読書メモ:経営学習論
こんにちは。天野です。
最近ワークショップなどで教育心理学概論を読む機会があり、学習に関する研究・知見は面白いな〜と思っていたところ、こちらの経営学習論が目につき読み始めてみました。
まだ半分程度しか読めていないのですが、非常に面白く学びが多いのでここまで読んだ面白かった点のメモを残します。
本書は組織、特に職場における学習が詳細に扱われており、自分の関心領域にかなりマッチしていました。
本書の目的
経営学習論という研究領域の全体像を提示すること
「企業経営における学習」の最新の研究知見を提供すること
経営学習論は「"企業・組織に関する人々の学習"を取り扱う学祭的研究の総称」である。
第2章 経営課題としての人材育成をめぐる社会的背景
(第1章は本書の概観だったのでメモなし)
多くの企業において人材育成の問題が横たわる主因は日本企業が経験した急激な社会変動
「人材育成・学習」の機能不全の主因1)職場の社会的関係の消失、2)仕事の私事化、3)高度情報管理による学習機会喪失
成果を出さなければならないために、個人の成長につながるような業務経験の付与に偏りが生じ、成長機会が阻害された
上司やマネジャーがプレイヤーとして仕事を抱え込む様子が見て取れる
企業経営における人材育成の意味とは、「企業が戦略目的達成のために必要なスキル、能力、コンピテンシーを同定し、これらの獲得のために従業員が学習するプロセスを促進・支援することで、人材を経営に計画的に供給するための活動と仕組み」である
本書では、1)組織社会化、2)経験学習、3)職場学習、4)越境学習、5)組織再社会化という5つの視点から経営学習論の全体像を描写する。
学習や人材育成の意義を考えるうえでは、長期的・包括的な立ち位置に立つ必要がある。例えば、組織適応を進め組織コミットメントを高める、離職・転職者を出さない、などもそのひとつ。新たな仕事に挑戦するマインドを高め、業務能力を向上させる、といったことも「経営への貢献」である。それらは即利潤には結びつかないものの、長期的には組織の競争優位を支える資源となりうる。
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ありがとうございます。書籍代に使ったり、僕の周りの人が少し幸せになる使い道を考えたいと思います。