♯31 学級経営と心理的安全性の関連①
今回は、「学級経営と心理的安全性の関連」について考えます。
(1)心理的安全性とは?
心理的安全性は、ハーバード大学の組織行動学者であるエイミー・エドモンドソン教授がチームに応用し、
と定義しています。さらに、Google社が「プロジェクト・アリストテレス」の中で再発見し、チームにとって「圧倒的に重要」と結論付け、注目を集めたとされています。
原田(2022)は、心理的安全性が高いチームとは、
と述べています。学級に置き換えても、理想的でしょう。「仲がよければいい」というものではないわけです。
一方、心理的安全性をおびやかす4つの恐れとして挙げられていることが、
です。学校現場でも、こういう恐れを抱ている子どもや教職員もいることでしょう。こういった恐れを抱ていると、そもそも自分の力を十分に発揮したり、よりよい学級を創っていく気持ちをもったりすることは難しいです。
他方、株式会社ZENTechは、日本の組織文化・働き方・職場環境に合わせた「日本版・心理的安全性」づくりに取り組まれてきました。その中で、心理的安全性を高めるために重要な因子(要素)を見出しました。その4つの因子が、
です。学校現場の視点で見てみれば、昔から学校教育で大切にされてきたことばかりです。
(2)学校教育と心理的安全性
中央教育審議会より出された『「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~』の答申によれば、これまでの学校教育の課題として、
✔正解主義<正解(知識)の暗記>の比重の増加
✔同調圧力を感じる子どもが増えたこと
等が指摘されています。
さらに、「学級崩壊」、「不登校」、「重大ないじめ被害」、「教室マルトリートメント」等に伴う「教師への不信感」も課題として挙げられるのではないでしょうか。もちろん他にも要因は多々ありますが、これは「教師不足」の一因ともなっているでしょう。
(3)終わりに
(2)で上述したような課題をクリアしていくためには、国レベル、都道府県レベル、学校レベルでの更なる工夫が欠かせないと考えます。一方で、まず「学級の心理的安全性の確保」がなされてこそではないでしょうか?私自身、様々な個性をもった子どもたちへの関わりについて日々悩んでいます。しかしながら、これからの未来を切り拓く子どもたちのために、誠心誠意努力したいという想いも強いです。だからこそ、どのようなマインドで、どのような手立てで子どもたちに働きかければよいのか、日々考えるわけです。そのキーワードが、「心理的安全性」です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。次回に続きます?この投稿が役に立ったと思えたら、「いいね」、「コメント」、「フォロー」をしていただけると、励みになります。
【引用・参考文献】
エイミー.C.エドモンソン.野津智子(翻訳).(2014).チームが機能するとはどういうことか.英治出版
中央教育審議会(2021).「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~
原田将嗣(2022).最高のチームはみんな使っている 心理的安全性をつくる言葉55.飛鳥新社.
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