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詩集

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詩を書いていきます。
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2023年7月の記事一覧

【詩】人間が持つ、時間の尊さ

気持ちの悪いピラミッドは、目玉焼きに似合わない 目玉焼きに似合うのは、もっと、白いご飯とか、ソーセージとかだ でも、時々、僕達は似合わない物と一緒になる お互いがズレていて、でも、一緒にならざるを得ない 小さな亀の甲羅の上を、アリが歩いていた アリは、亀だという事に気付いて登っただろう それとも、なにか柱のような物だと思って、登ったのか 僕達は、地球の上を歩いている事に、気付いて、歩いているのだろうか この本棚の本が、どれくらいの人生がかけられて作られたか そういう事に、気

【詩】バウムクーヘンの真ん中で起きた事

君が助けた瞳と、私が助けた瞳 お互いの瞳に光を灯しあった 世界は輝きに満ちて、夢のような現実になった 妖怪が助けてくれと言ってくるが、私達は目玉の光を使って妖怪を燃やした コンビニの前でたむろする連中も ハエや、ナンパしてくる人も 全部全部、目玉の光を使って燃やした 私達は、表彰された 水曜日のダウンタウンに出た 栃木の大使になった スクワット協会を紹介するようにお金を貰った 私達の愛は、金になる 誰が買うかわからないが 誰かが買ってくる そういう事が続いて、私達は、愛

【詩】しょうがなくウインクしてあげるね

見つけたいな、誰かのボタン 服からほどけたボタン 私の人生の帰り道に、そのボタンはあって 誰かに渡したら、私の人生は終わるんだ 給食当番を蹴り飛ばして、まねきねこのドリンクバーでコーラを入れて教室に戻る 円陣を組んで、中央に立っているポカリスエットのペットボトルに、気合いを入れるよう応援する そんな、はしたがね 宇治金時のかき氷に顔を突っ込んで、底に溜まってる小豆を両目に入れて、泣き叫ぶのを二時間半 終了のお知らせが来たから、私は自動ドアの前で、ドアが開くのを待ったけど、い

【詩】人間になる方法

人間になりたい 花が咲くように 犬に駆け回されている野原のように 人間になりたい レコードにお金を注ぎ込んで、自分なりの音楽の収集を満足出来る程にした 洋楽がメインだ だけれども、なぜか、そのレコードを全て燃やしたい気持ちになる 僕はそれを「人間になる方法」だと思っている 世の中の不条理を、自らの力でやり遂げる 心の中の矛盾に向き合いながら、その衝動の元に動く これを「人間になる方法」と呼ぶ さえずるスズメを手の平に乗せて、この世の全ての悪から守りたい 図書館の新聞コー

【詩】自称ゴミ箱くんのマツエク

空と地面を繋ぐ豆の木かもしれないよ その食べようとしている豆は 保険会社に勤めてはや3年 命を命で覆う。中の命という漢字が、覆った命という漢字から透けて見えて、二重に命という字が見える 俺を俺で覆う事も出来る 夢を夢で覆う事も出来る 二重になって出っ張るけど、本当のソレには届き辛くなるんだ 壊したい 何もかも壊したい 嘘。グランドピアノをチェーンソーで削れば、多分それだけで一年は満足出来るだろう 君は、何かを壊したい願望はあるかい? それは、ケチャップを捻り潰すだけなのか

【詩】死に顔が反射する

虹で出来た綿飴をお前の口に突っ込んで窒息させてやるよ キラキラ光るお星様を見て死にかけているお前に岡村孝子の「夢をあきらめないで」を歌ってやる そしたらお前が言うんだ 「俺はバス停に生まれたかった。みんな俺の後ろを並んでくれるから。俺が先頭に居られるから」とかキモいことを だから俺は綿飴をもっと奥に突っ込んだ お前は目から綺麗な涙を流す 俺は共感覚の持ち主だから、その涙を見て、沖縄の花を思い出した その花はピンクと水色の縞模様で、俺は見かけた時握りしめて引っこ抜く直前で辞めた

【詩】ドキドキする心の光

胸が爆発する ドッキンドッキン パクパク幸せ 私の力強い愛が、あの人に届きますように 色違いの靴下を履いて街に出かけよう イヤフォンから流れる曲は、いつだって初めての曲、あの人と同じ物を聴けるかもしれない曲 手を繋ぐ為の右腕は、私を支えてくれる 突然雪が降るとしたら、確実に私の為なんだ 手帳が風に吹かれて、パラパラとめくられる 偶然、パラパラ漫画みたいに、落書きした色んな動物の表情が変わりゆくのが見える 私の人生がパラパラ漫画だとしたら あの人の人生のパラパラ漫画と同じ

【詩】優しい私の心を抱きしめて

こんなに辛くても こんなに悲しくても こんなに愛してくれる人がいるから こんなに生きていける こんなに楽しくて こんなに嬉しくて こんなに愛せる人がいるから こんなに生きていける そんな気持ちの裏面には、掻き乱れた傷跡があって、いつ自分に悲鳴を浴びせるかわからない だけれども、前を向いて、たまに後ろを向いて、のんびり幸せに生きていきたい 牛乳パックを開けたら中身がこぼれて服に着いた アイロン台はまだ熱かった 炊飯器はまだ鳴らなくて 掃除機のコードで転びそうになる そん

【詩】渋滞したピアス待ち

私が消えて無くなった頃、その人の居場所がわかった。また生まれた瞬間、その人の居場所がわからなくなる。表と裏みたいだ。コイン?いや、1円玉にもならないような奴。つまらない奴。なんでつまらないかは、私が決めたから。そうでもしないと、耐えられないから。 線路で寝転んで、寝返りを打って早押しボタンを押す。死ぬ理由の早押しだ。中央線と、埼京線と、京王線。どの人が最初に正解出来るかな。 時々、思わないんだ。いつも何かを思っているのに、時々、思わないんだ。 薬が小さい。苦痛も小さい。