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百花を読み終えて

もしかしたら、読み終わってすぐ感想を書き留めたのは初めてかも。
後々書き連ねるよりは、読み終えた瞬間に書いた方がその時に抱いた感情を忘れないうちに文字にできるからいいと思う。

これからは、そうしよう。


超高齢社会になった日本にとって、認知症はかなり身近な病気。自分の祖母や母もいつ認知機能が壊れてしまうか分からない。
そんな中で、ピアニストであった母百合子が認知症になってしまった泉の物語は、遠い世界の話ではないように感じさせられる。

私の祖母は、認知症の症状は発してはいないが、しかし百合子と同じようによく昔のことを覚えている。
最近家に遊びに来た私の友達の名前を思い出すのは時間がかかるのに、昔働いていた同僚や小学校の同級生の名前はすぐ出てくるし昔のエピソードも満載だ。

勿論、私の昔の記憶もよく覚えている。
私が覚えていなかったことまでたくさん。

私の思い出なんか、私が覚えてないとなくなってしまうのだから、私以外が記憶しているのはなんだか嬉しい。

そういった記憶を、祖母から貰えるのは、私が考えているよりもずっとずっと貴重なことなんだと思う。


祖母の話は長い。それを疎ましく思い、最近はろくに会話していなかった。

だけどそれって勿体無いのでは? 

ちょっとずつ、時間がある時は祖母の話に耳を傾けていこうかな。

まだ、私たちが同じ時間の記憶を過ごせるうちに。

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