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【年収3億超?!】ホロライブライバーの年収を運営の資料から推測した
要約
ホロライブを運営しているCOVER社等が公開している資料をベースに、ホロライブのトップライバーの演者の年収は3億円超であることが推定されました。
おまけとして、スパチャは無意味なのか、にじさんじとホロライブのどちらが優れているか、カバーが目指す’Vtuberの消滅’についても書いてます。
おことわり
・本noteに掲載されている情報は筆者の個人的な推測に基づいており、その正確性や完全性を保証するものではありません。
・本noteは2024年4月時点の情報に基づいて執筆されています。公開後の時間経過などにより、noteの内容が現在の状況と異なる場合があります。
・本noteの情報を利用して発生したいかなる結果についても、筆者は一切の責任を負いません。
・本noteの内容は予告なく変更されることがあります。
・本noteは特定の人物に関する情報を提供するものではありません。
本編
前回の記事ではにじさんじライバーの年収を推定しました。
今回はホロライブのライバーの年収を推定していきます。
推定の流れ
前回と同様に、報酬総額とその分配割合を推定することで年収を推定していきます。
運営会社の資料をもとに推定を行うため、比較的信頼性が高いと考えられます。
利用する資料
主にカバー株式会社が公開しているIR資料を利用します。
a.2023年3月期 決算説明資料
b.有価証券報告書-第7期
以下、簡略化のため[資料記号 ページ数]のように表記することがあります。例えば、決算説明資料の10ページを指す際は[a10]となります。
報酬総額の推定
ANYCOLORの記事では報酬総額の推定に多くのステップを踏んでいましたが、今回はとても簡単です。
というのも、なんと演者報酬を含めた売上原価の内訳がIRで公開されているのです!
![](https://assets.st-note.com/img/1701240321530-0IkoNJCO2j.png?width=800)
このグラフから演者報酬の総額を読み取ることができそうです。
そこで、このグラフの全体と演者報酬部分の長さの比を測ってみます。
![](https://assets.st-note.com/img/1697317044060-2pexkh6H0D.png?width=800)
(筆者の環境でのピクセル数を追加)
赤い部分が演者報酬部分で、上の数字はその期の売上原価の総計(百万円単位)です。
これをもとに演者への報酬総額を計算すると
2086×(136/270)+2335×(128/307)
+2636×(136/346)+3996×(170/522)=4361.7百万円
以上より、報酬総額が43億6000万円であると推定されます。
次に、この報酬プールがどのように分配されているのかを推定します。
報酬配分の推定
にじさんじの記事では、公開されていたVtuberあたりの収益貢献率から報酬の配分を推定しました。
利用する資料
ホロライブのライバーについて配分の推定に適した資料が見つからなかったため、にじさんじの資料を利用します。
前述の通り、にじさんじ運営のANYCOLORはライバーの収益率に関する情報を公開しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1701240396705-vRY1Q7g2ss.png?width=800)
これをもとに、ホロライブとにじさんじの報酬分布が等しいと仮定してホロライブの報酬の分配を推定します。
データの調整
にじさんじの情報をホロライブに適用するに当たって調整を施します。
にじさんじの記事では収益規模や休業率などを考慮し、所属ライバー156人のうち上位100人(上位64%)の間で分配を計算しました。
ホロライブは少数精鋭っぽいイメージがあるため、収益に貢献しているライバーの割合が比較的多いと仮定し、(IR公開当時)75人在籍しているライバーのうち、上位80%の60人で分配しているとして計算します。
トップ演者報酬額の推定
以上より、ホロライブの上位3人の取り分比率の合計は、にじさんじの上位5人の取り分比率の合計と一致します。
にじの上位5人の取り分比率の合計は20%なので、ホロの上位3人の報酬の合計は
43億6000万円×0.2=8.7億
となり、一人あたり2億9000万円と推定できます。
1位は平均より10%報酬が多いと仮定すると、トップホロライバーの推定年間報酬は約3億2000万円となります。
![](https://assets.st-note.com/img/1711725343607-5WgT5GpavK.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1711714105918-KfdntqKYT0.png?width=800)
2番手と中堅の報酬額の推定
また、2番手層と中堅層の報酬を推定してみます。
・2番手
2番手層を上位4番目から6番目とすると、取り分は15%なので、
43億6000万円 × 0.15 = 6億5400万円
