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舞台『もしも命が描けたら』ピュアで優しい月人さんを忘れたくなくて、noteという白いキャンバスにかいたり削ったりしたまとめ記事

舞台『もしも命が描けたら』

2011年の「芸人交換日記~イエローハーツの物語~」、2017年の「僕だってヒーローになりたかった」に続き鈴木おさむと俳優・田中圭がタッグを組む舞台作品の第3弾!

テーマ曲をYOASOBIが、アートディレクションを清川あさみが手がけ、田中圭、黒羽麻璃央、小島聖3人による「命」を賭けた物語。


公式サイト

https://tristone.co.jp/moshimoinochi/









人生プラスマイナスゼロって、よく言うじゃないですか。でも、本当にそうなのかな、と思うところがあって。ラッキーな人はずっとラッキーだし、不幸な人はとことん不幸だったりする。もしかしたら、世の中全体でバランスを取ってる誰かがいるんじゃないか、って想像したところから、この話は始まりました。僕がつくる舞台って、結局どこか、ファンタジーなんですよね。でも、どこかでそういうことが起きてるかもしれないってことは思わせなきゃダメだと思う」




もしも命関連の雑誌




神写真は花村さんがまとめてくれてた


舞台稽古が始まる頃、圭さんが新型コロナウィルスに感染。

こんな状況で舞台なんて出来ないのではないかと思っていたが舞台は予定通り公演と発表された。




圭さんの身体が心配でたまらなかった日々・・・

色々な人のSNSで圭さんの稽古が始まったことを知った。



なかなかに体が重くしんどい。
が、目の前で演じる田中圭、小島聖、黒羽麻璃央の熱量を見て、そんなこと言ってられない!
いや、すごい。



一方私はと言うと・・・手にしたチケットを泣く泣く手放す悲しい出来事が

▼一喜一憂したわたしの記事はコチラ



そして幕が開いた

田中圭しかできない舞台・・・

観に行けない私も、毎日空を見上げては月人を生きる圭さんの健康を祈り、鑑賞された方のツイートを見ながら月人さんに思いを馳せていた。


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私が初めて見た舞台の上の月人さんの姿はこの記事





そんな私に吉報が・・・



配信決定!!!!本当に嬉しかった。





座談会まであるというじゃありませんか!!!



2021年9月17日

ようやく月人さんに会えました



ここからは、私なりに感じた事や好きなシーンを羅列していく。

この先ネタバレがたくさん含まれています…


冒頭からYOASOBIの曲が流れる。

舞台上にはまだ誰もおらず、ただただこの曲を聞く時間だ。

良い曲だな。綺麗な声だな。

そんなことを感じながらも内心

『ちょっと長くない!?これ何の時間??』と感じる。


舞台中央部分がぼんやりとスポットライトに照らされる。

そこには青いツナギを着た月人が倒れている。

そこから月人の語りが始まる。

前半は辛く苦しく自分を殺して生きてきた幼少から学生時代の月人の話。

月人に訪れる沢山の辛い出来事。

心の拠り所になったのは空に浮かぶ三日月。

夢中になって三日月を描いているうちに絵の才能を認められるも、画家になる夢を諦めた月人。

「夢を諦めるのも才能だから」

芸人交換日記にも、僕だってヒーローになりたかったにも出てくるこの台詞をはく。


冒頭からの約18分、殆どが田中圭の一人しゃべりだ。

舞台には、⼩島 聖さんも黒羽 麻璃央くんもずっといて時々、一言二言の言葉のやり取りはあるものの、殆どが圭さんの語り。


決してゆっくりではないスピードで、2歳時のふりや熱血教師の真似、時折コミカルな演技をはさみながら、感情豊かに語り続ける姿。

冒頭から心配になるほどに擦れた声で、喜びや悲しみ、悔しさを表現し続ける。

あれだけの長台詞を長台詞と感じさせないような自然に引き込まれる演技。


座談会で麻璃央くんが語っていた

「病み上がりでこれ出来たら化け物だなと思ったら、案の定化け物だった」という表現。


化け物です。本当に田中圭は化け物です。

でも化け物だと気づかないぐらいスーッと入ってくる。

「すごいでしょ!」

「どや!」

なんて1㎜も感じない演技。


これが田中圭の真骨頂。

自分をよく見せようとは決して思わない。

いつでもリアリティーを求め、作品の事を考える。

そんな圭さんだから出来ることなのかもしれない。


擦れた声で顔中、身体中に汗をかきながら舞台に立つ姿。

時折キラキラと光る襟足の汗が美しい。

自身のコロナ感染から稽古への参加が大幅に遅れた圭さん。

座談会でも「稽古の時は本当に申し訳ない気持ちしかなかった。足を引っらないように、ついていかなきゃと思っていた」と語っていた。

⼩島 聖さんはそんな圭さんを「凄い集中力での稽古でビックリした」と語った。

※ちなみにこの座談会での衣装『おっさんずラブ』のTシャツだったの嬉しかったよね。パンフレットにある稽古中の圭さんは『ヒノマルソウル』作品愛が強いのか、おしゃれに無頓着なのか・・・どちらにしても推せる。

