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バスケを3つの争点の「サイクル」として観る

前回の投稿では、「バスケの3つの争点」という考え方を紹介しました。

今回は、3つの争点の「サイクル」を紹介します。

3つの争点のサイクル

その3つの争点のサイクルの図がこちらです↓

左側の黒いボックスがディフェンスの時、右側の赤いボックスがオフェンスの時です。

この図は、「ボールを取り、運び、シュートする」「相手はそれを防ぐ」というゲームの自然な流れを表しています。

ボールの所有が移る時、「得点したか、していないか」が重要

バスケは頻繁に攻守が入れ替わるルールになっています。
この攻守の入れ替わりの時に、「得点したか、していないか」がゲームの展開を左右します。

攻守が入れ替わるのは以下の時です。

1. シュートの前にボールを奪われた時(図内「TO」)
2. 失敗したシュートのリバウンドをディフェンス側が取った時(図内「DRB」)
3. フィールドゴールが成功した/最後のフリースローが成功した時(図内「Score」)

ディフェンスの目標は、1と2のパターンでボールを奪うことです。
オフェンスの目標は、3のパターンで得点してからボールの所有を相手に渡すことです。

リバウンドの重要性の確認

このサイクルを知れば、オフェンスリバウンド(図内「ORB」の青い線)がいかに重要かが分かると思います。

オフェンスリバウンドというのは、頑張ってディフェンスをしてシュートを失敗させたのに、もう一度ボールの所有が相手に戻るということです。

こういった観点からゲームを見ると、ディフェンスリバウンドを疎かにすることがどれほどもったいないか、よく分かるのではないでしょうか。

ターンオーバーの重要性の確認

ターンオーバーは、唯一の得点方法であるシュートの機会をつくることなくボールを相手に渡してしまうということです。

不用意なプレーによるターンオーバーはとてももったいないです。1試合で何度もそういったことがあると、ゲームがかなり不利になります。

ただし、「通れば確率の高いシュートが打てる」というパスなど、得点のチャンスを広げるプレーをした結果のターンオーバーには価値があります。攻める姿勢がなければ、良いシュートのチャンスはつくれません。ターンオーバーを恐れて、慎重になることが正しいわけではありません。

ゲームの3つの争点は互いに影響する

バスケは、このように分解して見ることで理解が深まる一方で、完全に切り分けて考えてはいけません。
全てが大事な一方で、全てを万全にすることもできないのがバスケです。

オフェンスリバウンドとセーフティの関係

典型的な例は、オフェンスリバウンドとセーフティの関係です。

オフェンスリバウンドが重要だからといって、5人全員がオフェンスリバウンドに参加することはほとんどありません。なぜなら、もしそれで相手チームにディフェンスリバウンドを取られたら、ボール運びを防御することができず、簡単に得点されてしまうからです。

これは、「ボールの獲得」のプレーの選択に対して、次の「ボール運び」のことが影響しているということです。

チェリーピッキング

また、聞き馴染みがないかもしれませんが、”Cherry Picking”(チェリーピッキング) と呼ばれるプレーも良い例です。

これは、相手チームがシュートを打った時に、ディフェンスリバウンドに参加せずに速攻のために走り出すことを指します。リバウンドが手薄になりますが、もしそれでもチームメートがリバウンドをとれば、ロングパスですぐに得点が狙えるというプレーです。

ゲームの大きな争点である「ボールの獲得」を手薄にする代わりに、ボール運びを簡単にしてしまおうということです。

あまり積極的に使うことはおすすめはしないのですが、いざ相手チームの選手にやられるとなかなか困るものです。

このように、ゲームの各要素は互いに影響し合っているものです。「複雑なゲームだからこそシンプルに捉える。同時に、それらを完全に切り分けずに流れとして捉える」これは、バスケを考えるうえでとても重要なポイントではないかと思います。

おしまい

今回は、「ゲームの3つの争点」をゲームのサイクルとして捉える考え方を紹介しました。

ではまた。(塩野)

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