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兄がムカつく!!!【家族の話】

しょうもないんですけど、兄のムカつく話を聞いてもらってもいいですか?


我が家では、ケトルで沸かしたお湯をポットに入れて、インスタントコーヒーやお茶を飲んでいます。

父はポットのお湯を基本使わないので、冷めたりなくなったりすると、母か私が気づいて、沸かしなおしたり補充したりしています。


自分が飲んだことでポットの中身がなくなった場合には、「自分もまた飲むから」という理由もありつつ、「他の人が飲みたいときに困るだろうから」という理由もあって母と私は補充するのですが、兄はまったくしません。

兄は朝必ずインスタントコーヒーを飲むのですが、マグカップに並々お湯を注ぐので、ポットは一気に軽くなります。

まだ残っているならいいのですが、空っぽになったときも、決して補充せず自分の部屋に戻っていきます。

それを見ていると、私はいつも「はぁ?沸かしていけよ!」と思うわけですが、兄にとっては難しいことなのかもしれない、という思考も挟まります。


というのも、兄は22歳頃に発達障害の診断を受けました。

振り返れば幼少期から傾向はありましたが、当時はあまり認知されていなかったため、家族は性格としか思っていませんでした。

詳しくは覚えていませんが、就職後、いろんな難しさから退職したのち、「もしかしたら」ということで検査を受け、診断されたようです。

診断されたことに対する兄の心境はわかりませんが、私としては、過去の記憶に説明がつくような、納得感のようなものがありました。

兄に対して感じてきたイライラの大半は、仕方のないことだったのかもしれない。こちらとしては「なんでできないの?」と思うことが、兄にとってはものすごく難しいことだったのかもしれない。

なるほど、そういうことか…という感覚でした。

それと同時に、そうとは知らず怒りを向けてきたことに対する申し訳なさと、怒りの矛先を奪われたような気持ちにもなりました。

申し訳なさというのは、兄にとっては「できない」ことを、私は「やらない」のだと思って責めてしまっていたからです。「ちょっと考えればわかるでしょ?」と思ってしまうことが、兄にはわからないのかもしれない。「できて当然」と思ってしまうことが、兄にとっては当然ではないのかもしれない。そのことに気づいたとき、過去の自分の接し方がとてもひどいものだったとわかりました。

怒りの矛先を奪われたというのは、兄に怒りを抱いてはならないと言われたような気がしたからです。今までは「なんでやらないんだよ、ムカつくな」と内心毒を吐きながら、自分なりに折り合いをつけて関わってきたのに、そもそもむかつくことは間違っているのかもしれない、と思うようになりました。だって兄は「やらない」のではなく「できない」のだから。


とはいえ、ムカつくもんはムカつきます。

発達障害の特徴として見れば「仕方がない」と思えますが、一方で生活を共にするこちらとしてはしわ寄せが来るわけで、自分のことしか考えていないように見える兄の態度には、どうしたってイライラします。


一方的にイライラしながら我慢するのは癪なので、なにがどう難しくて、どんなことならできるのか、本人と話したこともあるのですが、明快な基準があるわけでもなく。

「兄が理解しやすい言い方・実行しやすい頼み方をしてみよう」と、私なりに試行錯誤している日々です。


ようやく本題に戻ってきました!

昨日も試行錯誤の一環として、お湯を沸かすよう頼みました。兄がコーヒーを入れたことで、ポットが空になったからです。

はじめは渋られました。ケトルのスイッチを入れてからの待ち時間がいやだったようで、「あとでできたら…」という感じでした(あなたの「あとで」はいつになるかわからないのよ、あとでじゃ遅いのよ)。

ならばと私も譲歩します。「沸いたお湯をポットに入れるのは私がやるから、ケトルのスイッチを入れるところまでやってよ」と。すると兄も「それならやります」と、すぐに動いてくれました。

面倒ではありますが、なにも言わずに一人で我慢するよりよっぽど健やかです。兄ももしかしたら、「ポットが空になったら沸かす」という行為を覚えてくれたかもしれない。過度な期待はしないようにしつつ、すべてを諦めるのも違う気がして、兄ができることがひとつでも増えたらいいなぁという気持ちでいます。


ムカついたのは今日。

昨日と同じように、兄がコーヒーを入れたらポットが空になりそうな状況でした。私は「昨日みたいにケトルのスイッチを入れるところまでやってくれないかなぁ」と期待しつつ、あえてなにも言わず、兄がどうするかを見守っていました。

結果は、期待外れだけど予想通り、お湯を沸かさずに立ち去りました。それはいいんです。「ですよね~」という感じ。

ムカついたのは、ポットにほんのちょっとお湯を残していたことです。

立ち去る前、兄はマグカップに水を足していたんです。ポットのお湯では足りないときはいつもそうします。でも今日は、ポットにほんのちょっと残っていたのに水を足していたんです!

「ポットが空になったらお湯を沸かさないといけない」と察したから、それを回避するために少しだけお湯を残していったのではないか?(小学生のとき、休み時間に使ったボールを「最後に触った人が返すんだぞ!」といって押し付け合ったみたいな!)

そう思ったら、めちゃめちゃムカつきません!?しかもポットの周り、めっちゃ水こぼれてるし!!それ拭いていかないし!!


…たったこれだけのことを私はnoteに書いているのか、と我に返りつつ、いやでも!この部分だけ切り抜くとまじでしょうもないけど、過去のたくさんの積み重ね込みだから、ムカつく自分も認めたい!!


ちなみに、「ポットが空になったらお湯を沸かさないといけない」と察したから、それを回避するために少しだけお湯を残していったのではないか?と言いましたが、兄がそこまで考えていたと思えない自分もいます…笑

兄は、ポットのお湯はなくなったと思ったのかもしれない。そのうえで、昨日の出来事はあくまで私に言われたからやっただけで、今日はいつも通り、なにも考えていないだけなのかもしれない。

…うん、こっちの方が可能性高いなぁ、、、、


日々、こんなことの繰り返しです。

兄には悪気がなく、ただ気を利かせることが得意ではないだけなんだと思います。

でも、だからこそ、こちらとしてはもどかしいというか、「クッソまじムカつく!」と思わせてくれた方がよっぽど楽なのに…と思ってしまう自分がいます。難しい…


というわけで、兄のムカつく話にお付き合いいただき、ありがとうございました!!


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