東京百景とくるりの東京

くるり「東京」

くるりの名曲ですね。
上京したての頃はよく聴いて、地元に残らずこの選択をしてよかったのかな、良かったはずだよね?って自分を肯定しながら感傷に浸ることもあった。


このくるりの「東京」
私が1番好きだったフレーズはサビの、

君がいるかな 君と上手く話せるかな
まぁいいか
でもすごくつらくなるんだろうな

この部分がとても好きだった。学生時代1番好きだった人とうまくいかなかった時を思い出してしまったり。「まぁいいか」のフレーズは、上京して不安を抱く自分を肯定して励ましてくれる、そんなふうに感じていた。


今、久しぶりにくるりの東京を聴いてる。又吉の「東京百景」という本を読んで、その中にくるりの東京に関するエッセイがあったから。

そのエッセイでは、

東京の街に出てきました
あい変わらずわけの解らない事言ってます

この部分をフォーカスしていた。


あい変わらずわけの解らない事


上京当時、自分の視点でしか考えられずこの部分の意味に気付かなかったけど、なんとなく最近、わけの解らない事を理解できるようになってきた。

地元の友人との環境の変化のせいか、昔と比べて会話が噛み合わなくなってしまっている。結婚も子供も家も手にした友人と、仕事とゲームと本と映画がだいすきで、仕事は順調だけどそれ以外は学生時代からさほど変わらない自分。
あれ?こんなに進んでいる道違ってたっけ?前よりもずっと、自分の楽しい話が虚しく感じる。

実際の歌詞は、ミュージシャンになる夢を「わけの解らない事」と書いているのかもしれないけれど、全く状況の違う自分と重ねても該当するから不思議。わけの解らない事は、他者視点からみた自分の発言だったんだなぁ。


地方から上京するって、そういう事なんだな。
わけの解らない事言ってるように映っちゃうんだろうな。

又吉のエッセイを読みながら東京を聴く。


東京百景 (角川文庫) https://www.amazon.co.jp/dp/4048967703/ref=cm_sw_r_cp_tai_C-RSEbGZYBBKW

カバー写真の、のんちゃんがとても美しい



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