見出し画像

私はニセモノのイクメンだった

昨年(2020年)の4月にコロナ失業を経験しました。その話は過去の記事で書きました。

コロナ失業以前のことですが、私も妻もフルタイムの共働きで、外で仕事をする時間はほぼ同じくらいでした。そのため、家事や育児もほぼ半々で負担していました。

3人の子どもが小さかったときは、妻の産休・育休中期間を除くと、私のほうが育児に携わった時間は長かったのではないかと思います。妻は土日祝日も出勤のことが多く、保育園や学校が休みの日は、私がワンオペしていたからです。私ひとりで子どもをつれ、公園、川、山、海、動物園、その他いろいろと遊びにも行きました。内心イクメンを気取っていました。

現在は長女は高校1年生、双子の次女と長男は中学2年生です。中学・高校とも昼食は弁当ですが、その弁当も私が作ってきました。平日の夕食は妻、土日の夕食は私が担当していました。洗濯は私、掃除は妻がすることが多かったかな。その他たくさんの雑多な家事がありますが、だいたい半々で負担できていたと思います。

こういうことを知人に話すと、「えらいな、いいお父さんやん」と褒めてもらえることが多い。「そんなええもんちゃうけどな」などと、その場は謙遜しますが、本心ではまんざらでもない気分でした。「せやろ、もっと褒めてくれ」と、実は調子にのっていました。

ですがあるとき、ふと思いました。

もし私がえらいとすると、私と同じことをしている妻もえらいはず。でも妻は私と同じことを話しても、私ほどは褒めてもらえないのではないだろうか。「いいパパさんでうらやましいわ」などと、私の株だけ上がっていることもあるのではないだろうか。

私は、男女対等であるべきと頭では理解しているつもりでも、同じことをしているのに男だけが褒められるという状況を、あたりまえのように受け入れていたのです。

その自己矛盾に気付いてからは、「えらい」と褒められたら、褒めてくれたことにお礼を言いつつ、こう返すようにしました。

「夫婦ともフルタイムの共働きやから、あたりまえやねん」

これでピンと来ない人なら、「もしオレがえらいとしたら、同じことをしている妻もえらいと思うで」と付け加えました。

コロナ失業で主夫をしていたときは、家事のほぼすべてを私がこなしていました。そして昨年(2020年)の11月に起業してからは、私7・妻3ぐらいの割合で家事を担当しています。旅行会社を立ち上げたといえども、コロナ禍継続中で仕事はさほど忙しくなく、出勤は週3日、在宅勤務週2日の状態ですし。

「がんばってんな」とコロナ失業後に褒めてくれた人に対しては、このように返しています。

「いや、でもオレ今ほとんど収入ないねん。妻の収入に頼りっきりやわ。だから当たり前やねん」

謙遜ではなく、事実であり、そして本心です。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?