子どもの体調不良時、「いつも」を見るポイント

子どもの具合が悪くなった時に、「いつもを知ること」が大切だと前回書きました。

 知ろう小児医療守ろう子ども達の会の講座で講師を務めてくださった小児科の先生が子どもの健康管理のことで必ず言うのが、「熱の高さだけではなく、全身状態をみる」ということです。

初めてその言葉を聞いたときは、ゼンシンジョウタイ???なにそれ???

全然、聞きなれない言葉でした。何度も何度も詳しく教えていただきました。

全身状態を見る、ということは、親は子どものどこを見ればいいかというと

「食う・寝る・遊ぶ・出す」 を見る。

いつもと同じように「食べられているか」「眠れているか」「遊べているか(機嫌がいいか)」「(うんち、おしっこが)出ているか」をみていきます。


 熱が高くてもケロッとしていて元気なときもあれば、熱が高くなくても水分が取れず、おしっこが出ず、心配なときもあります。大切なことは子どもの普段の様子を知っていることです。


 普段の様子を知っていることで「いつもと違う」というサインに気付くことができる場合もあります。

小児科の先生は、親の「いつもと違う」という言葉には敏感になる、と聞きます。

いつもの泣き方、いつもの食欲、いつものうんち、いつもの顔色、肌のはり――。いつもの様子を知っているのは、親や園の先生など、普段子どもを見ている人ですから。

子どもが小さければ小さいほど、痛いもかゆいも言えません。泣くことでしか表現できません。

だからこそ、小児科の先生は、普段を知っている親による「いつもと違う」に敏感になってくださるのでしょうね。

子どもの手や足や頭、おなかをちょっと意識して触ってみてください。異常のサインに目を光らせる、というのではなく、いつもの状態、子どもの心地よい状態をつかんでおくという感じです。ひとりひとり違うその子の「いつもの状態」を知っておく、ということがポイントです。


いつもと違う、ということに気付けたらたいしたもの、気付けなくても(子どもが小さければ小さいほど、なかなか難しいですよね)ご自分を責めないでくださいね。

こちらは、以前に読売新聞に掲載された記事に加筆・修正したものです。

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