3人家族が注文住宅を建てるまでの備忘録(土地探し)

前回、高機密高断熱な注文住宅を作ろうと決めたものの、土地探しは納得できるものになかなか出会えなく大変でした。

前回のnote↓

これから土地を探す方の参考になるよう、土地探しで注意した点とどうやって出会ったかを書きたいと思います。

家を建てる土地の広さ

建てたい家から逆算してどんな土地が必要かを考える必要があります。
1階はどれぐらいの広さなのか、2階建てなのか、平屋なのか、トータルの広さはどれぐらいなのか、庭付きなのか、テラスも必要?…etc

ある程度イメージがついて、譲れないところが決まったらどんな土地が必要かを考えます。この時気をつけるのは以下項目です。

建ぺい率

  • 土地の広さに対して使える1階部分の広さ。建ぺい率が60%の場合、土地の広さを100坪とすると1階部分に使えるのは60坪になります。

    • 平屋で30坪程度の家を建てたいなら、建ぺい率60%の土地だと50坪以上は必要ということになります。建ぺい率40%の土地だと75坪以上必要です。

出典:https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/chumon/c_knowhow/kenpei_youseki/#tboc1
出典:https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/chumon/c_knowhow/kenpei_youseki/#tboc1


容積率

  • 土地の広さに対して建てれる建物全体の広さ。容積率が200%の場合、土地の広さが100坪とすると建てれる建物の広さ合計は200坪になります。

    • 階数は問わず30坪程度の家を建てたい場合、容積率が200%だと15坪以上の土地だと可能ということです。

出典:https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/chumon/c_knowhow/kenpei_youseki/#tboc1
出典:https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/chumon/c_knowhow/kenpei_youseki/#tboc1

ということで、条件によっては家は建てれても駐車場や庭などのスペースは無くなってしまうので、外構条件も含めて考慮するよう注意です。
詳しくは検索するといくらでも出てきます。以下など

また、地域等によって変化しますが、なにかしらの条件を満たすことで建ぺい率や容積率が緩和されるケースもあるので、微妙に数字が合わないといった土地であっても不動産屋や施工会社に確認してみるのが良いです。

我が家の場合は角地の建ぺい率緩和が適用され、10%緩和されました。延床面積30坪程度の2階建ての家を建てるのに30坪弱の土地を選択したのですが、吹き抜け部は延べ床面積に計算されないので、吹き抜けが無い家よりは1階部分を広くできます。大きい吹き抜けを作りたいという場合は建ぺい率との戦いになる土地は都市部は特に多いかと思うので、10%も馬鹿にできないものです。

家を建てる場所

前段では必要な土地の広さを考えましたが、ここでは家を建てる場所について考えます。

部屋の明るさと日当たり

様々な要素がありますが、まずは一般的な各方角の日当たり(太陽の動き)について理解すると色々想像できます。

検索したらとてもわかりやすいサイトが見つかったので、詳細は上記サイト等で確認してほしいですが、ざっくりverとしては

出典:https://taiko-architect.com/column/太陽光の角度②|太陽光を理解する/
    • 日の出の方向、主に朝方に日が出る。地軸に対して夏は東北、冬は南東から日が上がってくる

    • 日中一番日がでている。冬は太陽の位置が低いので、南向きでも高い建物などあると日は遮られる

  • 西

    • 所謂西日の方角、日差しが強く角度が浅いので夏はつらく、冬は貴重な日当たり

    • 夏を除くと直接日が入ることはほとんどない。ただ反射した光は届くのでそこまで暗いというわけでは無い。

かなと思います。
サイトでは日射遮蔽にっしゃしゃへい などパッシブデザインの部分について触れられていますが、これも大事な観点で、日射を冬の暖房に生かしたかったら南向きの家が有効で、逆に夏の日差しを遮って冷房効率を上げるなら西側にはあまり窓を取らないか何か日射遮蔽の対策が必要など、自分が住みたい家をイメージして方針を決める必要があります。

