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#5 しゅうかつ

今日も今日とて限界大学生。

コロナ禍に入って2年と少し。ちょっと家にこもっていたら気付けば大学も4回で、夢のキャンパスライフは本当に夢に帰した。

二枚目俳優のインスタ配信みたいにヌルッとはじまった就職活動は実感がないまま進行し、何がしたいのかもわからんまま。やっと見つけた入社全身全霊希望貴社にも、就活本解禁前に早々祈られた。


僕は大学受験に失敗した経験があり、つまり浪人生をしたことがある。浪人期にはむしろ勉強以外のことが頭に浮かんでは消え、俗にいう「病み期」というやつだった。SNSには一足先に大学生になった同級生のキラキラ投稿、予備校に行っても休憩室で行われる似非合コン。幸い友人には恵まれたため、暗黒面に落ちることはなったが、この経験は僕からオプティミスティックな部分を削ぎ落とした。

自己肯定感の低さは就職活動においては致命的な弱点になりうる。その最たる例が自己PRである。自己PRというものは、自分のことを知らない人にこれまでの経歴や人より優れているところを自信満々に発表する素晴らしい機会である。この素晴らしい機会を僕は活かすことができないでいる。僕には自分の良さがわからない。

浪人期という暗いトンネルを抜けると、立て続けにオンライン授業という長いトンネルが待ち受けており、今は絶賛、しゅうかつロードを突っ走っている。

僕はただ出版社に入りたかった。


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