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探訪記② 尾道市

1.尾道を訪れた

以前尾道に訪れ、街の地形のもたらす景観要素の豊富さに驚き、記そうと思います。

2.尾道は「ワクワク要素を詰め込んだ箱庭都市」だ!

まずは以下の図をご覧いただきたいと思います。

訪れた際にウロウロした自分の脳内地図レイヤーをグーグルマップ上に重ねたわけですが、この街、ワクワク要素の詰め合わせです。

例えば、大童澄瞳氏「映像研には手を出すな!」という作品があります。女子高生3人組が妄想力を爆発させ「私の考えた最強の世界」を映像作品として昇華していく青春アニメです。

そしてその舞台となる芝浜高校そのものも、九龍城のように増築を重ねた構造、必要性のよくわからん(けどロマンはある)橋や水路等、作者の「こんなのあったらいいな」要素を詰め込んだ「最強の箱庭世界」となっており、すなわち二重に最強の世界が展開されているわけです。

尾道を訪れた時、「この世界観が現実に存在したらこうなるのかな」と感じました。

以下はロープウェイのあたりの高台から南西方向に見た景観ですが、山間の寺と市街地と水道と島(向島)の景観がグッドです。

「どんな景観が望ましいか」を定義するのは難しいですが、個人的には「人間文明と自然が調和」しているほど美しいのではないかと考えています。

養老孟司著「超バカの壁」で「都市化するということは自然を排除するということです。脳で考えたものを具体的に形にしたものが都市です。自然はその反対側に位置しています」という一節がありました。

例えばニューヨークは、都市計画に基づきマンハッタン島に人工的に創った、いわば経済合理性に基づく人間の脳の発現系であるわけです。

その点尾道は水道・狭い平野・後背山地といった自然の制約が大きいなかで、その制約に則り創られた街であり、自然的要素と人間文明のハーモニーが景観の妙味を生み出しているのではないか、と思います。さながら人間と自然のハーモニーにより種の多様性を生み出している里山の如く。

3-1水道

いずれも尾道から向島に向けて水道を望む写真です。尾道は渡し船がたくさんあります。

3-2商店街

ここの商店街はなかなか…どころか相当長いですね。味があります。

3-3鉄道

山間部と国道に挟まれた場所にある鉄道が、都市の一部として溶け込んでいます。

ちょうど鉄道が、寺が数多く有る山側と国道の間にあることから、「寺への参道が鉄道と国道を突っ切っている」というめずらしい景観が楽しめます。

3-4高台の寺社と細路地

建築基準法では基本的に道路幅は4mないといけないわけですが、これは火事防止と自動車の幅に併せたためです。

しかし徒歩移動が基本の昔にできた街区は道路幅2~3mといった細街区も多々あり、尾道の寺社周りはそのような細路地が多くあります。

合理性を追求するなら、近代的な建築基準法に基づく道路が推奨されるのは当然ですが、山の網目状に張り巡らされた、生活用途に最適化された細路地は有る種の機能美を感じます。

4.まとめ

以上、尾道の景観を紹介してきました。

尾道はしまなみ海道への拠点となっており、しまなみ海道は自転車乗りの聖地というくらいに自転車ロードが有名で、自転車屋や自転車レンタルが充実しています。

ぜひ自転車をレンタルして、街やしまなみ海道を巡ってみてはいかがでしょうか。

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