この辺りは日照等のシミュレーションをしてくれる施工会社を選んで、土地選びを協力してもらうのが良いと思います。

私の場合は「直射を得たい、部屋が燦々と輝いていて欲しい」というよりは直射が必ずしも入って来なくても部屋が暗くなければ良いという考えだったので、周辺環境も考慮し日中暗くならないことに焦点をあてて土地を探しました。
暗くなければあとは家の性能と設備で快適に暮らせるであろうという考えです。

接道状況

前の項目で各方角の傾向を説明しましたが、不動産サイトに記載されている方角は土地に対して接道している道がどの方角にあるかを基準に記載しています。

広い土地の場合は接道してる方角は問わずに家の向きを自由に建設可能です。
ただし、他人の土地を生活動線に組み入れた場合はその環境が変わるだけで生活ができなくなる恐れがあるので、現状の周辺環境だけではなく、将来的な部分も考える必要があります。

また、日本の法律では原則幅4m以上の道路に2m以上の接道をしていない土地には家を建てれません。
接道義務については詳しくはこちら。ただし生活上問題無しと判断される環境であればみなし道路として建設が認められる場合はあります)

よく再建築不可の土地が割安で売られてますが、あれはこの法律がない時に建てられた古い家が残っている土地です。再建築不可物件はリフォームは可能ですが壊して新しく建てるのは出来ないので、十分注意してください。
(接道条件を満たせば良いので、周辺の接道してる土地を買収して一つの土地にして接道させれば可能にはなりはしますが…)

旗竿地も割安になりますが、周辺が囲まれているため日当たりが厳しかったり、接道しているのが私道だった場合は揉める原因になるので権利関係などもしっかり確認しておく必要があります。

用途(周辺の施設)

土地には法律で用途が設定されていて、適合する建物しか建築出来ないです。
詳細は以下のようにまとめられたサイトを見ていただくとして、気をつけるポイントは将来的にどのような建物が立つ可能性があるか、どういう計画をもとにその用途になっているかの確認かと思います。

例えば、第一種低層住居専用地域の場合はコンビニ等の商店が立つ事はありません。そういった土地で良いか悪いのかを判断するために土地の用途を近隣も含めて理解していた方が良いです。

この確認をおろそかにすると「閑静な住宅街だと思ってたのにマンションや工場が建てられた!予定と違う!」ということになるかもです。
作られたくない建物がある場合は作られない土地を選ぶ必要があります。

また、防火地域や準防火地域などの制限がされていないかも確認必須です。防火地域は防火対策がされた設備を導入しないといけないため、基準未満の設備は使用できなかったり、割高になります。

我が家は防火対象地域では無く、用途は第一種住居地域でした。
(第一種住居地域であれば防火対象地域では無い、という事ではありません。念のため)

開発計画

今後日本の人口は減少していくので、生活するのが今より難しくなる地域も出てくると思われます。
(未来はどこに住んでもあまり不便はなくなるような気もしますが、まだ世界はそのレベルになっていないと思います)

となると、将来的にもその地域が発展していき継続していくのかというのは重要な観点かと思っています。

気になる地域名と開発計画、例えば、渋谷 開発計画 などと検索すればその地域の開発計画は色々出てくるので、ぜひ調べてください。

「ここは小学校がないからNGだなぁ」とか思う土地でも実は建設計画に学校が入っていたりとかもあるかもです。ただ、期間が明確になっていない場合は注意です。
計画はあったが土地取得が上手くいかなく、いつまでたっても学校が建築できていないという地域も見かけましたので…

我が家は大宮のグランドセントラルステーション構想を遠い目で見守っています。高齢者になってからチラ見できるかなぐらいの気持ちですが。。

子育て環境

お子さんがいる場合は気づけると思いますが、いない状態で将来の計画にはあるがひとまず戸建てを作るなどの場合は子育てに必要な環境を把握してない可能性があるので、注意が必要です。

保育園、小学校、中学といった教育施設が存在するかや送迎できる距離なのか、それらの施設のクオリティなどなど…etc
特に保育園は小学校等と違い、あるから入れるというわけではないので、競走倍率なども含めて調べておくのが良さそうです。

教育施設が近隣にない環境で子育てをするのは費用負担も大きく、そもそも子供の数が少ないと近隣の子育てへの理解が低い恐れがあります。

この辺は近隣で子育て経験がある地元の不動産担当や施工会社の担当がいたら相談してみたり、近隣のお店とかで聞いてみるとか、一次情報を集めれると良さそうです。
地域名 子育て (例:江戸川区 子育て)などの条件で検索するのも必須かと思います。

