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【葬送のフリーレン】「時間」は生物ごとに違うという話

↓葬送のフリーレン

※ネタバレはほとんどありませんが、キャラ設定が把握されていると望ましいです。
※「作中のセリフより」の項目にて、2巻(第8話)のセリフを引用しています。


どうも、こんにちは。
フリーレン様見守り担当の者です。

……今回はそんな冗談どうでもいいんだよ!
私はこの漫画が本当に好きでですね……最高ですよ。
この作品でなら、無限に記事が書けると思います。

「このマンガがすごい!2021」、第2位受賞もおめでとうございます。
私はこれから、バリバリ推していきとうございます。

好きすぎて、空きっ腹になったわねぇ。
だから僕はビッグマックを食べた。
こんなんなんぼ食べてもいいですからね!


今回は『葬送のフリーレン』を取り扱う記念すべき第1回ということで、さっそく本作品の主題……だと思われる部分から切り込んでいきたいと思います。

はい、それでは問題です。
私が思う『葬送のフリーレン』の主題は何でしょうか!?
回答者0人なので、それでは正解発表といきます。


「時間」とは何か

端的に表すと、これが私の考える『葬送のフリーレン』の主題です。
生物にとって、人生にとって、時間とはどういうものなのか。
これが、本作品の重要なテーマになっているのではないかと、私は感じています。

