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一緒につくろう、一緒に届けよう。

「ローカル企業のスタッフ募集が難しくなってきている」という話を何人かの人から聞いた。移住を希望をしていた人たちが概ね移住した、という話と、リモートで仕事を持って移住しているのでローカルで仕事を探さなくよくなった、という二つの話。

「地域で暮らすこと」と「地域で働くこと」が分離してきていて、移住ではなくて引越し的になってきている、という話。

僕が関係している会社やチームでも軒並み一緒に働く人を探している。正直僕が暇だったらやりたい、という仕事もたくさんある。それでも人が集まらない。

一つには情報が届いていない、ということもある。ある種そういう(ローカル起業やソーシャルビジネスなど)コミュニティの中での情報は大体回ったのかも。グリーンズやソトコト、ターンズといったソーシャル系のメディアを普段から読んでいる人たちが自分にフィットする居場所を見つけられた、ということだったら嬉しい。それはとても素晴らしいことだし、次のフェーズに入ったとも言える。

コロナによってオンラインが日常になることで、コミュニティそのものがオンライン化した。そこに新しい分人(平野啓一郎さん的)が生み出されて、そこにまた新しい社会ができた。
もちろん仕事のあり方などこちら側でもっと魅力をつくっていかないといけないし、社会全体に面白い仕事が増えてきたということなのかもしれないけれど。

ソーシャル系のコミュニティが安定のフェーズに入っている。そこには精神的な安心感があって、気の合う仲間たちがいる。

だけど、多分、そういうところとは別で「自分のやりたい仕事ってなんだろう」と考えている人はまだまだたくさんいるはず。でも、僕らはその人たちに情報を届ける術を持っていない。

だから、過渡的に今のコミュニティの中で業務委託的にやりくりすることしかないのかもしれないけれど、それだと先が苦しい、と個人的には思う。もちろんそれでも成り立つ分野はある。だけど、僕らみたいにものをつくったり、生産したり、場所をもっていたりするチームはそれでは成り立たない。

生み出す人と届ける人

ものをつくったり、木を伐ったり、野菜を育てたり、その土地土地の文化を背負ったりするには、「その場所に立っている」、ということが重要になる。
その土地に立って生み出す人が、やっぱり足りていないし、「届ける人」も「生み出す人」の横にいた方がいい場面が結構ある。

やまとわ 農と森事業部の林業風景

生み出す人も届ける人もどちらも重要だ。しかも今生み出す人、生産する人がさまざまな業界で少なくなっている。

その根っこには「生産」に対しての価値低下がある。だからこそ、生み出す人と届ける人がチームになっていくことが重要だと思っている。
「生み出す友と届ける友」。お互いに生きていくために知恵を絞っていく。ローカルはそこが面白い。「自然資本からものを生み出す人」がたくさんいるのがローカル。

これはものづくりに限ったことではない。僕がやまとわの他に経営している一般社団法人◯と編集社と合同会社トビチカンパニー。このトビチカンパニーにgrav bicycleという自転車事業部がある。代表の小口良平さんは、自転車冒険家で自転車での走破国数と走破距離の日本記録保持者。かなり変わった経歴。
自転車冒険家、自転車ツーリズム領域の小口さんとまちづくり領域の◯と編集社が力を合わせて「自転車まちづくり」という文脈で展開しているのがgrav bicyle(グラバイ)という事業。

自転車冒険 グラバイキャンプ

グラバイには、自転車×まちづくりという文脈でいろんな相談やってくる。そこで今グラバイのディレクターを募集しているけれど、なかなか難しい。
オンラインでの仕事希望の人はくるけど、既に長野にいて、もしくは移住してというとすぐには難しい。

それでも、日本記録保持者の自転車冒険家の小口さんと一緒に「自転車でまちを面白くする」仕事なんてとてもワクワクする。
オンラインで可能ですか?という相談は来るけれど、なかなかそうもいかないというのが僕らの実感。

確かに、移住や引越しはハードルが高い。かくいう僕も三重出身で進学で信州に来てから、移住はしたことがない。
すごくやりたい仕事があるからと言って、まったくゆかりのない土地に引っ越すにはかなり勇気がいるのは想像がつく。

それでも、「これからどうしよう」、と迷っていたり、「東京じゃないどこかへ行こうかしら」と悩んでいる人がいれば、どこかへ行ってみてほしい、とも思う。地域にはあなたのような人を待っている人たちがたくさんいる。もちろん、無理に行かなくてもいいんですけど。

とりあえず、ここに暮らすぼくらが、ここで暮らす楽しさを生み出して、遠くへ届けていくしかないのでしょうね。

ということで、ローカルから生み出したり届けるたりすることに興味ある方、お待ちしています…。

森をつくる暮らしをつくる「やまとわ」と見えない価値に価値をつける「トビチカンパニー」。どちらもスタッフ募集中なので興味を持った人は是非覗いてみてくださいませ。

やまとわについて
トビチカンパニーついて


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