マガジンのカバー画像

73
運営しているクリエイター

2023年9月の記事一覧

詩『サンタナ恋い』

詩『サンタナ恋い』

肩甲骨這う指
鎖骨圧す舌
首筋から微かな気流
白金の星が香る
腕の血管膨張
血液はまるで
魔術師の赤
ブランド―もののワイン
意思の仮面被って

「人間を辞めてキミを抱くぞ!」

心はもはや狂ったダイヤモンド
ふるえるぞハート!
燃えつきるほどヒート!
キミを捕食するビート!
抱き締めるスピード!ワゴン車よりも
銀の戦車よりも速く
腹から胸から
キミの体を凹り込ませる
細胞でキミを感じる
心音のエ

もっとみる
詩『にんげんばくだん』

詩『にんげんばくだん』

にんげんばくだん
ばくだんだん

おうだんほどうをわたってる
おーえるばくだんわたってる
がくせいばくだんわたってる
ろいじんばくだんひきかえす

いぬばくだんをつれたばくだん
へいのうえにはねこばくだん
そらをみあげりゃすずめばくだん

ばくだん
ばくだん
ばくだんだん

どうかせんをひきずって
みんなびくびくくらしてる
ちきゅうばくだんにのっかって

散文詩『僕はひとつの少女の死体』

散文詩『僕はひとつの少女の死体』

壁が汚いビジネスホテル
ネクタイが床でぽそっ
ベッドに伏せる
疲れて冴えて
仮眠は望むべくもない
ならば永眠するか

冷蔵庫の唸りは潮騒
シーツの皺は浜の紋
脹ら脛過ぎる空調は波

今僕は――
砂浜に打ち上げられた
ひとつの少女の死体

zazazazaZa-

足の裏から聴こえる
波が寄せ腰元まで浸る
砂の乾いた部分と濡れた部分の境目
そこにワタシは目印のように置かれ――
半壊した貝殻が螺旋を晒

もっとみる

短詩『韻猫』

にゃあにゃ
にゃ
にゃにゃ
にゃあにゃ
にゃ

猫踏んじゃった
猫踏んじゃった
猫が韻を踏んじゃった

短詩『ふたり』

ふたりは感じたい
ふたりで感じたい
ふたりを感じたい

詩『あかさたな詩』

詩『あかさたな詩』

あ るけなば
い ぬもあたるや
う つしよの
え がたきぼうは
お らがきぼうよ

か いだせん
き っとうてるさ
く まがいう
け もののやきう
こ んやかいまく

さ びしさを
し にかきおこし
す ぐにけす
せ なかをおして
そ ばかすてんし

た ちつくし
ち ってみじかく
つ きるとて
て とてをとって
と わにあゆまん

な みだぐむ
に じのきれはし
ぬ すまれて
ね つにうかせれ

もっとみる
叙事詩『ALBATROSS』

叙事詩『ALBATROSS』

廃棄された重力エレベーター外壁は剥がれ剥がれ
意思もなく縋る錆びた螺旋階段
かしゃんかしゃんかしゃん
鋼鉄踵発する踏音 音階は不要
【ワガ基二至ルベシ】
受信電信脊髄的反射
〈吾は”ALBATROSS427”〉
一段ごとに変化する空の色調
映像の端で目まグるしく入れ替わる数字
アクチュエーターに赤いpulseヲ伝える
疾走mode 可変する脚部

青が蒼になる条件を吾は知らない
電子鐘はグラデーシ

もっとみる