▼パンフレットはコチラ



舞台稽古中の聖さんのInstagram


猛烈な集中力で
過ぎた時間を
取り戻すべく日々稽古中



満身創痍の中不安を抱え、眠れない日々を過ごし必死に稽古してきた舞台。


全24公演、擦れた声を振り絞りながら月人さんを生きた圭さんと、舞台上の月人さんが重なり、何とも言えない気持ちになる。


18分の演技に田中圭の凄さと尊さが詰まっていて、胸がいっぱいになった。


ここからは月人の恋の話が始まる。

夢を諦めた月人は運送会社で働く。

その会社の名前は『甲本急便』

芸人交換日記の圭さんの役が甲本。僕だってヒーローになりたかったにも甲本という役が出てきた。

虹子が「自分で自分を褒められるって素敵でしょ?」というシーンでも、過去の2作品を思い出す。


その運送会社に入ってきた女性、月山星子。

そこからは星子との日々が語られていく。


月人って可愛い人だな。と思ったシーンがある。

飲み屋で星子にグイグイ絡まれて「帰らせて・・・」とタジタジになる時の声と顔がたまらなく可愛いのだ。

描いた絵を絶賛されて、テンションが上がり、喜びを隠しきれない月人も、子供のようで本当にピュアな青年なんだなと思った。

色んなふりをして自分にたくさんの色を塗って誤魔化してきた月人の本当の色が見えた瞬間だった。


幸せな日々からの転落。

月人に辛く悲しい出来事がふりかかる。



〜公式サイトあらすじより〜

〜この日の夜、星野月人は森の中にいました。
深い深い森の中で、一本の木にロープをかけていました。
そうです。35年間生きてきた自分の命を絶とうとしていたのです。
画家になる夢を持っていたが諦めた月人。
生きることを諦めようとしたときに、得たある力・・・



この舞台の台詞にも何度も出てくる『星月夜』


《星月夜》は、サン=レミのサン=ポール療養院にゴッホが入院しているときに、部屋の東向きの窓から見える日の出前の村の風景を描いたものである。
激しい筆致で描かれた星空の下には、それとは対照的に教会を取り巻く謙虚なムードの家屋が広がっている。また、教会の尖塔は背景に波立つ青黒い山々を貫くように誇張して描かれている。
前景にある大きな木は糸杉である。糸杉はまるで炎のようでキャンバスの下端から上端まで描かれており、それは土地と空を視覚的に接続する役割を果たしている。 天と地を接続している糸杉は、一般的に天国と関連して、死の架け橋の象徴とみなされている。また糸杉は墓地の木ともみなされており、哀悼の意を表しているという。



そこからこの舞台の冒頭シーンに戻る。

三日月からある力を得た月人が三日月とゆっくりと前を見て歩き、そして大きくジャンプするシーンがある。

その時の2人が歩くその姿がゾクゾクする程に恰好良いのだ。


この森での一連の流れ、YOASOBIの曲に合わせて月人が動き話す。

音楽に合わせての演技は難しいだろうな・・・と思うのだが、冒頭で『ちょっと長くない!?これ何の時間??』と思った私に歌詞がどんどん突き刺さってくる。

この歌詞は月人の人生そのものなんだ!!

パンフレットではおさむさんがこの曲を流すシーンについて語っていて、私は彼の手のひらでまんまと転がされていたと思い、ちょっと悔しくなった。


〜公式サイトあらすじより〜

そんな月人が出会った女性、空川虹子。
彼女を笑顔にするために生き始める月人だが・・・
虹子には、光陽介という愛する男性がいた。
月人は今日も誰かのために、絵を描く。命の分だけ・・・