治安・安全性(地盤・災害)

色々調べたのですが、ざっと確認するには以下サイトが最高でした。

このサイトで、対象地域の犯罪率、液状化リスクやハザードマップがかかっているか等確認できます。

割安な土地はハザードマップがかかっていることが多かったのですが、このあたりもトレードオフだとは思うので、諸々把握のうえで検討できると良さそうです。

地盤に関しては、さらに追加で簡易レポートも出してもらえます。

ただ、実際に建築する前には地盤調査は必須なのと、地盤調査は実際に建てる家の4隅の調査になり、そのどこかに問題があれば全体は概ね問題なくても地盤改良が必要になるので、あくまでもこれらは参考情報で最終的には運かなぁと思ってます。

我が家は地盤改良なしでした。

その他

建築条件付き土地

端的に言うと、「家を建てる施工会社が予め決まっている土地」です。
なので、例えばウェルネストホームという会社に依頼したいと思ってたとしても、建築条件で設定されているのが他の会社の場合は、原則ウェルネストホームには依頼出来ません。

要は施工会社が土地と建物の利益を両どりするため、土地を安めに売って、あとは建物で回収するというスキームになります。

ただ、問い合わせると建築条件を外せる土地というのも割とあります。
条件を外す場合は値上がりするのがほとんどだと思いますが、たまに変わらない土地もあったりするので、建築条件付きだからといって最初から除外しない方が良いかなと思います。

擁壁

盛り土などされた周りをコンクリート等で補強している土地があります。耐用年数のあるものなので、補修や作り直しが必要だったり、それらに気づいていない場合は崩落等の危険もあるかと思います。

一般に割安な土地になると思うので、相場より安い場合には擁壁が関連した土地でないかも確認必要です。

土地の購入方法

土地取得費用

土地取得費用とは別に、土地の状態によっては後から追加費用がかかるので注意です。
ざっと以下がかかりますが、土地価格の10%程度現金があると安全に購入できるかと思います。
(土地の手付け金で10%程度の現金が必要なことがある。最近は10%未満も多いがフルローンで考えてもローン手数料や登記費用等考えると土地購入価格に対して最低10%の現金を用意できないと注文住宅は建てられない)

  • 土地自体の販売価格

  • 契約時の印紙代

  • 仲介手数料

    • 売主物件だったら必要なし。取引物件価格(税抜)×3%+6万円+消費税 という形で計算される(3%の部分は上限で任意に不動産会社が設定できるが基本上限で計算してる会社がほとんど)

  • 土地分のローン手数料・諸費用(現金一括だったら必要なし)

    • 多いのが 借入額の2.2% + 印紙代など数万程度 かなと思いますが要確認です

  • 土地登記費用

    • 土地評価額の2% + 司法書士費用ですが、ざっくり土地購入価格の2%程度かかると思っておけば良い気がします

上記は土地取得時に必要なものですが、以下は建物を建てるために必要な費用で、土地取得時には必要ないため、ちゃんと把握しておかないと後で痛い目を見ると思います。

  • インフラ引き込み費用(引き込まれている場合は必要なし)

    • 水道・下水引き込み

      • 周辺状況や権利関係によって工事費が変動。数十万から百万程度まで幅がある

    • ガス引き込み

      • 周辺状況や権利関係によって工事費が変動。数十万から百万程度まで幅がある。都市ガスを引き込めない場所ではプロパンガスという選択肢もある

  • 建物が残っている場合は更地工事

    • 残っている場合の解体費用は構造と大きさによっても異なるが、少なくとも百万を超えるケースの方が多いかと思うので要注意。詳しくはこちら

我が家は売主物件のため仲介手数料はかかりませんでした。
が、長年駐車場として使用されていた土地だったので、水道、ガスの引き込みは必要な土地でした。

土地の購入申込手順

様々なハードルを超えて、これだと思う土地に出会ったら購入申し込み(買付証明書の提出)をして、他の人に買われないようにしないといけません。

以下サイトに詳しく書かれてました。

出典:https://suumo.jp/article/jukatsu/chumon/tochi/tochikounyu/

手付金を支払うまではキャンセルしても罰金などはないので、これだと思った場合は(値引きしたいならそれも含めて)申し込みするのが良いと思います。

ただし、人気の土地などは値引きで申し込んでも売主が断る場合や返答が保留され、定額で後から申し込まれたものに負けるとかはあるあるなので、相場から乖離しているとかでなければ無理に値引きするかは要検討かと思います。

