
『優しいフォルムに草花の彩りを』加藤まり香さん
オルティッドでお取り扱いの作家さんのご紹介。
今回は加藤まり香さんです。

宮城県で生まれ育ち、京都府陶工高等技術専門校 成形科総合コースを修了後、岐阜県の製陶所にて勤務。その後、表現力を深めるため、京都市産業技術研究所 陶磁器コース、さらに陶磁器応用コースを修了。現在は、京都市にて作陶されていらっしゃいます。

泥をスポイトに詰め、絞り出して描くイッチン技法を用いて、繊細な草花のレリーフを施した後、色付けをする「イッチン草花シリーズ」と、独自に研究を重ね、見たことのないような色合いや質感を目指して制作している「釉薬もののシリーズ」をメインに、制作活動をされています。

ご両親おふたりともが陶芸家で、実家が窯元という陶芸一家で育った加藤さん。
草花を描くようになったのは、作品に花を描かれることが多いというお母様の影響とのこと。
草木を描くときは、「とにかく可愛く、乙女になりきる」そう。

描かれるお花は、ミモザ、木苺、ラベンダーなど、誰もが一度は触れたことのあるだろう馴染みのある草花たち。
決して派手でないけれど、可憐で優しい色とりどりの草花の彩り。
それらがアイボリーがかった丸みのある柔らかなフォルムの上に装い、上品でいて優しい雰囲気を放つ作品は、ぱっと私たちの目を惹きます。
その佇まいからは、奥ゆかしさ、穏やかな美を感じます。

ふと道に咲いた小さな草花が目にとまり、気持ちが温かくなったり、癒されたり、嬉しくなったり。
加藤さんのうつわを手に取ると、そんな思いを感じることができます。

慌ただしく過ぎていく日常の中で、移ろう季節を感じながら、ほっとひと息つける食卓に。
加藤さんのうつわは優しく寄り添い、癒しのひと時に気持ちがちょっと明るくなるような彩りを与えてくれることでしょう。
