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ああ、今日も泣きそうだ #12:大人になって分かった音楽の聴き方

だれでも夢がある。夢と目標の違いについては何度も考えたことがある。
夢>目標
のような感じがするが、そんな単純ではない。人生は思っていたことと少し変わる。

夢は目的地で、目標はそこにたどり着くための船やガソリンという関係で間違いないだろう。目的地が決まっているというのは、人生という長い時間に向かう時に頼もしい武器になる。
芸人さんが、色々なことを芸の肥やしと言ってきたが、もう、何でもありの時代ではなくなった。むしろ、夢の実現に対しては、最短距離を進んだ方がいい。

目標はいわばチェックリストだ。それをクリアしていくと、夢にたどり着くような気がする。ただ、どこか到達可能域に入ったところで、それは夢ではなくなり、目標や締め切りに変わっていく。そこまで来ると目指していたものがそこにあるのに、プレッシャーを感じたり、足踏みしたり、わざと遠回りしたりする。

そんな時にはメンテナンスが必要だ。
私にとってお酒を飲む時間は、メンテナンスの時間です。

立ち飲み屋で、好きなものをオーダーして、本を読みながら、イヤホンでKing Gnuを聴く
私の今、一番好きな時間の過ごし方です。 

多分こういう事だろうと思う。
立ち飲み屋➡多少のカロリー消費/安い/他人観察(着席するとなかなか出来ない)
好きなものをオーダー➡食欲/何を頼んでも安い
本を読みながら➡本読むと自分の刻んだ時間がわかりやすく、「次何を読もう」という欲求が湧いてくる
イヤホンで➡うるさい外界からのシャットダウン(立ち飲み屋は特にうるさい)
King Gnu➡常田大希が創作に使った膨大な時間を音楽を通して効率よく感じることが出来る

音楽は言葉をかみしめるために必要だ。アーティストの濃縮された時間はレスペクトする。ふだん何気なく使っている言葉に魂が宿る。若い時に素通りしていた言葉が、瞼の裏に映って映像になる。

若い時にもっと感じたかったなぁ。この歳でやっと音楽の聴き方がわかった気がする。人生の後半で何をしようか考えるきっかけになる。

立ち上がる必要はない。
ここは立ち飲み屋だから。 

ああ、今日も泣きそうだ

アロハラボラトリー代表の篠原が毎週メールマガジンに寄稿しているエッセイ「ああ、今日も泣きそうだ」のアーカイブです。


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