もうカミナリはへっちゃら 2/3

 「きみさあ、人をおどかしたり食べたりしない?」
 ともくんが聞きました。
「しないよ。今日は晴れているからひまなんだ」
 モワモワがこたえました。
「雨ふりの日はいそがしいの?」
 なおくんが聞くと
「おとうさんの手伝いがあるんだ」
 すました顔でモワモワが言いました。
「それってカミナリのじゅんびじゃない?」
 ともくんがびっくりして聞くと
「そうだよ。まだボクひとりではできないんだ。ツノが全部はえたらできるようになるって」
 そう言うモワモワをよく見ると、イチゴみたいなツノがちょこんと頭の上についていました。
「おとうさんてこわいんでしょ?」
 ともくんが聞きました。
「うん。わるい子が大こうぶつ。よい子はまずいんだって。ねえ、それよりボクの新しいゲーム〝UFOレースⅡ”で遊ばない?」
 ともくんもなおくんもモワモワのおとうさんはこわいけれど、ゲームはちょっぴりやってみたくなりました。
「ねえ、いっしょにやろう!」
 モワモワはそう言うと、窓に向かってのびているけむりをチョンと指でさわりました。
 すると、白いけむりのかいだんができました。それは窓をつきぬけて空まで続いていました。
 ともくんとなおくんはモワモワについてどんどんかいだんを上がって行きました。
 しばらくすると、雲の門が見えてきました。そこは白いわたがしのようなじゅうたんがしきつめられていました。

               つづく


r_r_r_r_rさんステキな画像ありがとうございました。

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