もちろん「主観」ですけど。


「時間」には、2種類あります。
物理学における時間と、心理時間です。

物理学における時間の立場では、時間があるとする立場と、時間がないとする立場の両方があるようです。

アインシュタインの相対性理論に基づくと、「時間」は観測者によって変わるため、絶対的な時間というものはないと解釈されます。

しかし、量子力学では、時間はあるとする考え方みたいです。
物理学における時間……いろんな立場があって、なんだか難しいわねぇ…………。


さて、今回のテーマは物理学における時間ではないため、これ以降の説明は割愛させていただきます。

興味を持った方のために、以下のサイトを紹介しておきますね。
上記の説明は、1つ目のサイトを参考にしています。

下に記載する本もおもしろそうです。
やっぱりブルーバックスは最高だよなぁ。


それでは、もう一方の時間を見ていきましょう。


心理時間

人間は、状況によって感じる時間の長さが変わります。
まあ、これは日常の中でも経験することが多いはずなので、分かりやすいと思います。

たとえば、

「『葬送のフリーレン』読んでたら夜中になっちゃったわね〜」

といった場合や

「この仕事つらくね?時間の進みが遅すぎるンゴwww、笑えん」

といった場合です。
明らかに、時間の感じ方が違うというのが、お分かりになるでしょう。

体験したことのある方も、多いと思いますわよ。

以下のサイトでも言われている通り、人間が感じる時間の長さは、時間に向ける注意、身体の代謝、体験される出来事、感情の状態などなど、あらゆる状況に影響されるのです。


つまり、私たち人間は、それぞれ同じような時間の長さで生きているように思いながら、実はまったく違う長さの時間を感じているのです。

その最も最たる例が、これではないでしょうか。


ジャネーの法則

これは「感じられる時間の長さは、年齢に反比例する」という法則です。
つまり、子どもよりも高齢者の方が、同じ時間でもより短く感じてしまうという現象なんですね。

親戚のおばさんが「あらあら、いつの間に、こんなに大きくなったのンね!」と言うとき、その方はジャネりまくっています。


これで、子どもと大人では、まったく違う時間を生きているということが分かったと思います。
また、これは本記事においても重要なことです。

それでは続いて、人間とその他動物において、時間の感じ方がどう違うのか考えてみましょう。


動物にとっての時間

動物にはいろんな種類がありますが、それぞれ寿命は違います。

私たち人間と、犬や猫との寿命の違いで、苦しんだことのある方も多いでしょう。

さて、時間の感覚という話をする際に、おそらく「寿命」は重要なポイントになると、私は考えています。

こちらの動画も参考にしました。

日本語がいいという方は、日本語の書き起こしがありましたので、こちらからどうぞ。

動物はそれぞれ、寿命が違うし、感覚情報の処理速度も違う。
それゆえ、動物ごとに時間の感じ方は違うと考えることができます。


しかし、実際にどれだけ異なるのかを知ることは、容易ではありません。
人間として生まれてしまったからには、動物になりきることはできませんからね。

彼らがどのように感じ、考えているか、現在の技術では解明することができません。


ただ、時間の価値は明らかに違うことでしょう。

たとえば、人間の寿命は約80年です。
犬の寿命は、とりあえず約10年としておきましょう。

すると、それぞれ1年を過ごしたとするとき、人間にとっては80分の1でしかありませんが、犬にとっては10分の1です。

この差は、非常に大きいものです。
8倍ですよ、8倍。明らかにデカいですよね。
もちろん、犬に時間の価値がわかるかは微妙なところなのですが。


動物ごとに、寿命が違い、感覚情報の処理が違う。
そして、寿命が違うということは、時間に対する価値も違う。

時間は、いろんな面で、動物ごとに違うものだと考えるのは妥当でしょう。


1000年以上を生きるエルフと

『葬送のフリーレン』の話題に戻ります。
上記の話を踏まえると、この作品の感慨深さが、一段とわかってきたのではないでしょうか。

フリーレン様は、1000年以上を生きるエルフなのです。

人間とは、年齢も、種族も違います。
これを上記の話に当てはめて、考えてみましょう。フェルンとの比較を通して。

計算しやすくするために、フェルンが10歳、フリーレン様を1000歳と仮定します。
まあ、フリーレン様が厳密に何歳なのか分からないし、レディーに年齢を聞くのも失礼ですから、数百年は誤差とします(誤差とは)

フェルンとフリーレン様の年齢差は100倍ですね。……えっ!?100倍ヤバ!!(率直)

これをジャネーの法則に当てはめてみましょう。
当てはめてみるまでもありませんが、これだけで時間の感じ方が、100倍も違うわけですね。
100倍ってヤバくね……?(連呼)

また、人間の寿命を100歳とし、エルフは……う〜ん、とりあえず3000歳くらいにしようか。
はい、寿命は30倍も違いました。

これで、フリーレン様とフェルンの、時間の感じ方や価値が、いかに違うか分かったと思います。
書いている途中、私も驚きましたが、もはや人間と動物の比ではないですね。
エルフってすごいんですなぁ……。


作中のセリフより

作中では、そうしたエルフと人間の違いを、明確に表しているシーンが多いですね。

その中で、私がもっとも印象に残っている言葉は以下です。

「みんなとの冒険だって 私の人生の百分の一にも 満たない。」
(フリーレン) 2巻 第8話
「私の人生では 二分の一ですから。
フリーレン様と過ごした時間です。」
(フェルン) 2巻 第8話

まさに、人間とエルフの、時間の感覚が違いすぎることを端的に表しています。

フリーレン様が述べた「みんなとの冒険」というのは、勇者一行と冒険した10年間の話です。
1000年以上生きたエルフからすると、10年間の冒険は、やはり「百分の一にも満たない」。

それに対して、フェルンの言った「二分の一」というのは、自分の今までの人生における配分ですね。
当時のフェルンは17歳と推測されます。
その「二分の一」を「フリーレン様と過ごした」。
約8.5年です。それでも、10年には満たないですね。


ここが非常におもしろいところです。
エルフであるフリーレン様にとっての10年は、百分の一にも満たない、些細な時間です。

しかし、フェルンは人間です。しかもピッチピチの17歳、日本だとJKです。
彼女の人生にとっては、8.5年が二分の一になります。

つまり、それはフリーレン様が言う10年にも達しないのですが、それだけ大きな比重があり、それだけ二人の間には、時間を感じるのに大きなズレがあるということです。

これが、上に書いたジャネーの法則や、寿命に基づいた時間の価値に通ずるというのは、すぐにわかるでしょう。

2人は同じ時間を共有しながら、文字通り、まったく違う時間を生きている。
これを美しく描写している本作品は、心の底から素晴らしいと思っています。
これからが非常に楽しみでなりません。

あと、フリーレン様とフェルンが可愛い。


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