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日記のようなもの

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2023年6月の記事一覧

父と娘とええピッチャー

父と娘とええピッチャー

父とふたりでお酒を飲んだ。

実家に着くと入れ違いに母は出かけていって、きょうだいは帰りが遅くなるのだといった。

夜通し働いたあとに別件の打ち合わせを済ませて帰省をして、へとへとになってソファで眠りこけていたら、父が仕事から帰ってきた。
「わ、おかえり」
あわてて飛び起きる。70を越えもうとっくに退職する年齢を迎えてなお、毎朝欠かさず出勤していく働き者の父だ。幼少期からわたしたちきょうだいは、だ

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去年のようわからんメモ

去年のようわからんメモ

松本隆はサンリオなのでメンヘラ御用達
セクシャルバイオレットランド
松本隆前髪クリップ

トイレのスリッパに猫ちゃんの絵が描いてあり、2匹の猫ちゃんに見守られた排泄を強いられる

坂上田村麻呂のオールナイトニッポン(タータラッタ タッタラタッタッタラッ)

マニ車ハンドスピナー
質感ルービックキューブ
赤ひげ危機一髪(無麻酔オペ)

ダイドードリンコのコって何?

羽生 DA PUMP

新潟県の

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うつくしい私

うつくしい私

イタドリが一本生えていました。玄関からすこし歩いたところにある、石垣の隙間です。空へ向かってまっすぐに伸び、(背丈にすれば凡そ二尺と少々といったところですが、)まるで大樹のような堂々たる面持ちです。私はすこし寂しくなります。イタドリが大人になるとき、この素晴らしい季節はもう終わるからです。

むかし私が少女であったころ、ある敬虔なクリスチャンにこう言われたことがあります。

「きみには信仰心という

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色は匂へど疑へり

色は匂へど疑へり

仕事の休憩時間にロッカーを開けると、所属する職能団体の広報誌が配布されていた。近くのゴミ箱を覗いてみれば、既に同じものが何枚も放り込まれている。ほとんど誰も読んじゃいないのに、毎月これを作り、印刷し、届け続けているひとが存在する。

わたしも、いつもならろくすっぽ読まずに捨ててしまうのだが、その日は何気なくぱらぱらと頁を捲ってみる。労働環境改善の呼びかけ、組合の活動報告、研修案内、お偉方のコラム。

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快速急行、23:56

快速急行、23:56

最終電車に乗り込んだら、車両の床のど真ん中に、泥酔した男性が転がっていた。

30歳前後で、長袖のシャツにジーンズで、斜めがけのかばんを抱えていて、細身で小柄、色白の肌に生えかけた髭が青く、そしてそのぜんぶが吐物にまみれている。気持ちよさそうとも苦しそうともとれない寝顔。肩がリズムを刻んでいることを、遠目から確認する。

電車が動き出す。彼は眠り続ける。近くに座った若いカップルが、なんであんなんな

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