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ペペロンチーノ大作戦

ペペロンチーノにフォークを入れた時に、宇宙戦争は始まった。
どうやら私の昼食のペペロンチーノが、この大戦のスイッチだったらしい。この食事をスタートさせると、人類には理解不能な著しく破壊力のある兵器が宇宙のどこかから地球に発射されるシステムが組み込まれていたようだ。
私は世界中の人間に責められ、責任をとらされることになった。
責任をとるっていったって、一体どうすればいいのだ。そもそも私なんかを探す暇があるのなら、有効な対策を考えればいいのに。
良心的な一市民の生活しかしていなかった私は、納得が出来ずに逃亡することにする。昼食を食べただけで捕まるだなんて、そんなめちゃくちゃなことがあるか!

私は世界中に指名手配をされ、ただただ逃げ回る。もちろん逃亡の素人であるから、逃げるにしてもどうすればいいかわからず、思いつくままに移動する。
気づけば見晴らしのいい海岸沿いに出ていてしまった私は、逃走の失敗を悟る。
こんな所に来たら、直に見つかる。
仕方ないと諦めて海を眺めた時、不意に目の前にペペロンチーノが現れた。あの時の私のペペロンチーノ! 実は食べ損ねたペペロンチーノに未練があった私は、反射的に飛びつく。
私を追う人間の声が響き、足音が迫って来る中、食べかけのペペロンチーノを口に入れた。

その瞬間、地球に迫っていた兵器は全て光となって消え去り、その光は金銀財宝となって地球に降り注ぐ。
追っていた人々は皆私を忘れ、金銀財宝を集め始めた。指名手配もいつの間にか取り下げられたので、歩いて自分のアパートに戻る。知らぬ間に遠いところにまで進んでいたので、だいぶわかる土地が増えた。そう感じながら、ひたすら歩いていた。

疲れきって帰宅した時はもう夜中で、お腹が減った私はご飯をつくる。手早くカルボナーラを作ってフォークを入れた瞬間、カチッと音がして、食べかけのカルボナーラは異空間に消えた。

溜め息をついて、手元の荷物を引っ掴んで立ち上がる。

重要なスイッチなら、お願いだからしっかり管理をして欲しい。私はまた食べ損ねたパスタのことを考えながら、鳴り響くサイレンをBGMに窓から飛び降りた。






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即興小説トレーニングでの作品を、加筆修正しています。元はこちら

お題「最強の戦争」 必須要素「ペペロンチーノ」 制限時間「15分」
http://sokkyo-shosetsu.com/novel.php?id=503571

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