発達障害の兄の行動から考える、お互いの世界の見え方
今日は、発達障害と診断された兄の行動から、「兄にはこういうふうに世界が見えているのかな?」と分析した記録です。
本人に確認したわけではないのであくまで私の想像でしかありませんが、自分と違う見方をしているかもしれないと思いながら接することはお互いのストレスを減らすことに繋がると思うので、「我が家はどうかな?」と考えるきっかけになったら嬉しいです。
昨日、母が出かけたお土産にBAKEのチーズタルトを買ってきてくれました。
6個入りだったので、家族4人で均等にわけるならひとり1.5個になるのですが、最近は母が「早い者勝ちでいいんじゃない?」とか「ゆめ2個食べちゃえ!」という感じなので、私も食べたいときは遠慮なく欲を出すようになってきました。
兄は基本自分の部屋で過ごしているので、いつも朝ご飯をとりに台所に来たタイミングで「○○あるよ」と伝え、兄はそこで初めてスイーツの存在を知る、という流れです。
今回も母に「お兄ちゃんが起きたらBAKEあるよって言っておいて~」と頼まれていました。そのとき一緒に、「ひとり1個ってことにしちゃおうか」という話になりました。
ひどい話かもしれませんが、兄はあったら食べるけどなくても別にいいという温度感だし、もっと食べたかったら自分から「もうひとつ食べていい?」と聞いてくるので、最近は聞かれたらそのとき考えればいいか、という感じになっています。
いざ兄が起きて私から「BAKEあるよ、1個ね」と伝えたとき、私は内心嘘をついていることへの罪悪感がありました(平等じゃないことへの抵抗があるんだろうなぁ)。
兄は箱ごと部屋に持っていき、1個食べて持って帰ってきました。
戻ってきた箱を開けて、私はふと疑問に思いました。
「明らかに6個あったってわかるよな…?なにか思わなかったのか…?」
昨日のうちに父と母がひとつずつ食べていたので、兄が持っていったタイミングでチーズタルトは4つ残っていました。数だけ見れば「まだ誰も食べていないんだな」と思う可能性もありますが、箱の中は2段になっていて、下の段に3個、上の段に1個(+空いているスペースが2個分)ある状態でした。
あなたなら、その箱の中身を見てどう考えますか?
私なら「ん?きっと6個あったんだろうな。ということはひとり1個半食べられるはずじゃないか?お父さんが多く食べようとしてる!ずるい!」となります笑
ずるいと思うのはちょっと言いすぎですが、なぜ1個と言ったのか、その意図を確認すると思います。
6個入りだったことに気づいたうえで、1個食べられれば充分だからなにも言わない人もいるかもしれないし、そもそも何個入っていたかなんて気にしない人もいるかもしれません。
私は食べることが好きなので、自分が食べる分を平等かそれ以上にしたいと思いますが、そこの感覚も人それぞれ違うと思います。
兄の場合はどうなのか、想像してみました。
いろんな可能性が考えられますが、母と話して一番有力だと思えたのは、「何個入りかを気にしていない」という説です。それに付随して、自分の取り分についても言われた通りに受け取るのだろうと。
そう思った背景には過去のいろんなエピソードがあるのですが、そのうちのひとつに、5個入りのチョコクロワッサンをいつの間にか2個食べていたというものがあります。
母も私もサンマルクカフェのチョコクロが好きで、年始に福袋で買ったものでした。そのときはまだ誰も食べていなかったので5個残っていたのと、「ひとり1個ね」などと言っていませんでした。
とはいえ、私は「5個入りだから、とりあえずひとり1個だな」と考えます。残りの1個はじゃんけんか相談で決める感じだなと思い、手をつけないでおく。
ですが兄は、一気に2個食べていました。だめなこともないのだけれど、自分の感覚にはない行動だったのでとても驚きました。
そのときも兄に確認したわけではないのですが、私と母の想像では、「4人で分けるとしたら」という発想がないのかも、という結論に至りました。
私の場合は
〈5個ある → 4人で分けたらひとり1個+余り1個〉
と考えるけれど、
兄の場合は
〈5個ある → 食べたいから2個食べよう〉
なのかも?という感じ。
自分以外に誰が食べるか、とか、何個食べたら他の人が食べられなくなるかも、ということは、目に見えない部分、想像するしかない部分だし、私は勝手に考えているだけで、考えなさいと教えられたわけではない。
そう思うと、兄の思考パターンはシンプルだなと感じます。
まあ、今でこそちょっとびっくりするだけで特に困りもしないけれど、兄の思考パターンをある程度理解するまでは、結構悩まされました。
「なんでそうするのかがわからない」という感じ。
でも逆に、兄にとっては私が考えていることや行動パターンが理解できないのかもしれない。
そう思うと、お互いに見えている世界を伝え合い、わかり合おうとする姿勢が不可欠だなと改めて感じました。
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