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Tobas Memory 記憶の喪失と快感①

大野です。
今回から、3回に分けてカブトムシ屈指の人気曲
「Tobas Memory」について、
歌詞の世界観と創作について、思い出せる限り丁寧に綴っていこうと思います。

第1回となる今回は、制作に至るまでの経緯を簡単に綴っていくぜ!

楽曲を聴きながら、読んで欲しいぜ!

ではいこう!

まず、この曲を作った経緯から。
カブトムシは当時、制作の主軸を
アルティメットフィクションラジオ
「忘れないで未知子」においていました。

※忘れないで未知子とは
4人組アンサンブル”カブトムシ”の最初期最重要クリエイション、アルティメットフィクション・ラジオ。
第33世界(=観測不可能な宇宙領域)の無形な存在が繰り広げるラジオを描いた、アヴァン・ポップなラジオドラマ。

あれは2020年のことだったでしょうか。
僕はいくつかの作品に声優として出演していましたが、まだメンバーではありませんでした。
しかし、ある日の午後、藤井メンバーから一通の電話が。

「カブトムシに入んない?」(すごく優しい声音)

ここから僕の人生の歯車が狂ったことは言うまでもありません。
僕は当時東京藝術大学器楽科ピアノ専攻に在籍する学生でした。
(今も在籍中であることは秘密💌)

将来に悩んでいた僕は、新しい活動の始動に、脳汁がぶしゃあっと出てしまい、二つ返事で加入を承諾。

イタリアンレストランで働いて貯めた10万円を
・藤井メンバーのお下がりMacBook(2015年モデル)
・Ableton Suite(DAW)
に使い、準備万端。

早速、制作会議に参加!

は、いいものの、、、、。

そこで話される内容は、ドストエフスキーより難しい内容。
飛び交う会話は未知の領域。

唯一わかったことは

藤井メンバーがローファイヒップホップを作りたいということ。

僕は、ここに飛びつきました。

「ラップさせてくれや」(声小せえ〜〜)

はい、時系列を整理します⏰

2019年、藝祭でカブトムシと僕はコラボレーションしました。それは僕のフリースタイルラップをカブトムシの演奏で破壊しまくるというもの。その時から、ラップを練習しまくっていたのです。

えげつないスピードでの制作が始まります。

カブトムシは「忘れないで未知子」を2週間に1本制作していました。
企画会議で構成を考えた後、急ピッチで全ての素材を作り始めます。

Tobas Memoryの制作に費やした時間はなんと

3日間

恐ろしいことに、あのビート、会議の次の日に送られてきました。

藤井メンバー、えぐいて。

興奮した僕は、Dragon Ash風のFlowで日本語ラップを痛烈に批判した、
極上のリリックを書き下ろし藤井メンバーに提出。

その返答は…………….

「却下です」(ガビョーン!!!!!!!!!!!!!!!!)

"Oh My God"(ファザーはNO 降臨)


確かに僕は、初めてのラップでパキっていて、何を主題にするか考えあぐねていました。
当時僕はモテないクラオタ(クラシック音楽オタク)学生だったので、何かを痛烈にディスればモテると勘違いしていました。

冷静になりました。

さあ、高次元の世界を描こうじゃないか。
描けるだけ。

〜次回に続く〜


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