虹子の店で働くことになった月人。

この舞台のセットは驚くほどに殺風景。

座談会でも圭さんは「劇場入った時、まじでビビった。」と語っている。

舞台上には沢山の岩が転がっていて、その岩が時にはテーブルや椅子になり、ソファーの上に置かれた岩が登場人物になる。

すっかりと舞台に引き込まれた私にはそれぞれの岩が人に見えていた。

なんなら顔もしっかりと頭にイメージできる。

想像した登場人物の絵を描いてお見せしたいぐらいだが…

絵下手ゆえに遠慮しておこう。



舞台セット





清川あさみさんのアートディレクション素敵だった



月人は、虹子と出会ったことで生きる意味を見つけていく。

2人の前に虹子の元恋人、光陽介が現れるシーン。

そこが噂の 麻璃央タイムなんだろう。

苦しいシーンの多いこの舞台でホッコリできるシーン。

麻璃央が出すクイズやコミカルな演技に圭さんも聖さんも笑いをこらえている。

他の人たちの証言から推測すると、このシーンはアドリブ満載で毎回少しずつ違う。

兵庫公演からは圭さんのダンスも観られたらしいが・・・このシーンでコミカルなダンスが出てくることの想像が私にはつかなかった。

是非円盤が出た暁には、様々な麻璃央タイムを収めていただきたい。


忘れたくない大切なシーンがある。

「あなたが申し訳ないと思うその人もきっとあなたの事を応援してくれるはずです」と伝えるシーン。

「分からないわよ」という虹子の手を強く握りしめ「わかるんだ」と伝える月人。

その声は弱々しいのに、温かくもあり安心感がある…これまでの後悔や罪悪感を払拭してくれるような優しい声だった。

握った手を何度も愛おしそうに握り、親指でトントンって優しくさする。

月人の温もりが伝わってくるような仕草だった。



虹子に名前を呼ばれた月人の身体がヒクヒクと揺れる。

まるで泣くのを我慢している子供のように…

虹子に抱きしめられた月人は泣きながら絞り出すような声でこう言った。

「愛しています」

この物語にはもう1箇所「愛してる」を伝えるシーンがあるのだが…あたりまえだがそれとは全く違っていた。

星子、虹子と出会うことで愛を知った月人からの愛の言葉。


田中圭の「愛している」は何故こんなに心に響くんだろう。

心からの愛、優しくて温かくて泣きそうになるぐらいの愛が言葉に込められている。

先生を消す方程式の時の「恨んでない愛してる」も、すごく温かかった事を思い出す。 

最終話、森の中でのあのキスの時の「愛してる」も…


大切な人のために絵を描くことを決めた月人。


ここからまた膨大な台詞量。


掠れた声でボロボロと泣きながら、叫ぶように愛や感謝を語る姿は、まるで命を削っているようだった。

魂の…まさに命の叫びだった。


感情より先に涙が出る。

あまりの迫力の演技に引き込まれ、涙が出たことに気づかないぐらいだった。

ボロボロと泣きながら、月人という役に命を吹き込む圭さんの姿を見ていた。


YOASOBIの曲が流れ舞台は終わる。


鑑賞後、鳥肌が止まらなかった。

愛する人のために命を描いた月人…そして、その結末。


新たに始まる月人の人生が、面白いものになるのか、同じ人生になるのかは分からない。

優しくてピュアな月人が、自分らしく、たくさん笑える人生を送れますように…心からそう祈った。

人との出会いで人生は変わる。

それはいい意味でも悪い意味でも。

生きる意味を失い命を絶つ人がいる。

残された人の気持ちを考える事も出来ないほどに追い込まれてしまう。

命を一気に絶つのではなく月人のように少しずつ削ることができれば、生きる意味に、自分の存在価値に気付けるのかも…

なんて、ちっぽけで子どもみたいな感想しか出てこなかったんだけど…


自分がいま生きている意味。

これまで支えてくれた沢山の出会い、これから出会う人たちに感謝しながら日々面白く過ごしていきたいと思った。

命を描いて、命をかけて、命を懸けた月人に教えてもらった。


カーテンコールの最後。

舞台に一人になった圭さんは、ホッとしたような顔で息を吐き深々と頭を下げた。

月人を生きてくれてありがとう。

心からそう思った。



『もしも命が描けたら』

田中圭さんが演じる月人は不器用でピュアで優しい人だった。


純真無垢。 
真っ白な月人さんが様々な出会い別れを繰り返し染まっていく。まるで月人というキャンバスに絵が描かれていくようだった。瞳の美しい月人さんが愛おしくて切なくて気づいたらポロポロと涙が流れていた。


これが私がこの作品をみたあとに感じた初回の感想。




このポスタービジュアルをみた時に、沢山の絵に囲まれて空を見上げる真っ白な洋服を着た月人さんの姿を『まるで子どものようだな』と感じた事を思い出す。

このポスターを撮った時にどれほどの情報があったのか、意図したのかもわからないけれど、悲しみを沢山の色でかくして、ふりをして自分の心をなくしてしまったそんな月人さんをよく表している表情だと思う。


