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或虎
2024年2月5日 20:56
直接伝えるべきだと思う。でもそんな勇気は無い。だから手紙にした。僕の本当の想いを、君に知って欲しい。 指先に小さな結晶――紅茶の湯気に着色された午後の陽を受けて、微かに暖色に寄ってはいるんだろうけど、それでも毅然とした緑の色を保って――僕の指先で輝いている。 瑪瑙の様だ……。 腹話術師の口で思った。声には出していない。僕には不思議だった――どうしてこんな物が美しいんだろう。 暗い地