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優しい桜

暖冬とか異常気象とか色々ありますが、基本的に冬は寒くて辛くて生産性が滞る我慢の季節です。
長い冬を背中を丸めながら頑張って過ごしてきた刹那、
春の芽吹きとともに人々の表情にも生気が戻り、
生命たちは生き生きと活動を再開するのです。
春というのは、長い冬を越えてきた生命が迎える喜びの季節です。


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そんな中、たくさんの生命が春を知らせてくれます。

春告草=梅や、春告鳥=鶯や、春告魚=ニシン他はもちろんですが、
菜の花やつくしなどの植物や、
鳥の渡りや春一番などの気象現象などでも春を感じることが出来ますし、
東大寺のお水取りなどの春の行事で春を実感する場合もあります。


そんな中でも一番派手で全国津々浦々で愛される春のアイコンといえば桜ではないでしょうか。

春が来た!と誰もが心躍らせる桜が満開で咲き誇る様は、
長い冬を越えてきた喜びと相まって、
大きな幸せ感を我々に与えてくれます。
そう。桜という木はとっても優しいのです


桜は、まるでそんな僕たちのために、特別な進化で春を伝えてくれます。
普通の植物は、まず葉がつき、芽を出し、蕾を作って花を咲かせます。

しかし、桜は「じゃあ最初にあなたを喜ばせてあげましょう!」とばかりに、まず花を満開に咲かせてくれるんですね。

「寒い冬をよく頑張りましたね。春の美しさをまずは存分に味わってくださいね。」と言わんばかりにね。笑

そして僕らが春の訪れをひとしきり堪能して喜んだあと、
「じゃあ本職に戻りますね」と言って葉を出し初夏に向けて大いに茂り、
木々としての日常に向かうわけです。

桜は派手好きのお祭り野郎ではなく、実はとっても健気でホスピタリティに溢れた優しい淑女だったのですね。

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桜を見上げて
「あと、何回、桜が見られるのだろう」
人はそう考えて残りの人生の時間のなさを推し量ることがあります。

それほど、桜の開花は一年の中でも特別なエポックメイキングであり、
歳を重ねて生きる節目の象徴なのですね。

だから想いを巡らせるにはもってこいの花なんです。

桜を毎年見れたらいい。

それは今年も来年も再来年も、あたりまえのように過ごせたらいい、と同義なんです。
見ることが出来る桜の数を数えるということは、僕らが過ごす大いなる時間の中にあって、僕らの時間は期限付きなのだと教えられる瞬間でもあるわけです。

父と母と。
子供たちと。

夫婦で。

彼女彼氏と。
兄弟姉妹で。
仲間たちと。
毎年あたりまえのように、桜の下を通れたらいいなと思います。

そしてあたりまえのように見上げて、「綺麗だねー」と話しながら、
また来年も見れたらいいなと、無邪気に思っていられたらいいなと思うのですね。

そして、ちょうど満開の桜の下。
今年も見れてよかったな、と切に思うのです。

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