鑑賞した後この表情を見ると、2歳前の月人さんや10歳の月人さん、初めて恋をした月人さん、そして愛する人を守るために命を描いた月人さんを思い出して切なくなる。

床にちりばめられた絵の一つ一つが月人さんの生きる意味だったのかと考えたりしてさらに泣けてくる。




圭さんがコロナ感染から復帰した後、このコロナ禍で”もしも命が描けたら”の幕を開けることを「やめてくれ」と思った時期もあった。

圭さんの身体が心配なのと、万が一クラスターにでもなったら・・・何を言われるかわからないという不安もあった。


でもあの苦しい日々の幕開けが戦友の鈴木おさむさんとのこの舞台だった事・・・本当によかったと今は思う。

命を削るこの作品をまるで自らの命を削るかのように生きてきた姿を観劇した人たちのツイートで想像した。

止まらないほどの沢山の拍手で包まれて、胸に手を当ててそれを受ける圭さんの姿が目に浮かぶような日々だった。

圭さんを慕う人たちが観に来ていたという目撃情報も沢山あった。

歓声や感想を直接肌で感じられる舞台が復帰の場だった事、ほんとうによかった。



圭さんの舞台をみて泣いた雄大くんのエピソード


「最近は、田中圭さんの舞台を拝見しまして、泣きました」と、千葉さん。それを聞いた田中さんは「嬉しい、雄大が…泣いてくれたなんて」と、喜びをあらわにします。



鈴木おさむさんのツイートやInstagram


東京千穐楽直前の姿

長い時間を経ても一緒に熱く戦える戦友がいるというのはありがたいですね。
圭くん、僕が作る舞台で、まさしく、命削る思いで戦ってくれてありがとう!



東京千秋楽の様子


毎度千穐楽ではスケッチブックに文字を書いてくれた3人。

鑑賞した人たちのツイートから


東京千穐楽 『クタクタです♡』
兵庫千穐楽 『ミッキーマ○ス』『兵庫ありがとー♡』
豊橋大千穐楽 『これも出会いだ!』『皆様 きっと お面白い人生を!』


お面白いの誤字、頭いいのに間違っちゃう圭さんが可愛くてホッコリした。

方〇式事件も懐かしいよね。

蒸し返してごめんなさい…可愛いんだもん。




豊橋大千穐楽



この姿見られて泣くほど嬉しかったな・・・




麻璃央くんのInstagram



小島聖さんのInstagram


小島聖さんの日記

これだけ初日に幕が開いたことに喜び、緊張し
千秋楽を迎えられ緊張し、幕が無事に下りたことに安堵したのは
初めてかもしれません。




鈴木おさむ×田中圭、次なる舞台はミュージカル???

2011年の「芸人交換日記」から始まる田中圭との物語。
舞台「僕だってヒーローになりたかった」、Abemaの「田中圭24時間テレビ」、
ドラマ「先生を消す方程式。」
そして、今回の「もしも命が描けたら」振り返って見ると
全部つながっているような気がして。
僕的には田中圭との物語で。田中圭と仕事すると、100%はもちろん、
150%を出せるから
めちゃくちゃしんどいんだけど
自分にまだ伸びしろがあることを感じさせてくれます!
本当にありがたい。




パンフレットで語られた鈴木おさむさんのインタビューがものすごくよくて、圭さんへの思いがたっぷりと詰まっていた。

それを見ていると、これからおさむさんと圭さんがどんな作品と出会い進化し、そして次にどんなタッグを見せてくれるのか期待が高まる。

是非また素晴らしい作品をわたしたちに届けてください。

そして・・・その時は必ずこの目で生の舞台を拝見したい。

その時まで自分も進化を続けられますように。



素晴らしい作品を、愛すべき月人さんというヒトと出会えた喜び。

舞台中、圭さんを思い月を見上げた日々は私にとって宝物。

これからも月を見上げるたびに月人さんを思い出すだろう。

いつの日か子ども達が大きくなった時に、一緒にみてみたい。

円盤化を切に願う…


東京公演中の月



この記事を最後まで見てくださった方へ。

このnoteの文字数は7238文字。

裏話を暴露すると・・・実はこの記事…もとは14345文字だったんです。

この舞台を忘れたくなくて夢中に書き続けたら…さすがに公開できないほどの内容になりお蔵入り。

書いた記事を削って削ってこうなりました。

書いた記事を削る作業もしんどかった。


もしもカーテンコールがあったなら・・・

この絵をみなさんに捧げたい。



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舞台に足を運べず涙をのんだ私たちの願いを、いち早く叶えてくれた沢山の方々へ感謝を込めて


雨音



▼円盤要望はコチラから

http://ts-shop.jp/contact/



▼鈴木おさむ✖️YOASOBI


可愛くてやさしくて、涙がでる。

素敵な作品。

この舞台鑑賞後に、あらためて見たら月人や虹子さんの声で脳内再生される。





▼鈴木おさむ×田中圭タッグのまとめ記事はコチラ

多いな・・・このタッグ大好きかよ!!はい大好きです。







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