となり、この層の推定平均報酬は2億1800万円となります。
・中堅
中堅層を上位16番目から18番目までとすると、貢献率は5%なので、
43億6000万円 × 0.05 = 2億1800万円
となり、この層の推定平均報酬は7266万円となります。
前回に引き続き、なかなかパンチのある推定結果となりました。
推定の信頼性
この記事における推定は、「にじさんじとホロライブの収益及び分配の分布が同じである」、「ホロライブはにじさんじと比較して、収益に貢献しているライバーの割合が多い」といった仮定のもとで行っています。このような仮定が現実とは異なっていた場合、推定値のズレは増加します。
まとめ
![](https://assets.st-note.com/img/1711793608132-SzpD4iFOAE.png)
年間3億となると、金額が大きすぎてなかなか実感が湧きません。
日本の企業役員で近い報酬をもらっているのは
・三井不動産(時価総額4.6兆円)会長 菰田正信:3億1800万円
・富士通(時価総額5.1兆円)社長 時田隆仁:3億円
・(話題の)小林製薬(時価総額4000億円)会長 小林一雅:3億1600万円
であるため、錚々たる超大企業のトップとVtuberが並び立つことになります。(報酬の情報は東洋経済オンラインより)
![](https://assets.st-note.com/img/1711792942074-33QpweFGT1.png?width=800)
みんなもhololive productionオーディションに応募して、大企業のトップに並ぼう!
さっくり終わってしまったので、おまけを長くします。
気になることをまとめたおまけ
以下、記事を書くついでに考えていたことのまとめです。
・スーパーチャットは無意味か?
・にじさんじとホロライブはどちらが優れているのか
・COVERはVtuberの消滅を目指している/新規事業のホロアースについて
の豪華三点セットでお送りします。
売れっ子Vtuberが一年で何億もの金を稼いでいるとなると、皆さんの中でなにやら浮かび上がって来るものがあるのではないでしょうか。
![](https://assets.st-note.com/img/1700853977072-4ZIIX5RARa.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1700856306687-2nxRpRJLX7.png?width=800)
そう、高額スパチャです。
Vtuber視聴者の間ではスパチャは非常にポピュラーであり、それゆえに「金持ちのVtuberにスパチャでお金を貢いている愚かな視聴者」や「貧乏人からのスパチャで荒稼ぎするVtuber」などとネットで擦られまくっています。
![](https://assets.st-note.com/img/1700898568336-8qGW3bF7HV.png?width=800)
さらに演者が何億も稼いでいるとわかったらますますスパチャとファンとVtuberへの風当たりは強くなりそうですが….
![](https://assets.st-note.com/img/1701254907260-PR9YWUB364.png?width=800)
しかし、私はこのようなスパチャ批判は間違いであると考えます。
スパチャが話題になるときは主に
・スパチャで荒稼ぎしているVtuber
・対価を期待できないのに金を投げている視聴者
という2つの異常者への指摘で構成されています。
したがって、これらの実態について考察してみましょう。
スパチャは儲からない
現状、大手事務所のVtuberはスパチャで荒稼ぎという収益構造を持っていません。
![](https://assets.st-note.com/img/1701241674578-kTLxTECDRr.png?width=800)
グラフの通り、ホロライブにおける配信・コンテンツの売上高は2割~3割程度に留まっています。この区分にはスパチャだけでなく広告収入やメンバーシップの収入も含まれていることを考えると、スパチャの売上中の割合はかなり低いと考えられます。
更に、[b64]より、スパチャはGoogleなどに持っていかれる手数料込みで売上に計上していると考えられるため、利益への貢献度は更に差し引かれることになります。
ここでは詳細を省略しますが、にじさんじだと更にスパチャの割合は小さくなっています。
つまり、Vtuberが「貢がせて稼ぎまくっている」という構造は存在せず、Vtuberは一般的なコンテンツビジネスと同じようにグッズ・広告・イベントで稼いでいるということです。
先程のグラフをよく見ると、Vtuberに勢いがあった2020年~2021年では配信・コンテンツ売上高が全体の半分ほどを占めており、その期間に世間にそのVtuber=スパチャのイメージが浸透したと考えられます。
逆にいえば2022年からは配信・コンテンツ売上高の売上が伸び悩んでいるということでもあります。「荒稼ぎ」するためにはスパチャだけでは足りないのかもしれません。
スーパーチャット=陰キャ版フラッシュモブ
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