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【Vtuberは年収2億超え!?】にじさんじライバーの収入を運営(エニカラ)の資料から推測した

割引あり

追記(2024/4/8):ホロライブ編も書きました。

要約

 ANYCOLORが公開している資料をもとに推定したところ、にじさんじのトップVtuberの演者の年収は2億円超であるという結論が出ました。(あくまで推定ですが)
 おまけとして、演者の年収は低すぎる説、準トップ層・中堅層の年収推定値、演者の年収の今後の推移予測をつけています。


おことわり
・本noteに掲載されている情報は筆者の個人的な推測に基づいており、その正確性や完全性を保証するものではありません。
・本noteは2023年9月時点の情報に基づいて執筆されています。公開後の時間経過などにより、noteの内容が現在の状況と異なる場合があります。
・本noteの情報を利用して発生したいかなる結果についても、筆者は一切の責任を負いません。
・本noteの内容は予告なく変更されることがあります。
・本noteは特定の人物に関する情報を提供するものではありません。

本編

 暇だったので、Vtuberの年収を推定してみました。
 Youtube収益予測サイトなどを基にした既存の推定と違い、公式の資料と具体的な数値を参考にしているため、比較的信頼性が高いと思います。

1.推定の流れ

 ANYCOLOR社が公開しているIR資料を利用して、演者へ支払われる報酬の総額と、演者への分配方法を推測し、それを用いて最も人気があるライバーの演者の報酬を推測します。

2.利用した資料

 当記事ではANYCOLOR社が公開しているIR資料を利用します。
 IR資料とは企業が株主や投資家に向けて自社の情報を公開する資料のことです。
 ANYCOLORが東証プライムに上場していることもあり、IR資料には事業や財務に関する詳細なデータが載っています。
 利用した資料は以下の通りです。
  a.2023年4月期 決算説明資料
  b.2023年4月期 有価証券報告書
 以下、簡略化のため[資料記号 ページ数]のように表記することがあります。例えば、決算説明資料の10ページを指す際は[a10]となります。

3.報酬総額を推定する

 ANYCOLORは演者に対して合計でいくら報酬を渡しているのかを推定していきます。

3a.直接変動費

 まず、損益計算書の直接変動費という項目に着目します。

[a6] 2023年4月期 通期決算より 赤枠は著者によるもの

 直接変動費として122億4000万円が計上されています。

 直接変動費とは、製品やサービスを生産するコストの中で、生産に直接関係するもので、かつ、売上や生産量に比例して増加するものを指していると考えられます。一般に材料費などがこれに該当します。
 ここで、上記の表の注釈に、直接変動費は「VTuberへの支払報酬、各種プラットフォームへの手数料、グッズやイベントに係る製造原価を含む」を含むとあります。
 他の適切なコスト要因も思いつかないので、直接変動費はこの4種類で構成されているとします。

つまり、
 直接変動費 = プラットフォーム手数料 + グッズのコスト + イベントのコスト + 演者への支払い
と表すことができるので

 演者への支払い = 直接変動費 ー プラットフォーム手数料 ー グッズのコスト ー イベントのコスト

となり、
 プラットフォーム手数料、グッズのコスト、イベントのコストを推定できれば演者の報酬総額が推定できることになります。

3b.プラットフォーム手数料の推定

 プラットフォーム手数料はYoutubeや販売委託先に支払っている手数料を指していると思われます。

[b71] 売上原価明細書 経費の主な内訳より 赤枠は著者によるもの

 [b71]に支払手数料として約31.5億円が計上されており、その中身は主にプラットフォーム事業者等への手数料であると記載されています。
 そこで、支払手数料のうち90%がプラットフォーム手数料であるとすると、28億3683万円となります。


3c.グッズのコストの推定

 直接変動費に分類されるようなグッズのコストは、当期に販売したグッズの仕入額と一致すると考えます。

[b71] 売上原価明細書より 赤枠は著者によるもの

 [b23][b71]より、コマース(=グッズ)領域の仕入額から当期販売したグッズの原価を計算すると、
 4億8887万円+44億102万円-14億606万円=34億8383万円
となります。

3d.イベントのコストの推定

 推定に利用できそうな情報が少なかったため、イベント領域の売上から推定します。

[a26]より 赤枠は著者によるもの

 [a26]より、イベント売上高は16億円なので、コストはざっくり8億円とします。
 雑な推定ですが、イベントは比較的小規模な領域のため、誤差があってもインパクトは小さいと考えられます。

3e.報酬総額の推定

 以上より、
 演者への支払い
  = 122億4000万円 ー 28億3683万円 ー 34億8383万円 ー 8億円
  = 51億1934万円
となります。
 ANYCOLORは全体として演者に約51億円の報酬を渡していると推定できました。
 次にこれが演者間でどのように配分されているかを推定していきます。

4.報酬の分配を推定

 [b26]より、報酬は自身が貢献した収益に応じて発生します。
 ここで、そのマージン率はどの演者も同一であると仮定します。
 すると、演者の報酬は
  報酬総額 × 収益全体のうち自身が貢献した割合
で計算されます。

4a.売上への貢献割合の推定

 [a21]のVtuber当たり収益貢献率グラフを利用して個々人の収益への貢献割合を推定します。

[a21]より

 [a21]の注釈によると、このグラフでは20%を占める按分対象外のものは除外されています。
 そこで、グラフ上の数値を1.25(=100/80)倍したものを実際の貢献割合とします。
 また、簡略化のため上位100人以外の収益への貢献は0であると仮定します。100人時点で累積収益比率が80%にかなり近いため、そこまで無理のない仮定であると考えられます。

5.実際の報酬を推定

 グラフを見たところ、収益貢献の上位5人の貢献は合計16%ほどなので、この5人が受け取っている報酬の合計は
 51億1934万円 × 0.16 × 1.25 = 10億2386万円
となります。
 一人あたり2億477万円であり、トップは5人の平均より10%報酬が多いと仮定するとにじさんじトップ演者の収入は
  2億2525万円
であると推定できます。

5a.推定の信頼性

 以上の推定は様々な仮定の上に成り立っており、仮定が現実に即していない場合は推定値と現実の値はずれることになります。
 ありそうなズレとしては、
・直接変動費に4つ以外の他の要素が含まれている
・グッズのコストに商品仕入れ以外の要素が含まれている
・マージン率が演者によって大きく異なる
などが考えられます。

6.まとめ

 夢ありすぎ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
 
20代(たぶん)で1億とか2億も稼いでるのって芸能人とかを見てもなかなかいないのではないでしょうか。
 その上、業務委託なのでサラリーマンよりも税金面で有利ですし、アバターのおかげで芸能人よりも有名税が低く、仕事量の調整もしやすいとなればもうVtuberにならない手はありません。
 この記事へのスキ・コメントをしたらVTAに応募してみんなもVtuberになろう! 

気になることをまとめたおまけ


・よく考えると演者の年収は低すぎる説
・2番手グループや、中堅層の年収の推測値
・演者の年収はここから伸びていくのかどうか

のよくばり3点セットでお届けします。

7.おまけ

7a.よく考えると演者の年収は低すぎる説

 上のまとめと矛盾するようですが、現在の演者の報酬は低すぎると私は考えています。
 確かに年収2億は一般的に見て十分すぎる金額に見えます。
 しかし、私は演者はもっと報酬を貰うべきであると考えます。

 その根拠として挙げられるのがANYCOLOR社の

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