我が家の土地との出会い

施工会社の検討と並行して合計1年以上は土地を見つめていて、前半はふんわり様々なサイトを見つめつづけて後半は以下のアプリで探してました。
複数のサイトを横断検索してくれるのでおすすめです。

前回のnoteの続きですが、ここで見つけた土地に問い合わせをして、現地確認もして良いなとなり施工会社も決めて、施工会社から不動産屋に問い合わせしてもらったらタッチの差で申し込みが2件入ってました…

数ヶ月動いてない土地で問い合わせした時点ではそういった情報も無かったので油断していました…一応キャンセル待ちしましたが奇跡はおきず…

良いなという土地は申し込みしようというのと、土地探しにしっかり協力してくれる施工会社選びが先だなぁという教訓です。

傷心の日々を過ごしていたら、その土地を売っていた不動産屋さんから「まだ公開してない買付したばかりの土地があるが興味があれば」という形でしばらく後で連絡があり、確認してみると条件を満たした土地で、なおかつ相場よりも割安でした。

現地も確認してとんとん拍子で契約までいきました。北向きではあるものの南西や西が開けた道路で高い建物もないため南の日差しは受けれるという土地で、明るさは問題無く、ガスと水道の引き込みは新規で必要でしたが、追加費用を考慮しても割安という判断で購入しました。

土地契約の時に担当の方から
「最近は新しい土地が出てもすぐに建売業者が買ってしまう」
「建売業者に売るのが嫌なので、出来るだけ家を建てたい人に優先的に紹介するようにしてる」
「すぐ売れちゃうので最近は売るものがなくて困る不動産屋がちらほらいる」
「ちょっと相場より安く売りすぎて怒られちゃった…幸せになってください笑」
という話もあり、良い不動産屋(というか担当者)に出会えて良かったなと。

特に私が探している時は住宅ローン減税の制度変更前の駆け込み需要とコロナでの巣篭もり需要のため、土地が全く出てこなく探すのが大変でした。

ちなみに他の不動産屋でも公開前の土地を紹介してくれることはありました。

良い土地はネットに公開される前に決まってしまう可能性もあるので、希望地域で直接土地の買付をしてる不動産屋さんとコミュニケーションを取ることも重要だと思います。

次回はローンの金利周りで悩んだ辺りのはなしをしたいなと思います。

土地相場チェック&比較ツール(有料)

土地探しにあたって、相場のチェックや各種比較のためにGoogleスプレッドシートで物件を管理していました。
内容をみれば自作可能な方も多いかもしれませんが、どの項目を対象にするかの調査やスプレッドシートの調整をした作業コストも考慮して、980円で販売したいと思います。

内容は以下です。自分で調査して作れる方もいると思いますが、一からやると各種調査と作成作業に数時間はかかると思うので、価格的には割安かと思います。

上記シートの空欄の部分に指定の情報を入力すると以下情報が出るシートになります。使用方法は動画も含めてご説明します。

  • 公示地価からの割安度

  • 坪単価

  • 公示地価調査用URL

  • 公示地価からの相場額(固定資産評価額)

  • 固定資産税

  • Googleマップに住所が反映されたURL

  • 1階部分に建築可能な平米数

  • 建築可能な総平米数

※各数値は根拠のある計算式で計算してますが、そもそもが目安の結果を出すための計算式となるため、参考情報としてご使用ください!

※動作確認済みなのは、Googleスプレッドシート と オフィス365のExcelのみです。おそらく端末にインストールされているExcelでも動くと思います。
Numbersでは正常に動作しないです。

あとはおまけで、今回noteに書いた注意事項をまとめた土地購入時のチェックリストもお付けします。


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息子のおもちゃ代になる予感です