見出し画像

創作童話 きまぐれモンスター 4/15

「ぼくのキャラメル食べたんだろ?」
「ああ、あのベロベロにとけてたやつね。ぼくが本当に力の出るもの食べたら、体の色が変わるはずなんだ」
夜になって、ぼくは夕ごはんの残りのとうふとおやつのプリンを持ってきてやった。テルモンはとうふを手でつかんで、ペロンプルンとのみこんだ。
たちまちテルモンの体はまっ白になった。どうやら元気が出たようだった。
次にプリンのにおいをかいで、カップからツルンプルンとのみこんだ。
「今度はクリーム色になるのかな?」
ぼくがじっと見ていると、思った通りだった。 おまけに頭の上だけカラメルソースの色だった。
ぼくはおもしろくなって、とっておきのアーモンドチョコレートを持ってきた。
けれどもテルモンはプイと横を向いて
「ぼく、かたいものは食べないよ」よ」      
と言って寝てしまった。
「なんだ、わがままなやつ。こんなにおいしいのに」

              つづく

#私の作品紹介

この記事が参加している募集

#私の作品紹介

96,012件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?