5月7日「苦手な待ち合わせ、ギリギリで乗り越えていく」

私は「何月何日何時にどこどこで」などという待ち合わせをするのが苦手だ。なぜ苦手かというと、待ち合わせ前日の夜に「しっかり眠れるかな」と不安になるから。しっかり眠れなければ、自分自身にとって待ち合わせ場所が地獄になる可能性があるから。

睡眠の質・量が不十分だと、身体がしんどくなるのは誰もがそうだと思う。しかし私はしんどさの「先」に起こり得ることを想像してしまう。「待ち合わせ場所に向かう途中にしんどさが限界を超え、過呼吸になったらどうしよう」「待ち合わせ相手の前で過呼吸になったらどうしよう。迷惑をかけたくない」といった具合に。

人前で過呼吸になって苦しむ経験をしてからは、そうなることを極度に恐れ、そうなり得る場面をなるべく回避してきた。

近所のコンビニで買い物をすることすらしんどい時期もあったが、ひょんなことから歩いて10分、バスで10分の「まちの小さな店」を手伝うようになってからは、人と話す機会が増え、だんだんと友人知人が増え、待ち合わせしてごはんを食べたり出かけたりすることが増えてきた。

それでもまだ基本的には「受け身」だ。ありがたいことに誘ってもらえたらそれに乗っかる(気心知れていたら、待ち合わせが苦手なことを伝える。察しのいい人は「無理しないでね」と言ってくれるから、この世界は捨てたものではないと真剣に思う)。しかし自分から「何時集合!」とは言えなかった。

言えなかった。過去形である。

昨日の夜、友人から「明日店に遊びに行く」とダイレクトメッセージが届いた。私は時間のある時に店を手伝っているので、いつも店にいるわけではない。その友人とは1カ月くらい会っていなかったので、会いたかった。面と向かって話したかった。だから控え目にこう返した。

「何時頃来るか教えてくれたら、合わせて行くよー」

すると「13時頃に行く」と返ってきた。

今日起きて、睡眠計測アプリを見ると、「睡眠時間: 5時間19分」とあった。つらー。ゾルピデムをポンポン口に放り込んでも、眠れるわけではないことを改めて実感する。体がしんどい。待ち合わせができても、すぐに「ごめん、急に仕事入ったから帰る」と嘘をついてしまいそうなくらいに。

11時にアルプラゾラムを口に放り込んで、30分仮眠を取ることにした。目を瞑ってから「1, 2, 3…」と数字を数えるのはいつものことだが、なかなか休まらない。そこで苦肉の策として「ワン、ツー、ワン、ツー」と数字のシンプルな増減を繰り返すと、すっと寝落ちした。タイマーが鳴って止めてからまた寝た。ざっくり1時間昼寝をすると、しんどさは大幅に軽減された。

友人とは2時間以上たっぷり話すことができた。

苦手な待ち合わせ、ギリギリで乗り越えた感が強い。待ち合わせ前に睡眠不足を穴埋めする仮眠を取っていなかったらどうなっていたか。目を瞑ってから「数字のシンプルな増減の繰り返し」を思いつかなかったらどうなっていたか。ギリギリだったと思う。でもギリギリだろうが、余裕たっぷりだろうが、待ち合わせてから素敵な時間を過ごせたなら何でもいい。

大袈裟かもしれないが、毎日はギリギリの繰り返しなのかもしれない。


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