化してしまうため、外貨の獲得に難航していました。
そんな中、谷間にあるとされる第三の門経由で外界から持ち込めば、金をそのまま保管できる可能性が出てきました。
博陸侯は、第三の門を手中に収めるべく、谷間整理を行ったのでした。

さて、トビの交渉は失敗し、牢屋に閉じ込められてしまいます。解放された安原はじめは再び博陸侯と相対することになります。
安原はじめは博陸侯が自分を生かしておくわけがないと山内に来た時から気付いていました。自分が死ねば、外界の誰かに荒山の所有権が相続されるだけなので、博陸侯が安原はじめに固執する必要がないと考えていたのです。無事に外界に戻るために博陸侯に次のことを伝えます。
・自分の連絡が途絶えてから一定期間経過したら、自動的に荒山の権利が他者に移転する準備ができていること
・荒山の権利が欲しいのであれば、交渉相手として自分を生かしておくメリットがあること
・安原はじめが外界からずっと首にかけていた金のネックレスは純金であり、山内の中においても石ころに変化していないこと
・自分の父親が谷間の朔王であること
・自分の父親の失踪に、山内や博陸侯が関与しているのではないかと疑っていること


ここで朔王が第三の門から外界に通じていたことが明らかになりました。安原はじめの父がお金持ちだった理由が少しわかりましたね。谷間整理の少し前に朔王は亡くなったものとされていますが、安原はじめは朔王がまだ生きている可能性を感じています。
朔王の足跡を辿るべく、山内に留まり、特に谷間での滞在を提案していたのでした。


となると、望月の烏で滝に身を投げた澄生は、第三の門を通じて外界に出ており、その際に朔王の協力を仰いでいたことになりそうです。

博陸侯に敵対する勢力の中に朔王が仲間入りしました。
浜木綿が朔王と繋がっている説が濃厚ですが、それを手助けしたのは誰なのでしょうか。
朔王の正体に、いち早く気づいていた人物がいそうですね。

安原はじめは自分が生きたまま外界に戻らないと、山内がどうなっても知らないぞと博陸侯に脅しをかけ、博陸侯が見守る中朱雀門から外界に帰っていきます。
博陸侯の本当の姿を知ってしまった頼斗は安原はじめの誘いに乗り、山内衆の太刀を返上して外界に旅立ちました。


しかし、頼斗の行動の目的は、常に一貫しています。博陸侯の命により、「安原はじめの信頼を勝ち取ること」。それは太刀を返上した後も変わらないのでした。


頼斗と安原はじめの外界での行動はまだ描かれていません。澄生と再会できたのでしょうか。
博陸侯は今後どうするのでしょうか。
明鏡院長束陣営の今後も気になります。

続きが気になります!!!

以上、「望月の烏」の読書感想は終了です。
第二部をもっと楽しむために、いろいろ読み返していきたいなと思います。





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