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詩集

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詩を書いていきます。
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#恋愛

【詩】しょうがなくウインクしてあげるね

見つけたいな、誰かのボタン 服からほどけたボタン 私の人生の帰り道に、そのボタンはあって 誰かに渡したら、私の人生は終わるんだ 給食当番を蹴り飛ばして、まねきねこのドリンクバーでコーラを入れて教室に戻る 円陣を組んで、中央に立っているポカリスエットのペットボトルに、気合いを入れるよう応援する そんな、はしたがね 宇治金時のかき氷に顔を突っ込んで、底に溜まってる小豆を両目に入れて、泣き叫ぶのを二時間半 終了のお知らせが来たから、私は自動ドアの前で、ドアが開くのを待ったけど、い

【詩】ドキドキする心の光

胸が爆発する ドッキンドッキン パクパク幸せ 私の力強い愛が、あの人に届きますように 色違いの靴下を履いて街に出かけよう イヤフォンから流れる曲は、いつだって初めての曲、あの人と同じ物を聴けるかもしれない曲 手を繋ぐ為の右腕は、私を支えてくれる 突然雪が降るとしたら、確実に私の為なんだ 手帳が風に吹かれて、パラパラとめくられる 偶然、パラパラ漫画みたいに、落書きした色んな動物の表情が変わりゆくのが見える 私の人生がパラパラ漫画だとしたら あの人の人生のパラパラ漫画と同じ

【詩】好きと嫌いを逆に言う

好きと嫌いを逆に言う そんな事ばかりしていたら 心は自分の為だけに 温かくなって辛い 好きと嫌いをそのまま言う そんな事ばかりしていたら 頭は自分の為だけに 傷付いていって辛い 誰かの傷と私の傷を交換して もっと辛くなったらどうしよう こんなたいしたことない傷は 森に居るリスと交換したい 苗字を交換したら変わるかな 名前を交換したら変わるかな 顔を交換したら変わるかな 頭を交換したら変わるかな 全てのパーツを誰かと交換して 自分の全てが入れ替わったら 残っている自分は

【詩】最大限に意味のない会話

肩甲骨から羽根を生やし 僕は世界中を飛び回る インド、アラスカ、サイパン、韓国 世界中の輝き、世界を見て回る 家に帰って、羽根を剥がして燃えるゴミの袋に入れる 僕の頭は全て満たされた 感動と、好奇心で、全て満たされた でも、心は? 心はなんにもなっていない 僕の心は凍っていて 何を見ても、誰と話しても、溶ける事は全くない なんでか、さっぱり、わからないが 28歳頃からそうなった 歯医者で痛いところがあって、手を上げてそのまま暴れた スーパーで万引きしまーす!って叫んで、万

【詩】全ての愛よ、君の手の平へ

君の事を愛しているよ とても大切に、丁寧に、愛しているよ でも でもね 僕の愛だけじゃ君は足りない もっと多くの、沢山の愛を 君には受け取って欲しい 君をアイドルにしようか 配信者も良いな 僕がプロデュースする 君に捧げる愛は、僕の量だけじゃ足りないんだ 君は家族からも愛されて 友達からも愛されて 僕から凄く愛されて でも、まだまだ足りない 君の笑顔は、もっと愛されなければ 愛の押し付け セクハラやパワハラならぬ、ラブハラ 君にそう言われた ラブハラするなよ!私は充分だ

【詩】嫌悪感を抱けると嬉しい

明るい時間だけじゃ、切ない 青春の中に逃げていたことで、本当の自分を見ないでいた 大学進学で上京してから、一人になり、絶望を知った 私がこの世に生きている意味が、何もないだなんて 彼氏が出来てから、生きている意味ってなに?ってフランクに言えるくらい、どうでもよくなった でも今度は、別の悩みが生まれた 愛されても、愛されている感覚が、わからないんだ 白い風船が天井に引っかかり、本当は空まで飛びたいのに、ずっとうずうずしている 君の愛は白い風船 きっと、私を愛してくれている

【詩】激しい感情が白い霧となる

窮地に陥った情熱の優しさ 味を薄める事に必死になって 心の魔物を憎んでも そこには選択肢が無い 何もかも空回りする器に 天からのポツポツ雨が溜まる このまま水浸しになって、魔物が窒息すればいいのに よそ行きの唇は無駄でしかなく 実態の無い言葉の方が価値があるなんて 大好きだよ そう言えれば簡単だけど そんな物足りなさじゃ君には届かないかなって だから余分な脂身を付けてしまうから 私はいつも石につまづく バス停なんて久しぶりに立ってみた となりのトトロみたいだねって 言いた

【詩】寄りかからず

瞳に寄りかかったラブソングを書くよ 瞳に映る君 綺麗な瞳を閉じる君の横顔 朝起きたらまだ瞳が夢の中な君の横顔 そんなラブソングを君に聴かせたら 瞳を整形済みな私への当て付けなのと 強く怒った 心に寄りかかったラブソングを書くよ 心の中がきらめいて 心の底から君が好き 破裂した僕の心を君の心で埋めてほしい そんなラブソングを聴かせたら いつも何もしてくれないじゃん そんなに好きならご飯奢ってよ デートの計画たまにはちゃんと立てろよって 強く怒った 寄りかからず 寄りかか

【詩】ガラスバラバラ言葉ボトボト

その窓は、ある言葉を伝えれば、一瞬でバラバラになる、そうシゲルの元にも伝わってきた その言葉とは?それは、わからない 窓は外の上空に浮かび、風船が繋がっている 風船に弓を放てば、風船は破裂して、窓は落っこちるだろう だから、弓道部のシゲルは、その窓が発見されてから、俺こそが風船を破裂させるぞと、学校の放課後を待っていた 授業が終わり シゲルは走った 風船の居場所へ 窓の居場所へ そして、弓を放った 弓矢は、窓に当たった 窓はびくともしなかった その代わりに、窓は、世界に