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詩集

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詩を書いていきます。
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#生きる

【詩】絶対に生きる事。

俊敏な体操で世界を潰せ。勇気をアイデンティティにして、見違える程の怒りを自分と世界にぶつけろ。 殺せ。殺すんだ。気持ちの悪い愛を溶かすように。最高の瞬間の愛を全くの無意味に変えるように。 フロンガスの中身は、何色なんだろうか。 君の中身が怪物と同等の処理能力しかなかったら。 つまらない夢なんか消して、もっと尊い、とんでもない夢に変えるんだ。 店番をしながら大声で客に叫べ。 心の奥底の声を。 あいつの爪痕が残ってたら、叫んでかき消すんだ。 充分似ている本当の二つ。 どちらも正解

【詩】世界の終わりなんてどこにもない

昨日から続く人生を 全て吸収する世界の終わり 足跡も何もかも全て吸収する 世界の終わり ゴッホもセザンヌも全て吸収する 世界の終わり 渡る世間は鬼ばかりも全て吸収する 世界の終わり それが来る事はなく、いつまでも、地味ーーに、この感情のややこしさ、思考のめんどくささと、生きていくんだ 飲もうぜ

【詩】しょうがなくウインクしてあげるね

見つけたいな、誰かのボタン 服からほどけたボタン 私の人生の帰り道に、そのボタンはあって 誰かに渡したら、私の人生は終わるんだ 給食当番を蹴り飛ばして、まねきねこのドリンクバーでコーラを入れて教室に戻る 円陣を組んで、中央に立っているポカリスエットのペットボトルに、気合いを入れるよう応援する そんな、はしたがね 宇治金時のかき氷に顔を突っ込んで、底に溜まってる小豆を両目に入れて、泣き叫ぶのを二時間半 終了のお知らせが来たから、私は自動ドアの前で、ドアが開くのを待ったけど、い

【詩】人間になる方法

人間になりたい 花が咲くように 犬に駆け回されている野原のように 人間になりたい レコードにお金を注ぎ込んで、自分なりの音楽の収集を満足出来る程にした 洋楽がメインだ だけれども、なぜか、そのレコードを全て燃やしたい気持ちになる 僕はそれを「人間になる方法」だと思っている 世の中の不条理を、自らの力でやり遂げる 心の中の矛盾に向き合いながら、その衝動の元に動く これを「人間になる方法」と呼ぶ さえずるスズメを手の平に乗せて、この世の全ての悪から守りたい 図書館の新聞コー

【詩】自称ゴミ箱くんのマツエク

空と地面を繋ぐ豆の木かもしれないよ その食べようとしている豆は 保険会社に勤めてはや3年 命を命で覆う。中の命という漢字が、覆った命という漢字から透けて見えて、二重に命という字が見える 俺を俺で覆う事も出来る 夢を夢で覆う事も出来る 二重になって出っ張るけど、本当のソレには届き辛くなるんだ 壊したい 何もかも壊したい 嘘。グランドピアノをチェーンソーで削れば、多分それだけで一年は満足出来るだろう 君は、何かを壊したい願望はあるかい? それは、ケチャップを捻り潰すだけなのか

【詩】死に顔が反射する

虹で出来た綿飴をお前の口に突っ込んで窒息させてやるよ キラキラ光るお星様を見て死にかけているお前に岡村孝子の「夢をあきらめないで」を歌ってやる そしたらお前が言うんだ 「俺はバス停に生まれたかった。みんな俺の後ろを並んでくれるから。俺が先頭に居られるから」とかキモいことを だから俺は綿飴をもっと奥に突っ込んだ お前は目から綺麗な涙を流す 俺は共感覚の持ち主だから、その涙を見て、沖縄の花を思い出した その花はピンクと水色の縞模様で、俺は見かけた時握りしめて引っこ抜く直前で辞めた

【詩】僕は何の為に生きているのか

ホラー漫画の全てのページに丸を付けて友達に返そう 全ての恐怖を肯定してやるんだ アンパンマングミを切り刻んで、お前たちはグミじゃなくてパンだということを思い出させてやる 全てのパンを肯定してやるんだ 僕は何の為に生きている? トイレ掃除したあとの光に反射した自分の顔を見る為? ドラゴンクエストで壺に挟まって勇者に割られるのを待つ為? コイケヤのポテチとカルビーのポテチのどっち派かによる戦争に加担する為? いや、違う 僕は僕の為に生きている 僕は彼女の為でも、友達の為でも

【詩】死ぬ前に君に伝えたくない事

死ぬ前に君に伝えたくない事 俺は君の事を、心の底から愛していた どんなに辛い日も、君のおかげで生きてこれた だけど、もう、これ以上は、無理みたいだ ごめん、ごめんなさい 君の力を使ってでも、俺はもう生きていけない これじゃまるで、君の素晴らしさが足りていないみたいじゃないか いままで、君の力だけで、生きてこれたのに 君の力が足りていないみたいで、こんなこと君に伝えられやしない 死ぬ時に、君の事を考えるのは、失礼かな 君を裏切っているような、感じがしてしまう 死ぬ時に、

【詩】刹那が永遠に変わる自然の美しさ

なんかタイトル、フツーな事言ってね? 刹那とか永遠とかさ 自然は美しいって言っときゃいいじゃん でもさ、そういう、フツーな事の方が、つまりは既に知っている既知の物の方が、読んでてすぐに脳に入ってきて楽しめるんじゃね? 変に凝ったり人と違う事を言おうとすると、読者は頭を使ったり変容させたりしなきゃいけないから、めんどうでイヤになるんじゃない? じゃあさ、フツーな事書けばいいのかよ イヤだ!!!! おまえらの知らない事を書かせろよ!!! おまえらが気付いたことない事を書かせろ

【詩】先に何もない道で出会う全ての物

道の先には何も無い。 単行本7巻完結ぐらいじゃないと読む気が起きない人間と普通の人間の狭間で、歩く。 白いブドウが消音しながら鳴いている。 世界に気を遣ってるのかな。 ワタクシ白いブドウなんかが鳴いていたら他の大事な声を邪魔するって思ってるのかな。 可愛い。 とても可愛いよ。 僕より可愛い。 道の先には何も無かったが、道の途中には極太の漢方薬があり、噴水にまぶして健康が散らばる姿を見る。 じっと見る。 じっと。 じっと。 卒塔婆を箒代わりに跨いで空を飛ぶ。 卒塔婆か