1107号室。電光石火な男の子|20歳年下セフレの話
「六本木ヒルズの屋上に行ったことある?あのヘリポート。あそこ好きなんだよね」
とその子は言った。
思わず彼の顔を見上げた。
なぜなら、ビルだらけの窮屈な東京で、私にとっては唯一「空を誰にも邪魔されずに堪能できる場所」であり、密かに何度も息抜きをしに行っていた場所が、六本木ヒルズのヘリポートだったからだ。
不思議な子だった。
26歳でありながら自分で事業を起こしていて、IQは高いし、電光石火の如き行動力を備えている。しかもお互い話していて、相手の言っていることが1秒もかからず理解できる。
多分、周りが私たちの会話を聞いていても、ついていけないと思うけど、
彼の言うことは
「あ、わかる」
となるし、
彼も私が言うことに
「あ、わかる。同じ思考だった」
となる。
なんというかシナプスレベルで通じている、そんな感覚になる子だった。
海外在住経験があることや、お互い事業家という点も少し似ていた。
何より、家系に霊感の強い方がいるためか、私が誰にも言ったことのない感覚的な話をしても、普通に受け入れてくれることが新鮮だっだ。
例えば
「私は採用の仕事をしているけれど、実は誰がうちに来ることになるかはレジュメを見ていてわかる時がある。レジュメから漂うエネルギーでこの人は受かるか落ちるかがわかる時がある。あと、退職しそうな人もわかる。」
と言うと、
「そうなんだ。HSP気質が強いんだね」
とサラリと受け入れる、といった具合。
目に見えないエネルギーや、「そのままいくとこうなる」という予想図など、私にはハッキリと見えるし、感じられるものであっても、それをそのまま言葉にしても理解されることは少なかった。
何度も顔を合わせている間柄であっても、共感されることの少ない私にとって、初対面でも、私が感じていることを変に疑ったりせずそのまま聞いてくれるところが、妙に居心地のいい子だった。
気づけばあっという間に4時間が経っていたほど。
某ホテルの「1107」号室。
1107(イイ オンナ)って語呂がなんだかタイムリーな部屋。
そこで出会った電光石火な男の子。
SEX後のピロートークが英語とビジネスの話という何とも色気のない二人だったけど、それも面白かった。こんな人今までいないのよ(笑)
蒸気で曇る窓ガラスに訳のわからない落書きをした。
「また曇った時に、浮かび上がるかもね」
と笑いながら。
比べるものではないけど、
セフレとして性的魅力を感じたのはこの記事に出てくるツバメ君だけど、
人として大切にしたいと思うのがこの子だった。
でも、そこは電光石火の男。
やることやったらスッといなくなりました(笑)
「え?やり逃げの食い逃げ?そういう嘘つく子っぽくなかったけどな」
と、お姉さんはしばし驚いてしまったのだけど、このブログも見ていることだし、何か思うところがあったのかもしれない。
真偽の程はわからないけれど、私に会わないことを決めたようなので、それならこちらもサッと引くのが私なりのお作法。「お達者で!」の気持ちで見送ればいい。
これからも活躍する人だろうから、どこかでまた見かけることもありそうで、楽しみにしている。
何せ電光石火の男なので。
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